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山陰の天気(3)黄砂「抄」 障?症?笑?


 この春は気温の高い日と低い日が交錯して体調を崩す人が多く、うららかで、のどかな春とは言いがたい。その上、晴れているのに、太陽がにじんで、空はヌードカラーである。いくらこのヌードカラーが最近の流行だといってもどうもスカッとしない。変な感じね、と思っていたら黄砂現象だとわかった。話には聞いていたけれどちょっと半端ではない。

 黄砂?、なんだっけという方もおられるかと思い、雑学情報をまとめてみると、ユーラシア大陸のモンゴルや中華人民共和国にはご存知のゴビ砂漠やタカラマカン砂漠があってこの砂漠の砂が風に乗って日本までやってくる。風は低気圧の発生で起こる冷たい風だ。ええっその砂漠って遠いですよねと疑問に思う方には、はい、日本から直線距離でゴビ砂漠まで、3000キロ以上です、という答えになる。ちなみにタカラマカン砂漠はゴビ砂漠より まだ遠くチベット高原の北にあたる。

 この黄砂、実際の生活には「汚れ」として大いに影響が出る。

まず車はひどく汚れる。黄砂がやってくるとガソリンスタンドの洗車量は膨れ上がる。ちょっと洗車を忘れて汚れたボディだ、という状況ではなく、「ああ、キッタナイ!!」とあきれ返る感じだ。夫は洗車用のチケットをGSで購入したくらいだ。洗濯物にも頼みもしないのにくっつく。悲劇は昨日やっと洗車したあくる日に黄砂現象が起きると目もあてられないという障害だ。

 そうこうしているうちに、目がおかしくなる。花粉症には今のところ罹っていないが、痒いというか、痛いというか、とてもウットオシイ症状だ。目に違和感がでても擦ってはいけないと幼い頃から言われたが、無意識のうちに、擦っている。変だ、変だと思っていたら、ラジオ番組で、黄砂の飛散が多いと目をやられると、パーソナリティーが言っていた。ひそかに「黄砂症?」と名づけてしまった。

 黄砂には鉱物物質が含まれているので、目に影響が出るのかもしれない、と思ったりもする。

 名も知らぬ遠き島より流れ来る椰子の実ひとつ・・・といえば、とてもロマンチックだけれど、モンゴル力士の故郷と出どころまで判明している遠い地から、流れ来る黄砂は大変な曲者と言える。

 気象庁の観測データでは2006年の黄砂量が年間で50日以上確認されていて、多いのは3、4、5月とのこと。

 海岸縁に高いフェンスをたて、黄砂流入おことわりと書きたくなるのは私だけだろうか。ついでに北朝鮮に拉致された人を返せ、とか、竹島は日本領だ、とか、東シナ海での天然ガスの採掘は中止せよとか、思いのたけを書いてしまうのはどうかと、勢いづいて思う。けれども山陰の人はユウコさんと違ってきわめて穏やかで、気が長く、空を見上げて、今年も黄砂が飛んできたねえ、春先はたいていこうなんだよ、くらいのものだ。

 帰宅すれば一歳半のちびちゃんがバタバタと走って玄関までやってきて、お帰りなさいの最敬礼をしてくれる。この子を目の中に入れようものなら、絶対痛いに決まっているはずなのに、思わず抱き上げてしまう。 黄砂にブツブツ言うのとだいぶ違う。 (^o^)

ゆうこの山陰便り NO.25

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