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ういのおくやまけふこえない

寒くてかち割れたやや手遅れの頭を気力と暗示で縫合すれば始まる。虚ろに澄んだ冬の夜。下を向いて足を引きずりながら歩いたレイヤーを結合すれば点つなぎの絵になるかもね。答え合わせは山の向こう側にあろうか。手前の僕は謎に謎を重ねまだ答えが出ない。


ここ最近揺れていたのは花ではなく僕。
心が豪快な変動を起こすので向き合わないと簡単に生活が終わる。好きなものを手放してしまう癖は根深く、無意識で心を落としてしまう手練れのトレジャードロッパーになりかけている。
ウェストピッカーズさえ見逃すごみのようなそれ。


それでも僕は凪のむなしさや美しい月を拾いたくて、今日もペンを持つ。骨の髄まで染みる孤独を花にして渡せたならどんなに嬉しいことだろう。
睨んだ眼差しを撫でてあげられたらどんなに嬉しいことだろう。

三合目に拠点を設営。
かつて笑えなかったまなこに情緒を宿すため、月明かりを頼りにあがくよ。
今は下を向くよ。

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