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スマホでネイチャーポートレート

iPhoneの「ポートレートモード」で道端の花や草木などの写真を撮るのが面白い、と先日書きました。その後もランニングや山歩きで使っていますが、自分にとってはスマホカメラの使い道が大きく広がったようで、とても新鮮です。

ポートレートモードは近距離の特定のポイントだけにピントを合わせるので、一度立ち止まって写すことになります。その意味で、ランニングよりも、移動速度が遅いハイキングと相性がよいものです。最近、20kmほどの日帰り山登りに行った際、このiPhoneのポートレートモードと、昔のフィルムカメラ・ローライ35Sで写真を撮りながら歩きました。どちらも面白かったのですが、ポートレートモードで道端の景色を写していくうちに、最初は少し違和感があった「ポートレート」という名称と「自然を写す」という使い方が、実はピッタリ合っているのではないかと感じるようになりました。

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英語のportraitは、肖像画とか肖像写真と訳されます。人の顔や上半身の姿を、表情とともに描いた(写した)もの、というのが、一般的な解釈ではないかと思います。私もそこから、スマホのポートレートモードは人を写すための機能だととらえていました。でも、山歩きなどで道端の気になったものなどをこのモードで写すうちに、ポートレートモードは「人だけ」に用途を限定すべきものではないと考えるようになりました。むしろ自然が多い場所を走ったり歩いたりするのが好きな者にとっては、草花や木々、石などを写すところにこそ、この機能が生かせるのではないでしょうか。言ってみれば、自然の表情を近くから写し取る「ネイチャーポートレート」です。

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自然はもちろん、人のように微笑んだりしかめ面になったりはしません。でも、歩いているときに気を惹かれた草や花、木などにはその色合いや文様、たたずまいなど、何か自分に通じてくるものがあるはずです。ポートレートモードを使えば、普通の「パンフォーカスで画面全体がくっきりはっきり」のスマホ写真よりも、その「何か」をよりうまく写し取れるのではないかという気がするのです。

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そんなことをしたいのなら、接写もできるコンパクトなデジカメを使えばいいのに、と思われるかもしれません。ただ、私は山歩きなどに行く際にローライ35やローライフレックスのフィルムカメラを持っていくようにしているので、これ以上持ち歩くカメラを増やしたくありません。それに、自分の場合は「写真を撮るために山に行く」のではなく、「山を歩きながら、移動の途上でちょっと写真を撮る」という主従なので、デジタル写真はなるべく手間をかけたくないのです。使い慣れたスマホでサッと撮影ができ、しかも背景のボケも作れるというのがいいのです。

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グーグルで「ネイチャーポートレート」と検索すると、自然の中で人の肖像写真を撮った画像がたくさんヒットします。これを英語でnature portrait とすると、自然そのものを写した写真が人物写真と同じぐらい出てきます。なので、私がこの言葉で考えている意味合いは、そんなに的外れなものではないはずです。

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これまでは、山歩きなどでちょっと気になった道端の景色などはそのまま行き過ぎるか、スマホで写真に撮っても後で見返すと何を写したかったのかわからないということが少なからずありました。それをポートレートモードが全て解決してくれるなんてことはありませんが、ふと心動かされた自然の姿形やたたずまいを、今までよりもいくらかは上手く写し撮れるようになるのではないかという気がしています。スマホを使ったネイチャーポートレート、まだまだ始めたばかりなので、どんどん試してみようと思います。

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