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文字列を覚えるのが得意な夫。

AmazonのFire TV Stickを買った。テレビでもPrime Videoが見れるようになる商品だ。普段の荷物はデリバリープロパイダで届くのに今回はヤマトなのはAmazonの力の入れようなのか…? まあそれはさておき、まぶしいオレンジ色の箱が我が家に届いた。新しいガジェットというのはいつだって楽しい。意気揚々と箱を開け、細長くて黒いマットな棒を手に取りまじまじと眺める。リモコンには電池を入れた。さて、とそのあたりでペラペラの説明書に目をやる。あっ、そうか、そうじゃん、wifiのパスワード…………入れなきゃじゃん…。

Fire TVをインターネットに繋げるにはwifiのネットワークに接続する必要がある。長くて複雑な文字列を入力する必要がある。ソファ下の奥のほうに置いたルーターを引っ張り出してそこに書いてあるのを見るか、パソコンのキーチェーンを見ればいいのだけれど、わたしはこの一連の動作がほんとにもう大嫌いだった。あんなにはやる気持ちで箱を開けたのに一気に興味を失い、別の作業を始めるのだった…。

夜になって夫が家に帰ってくる。Fire TVの箱を見つけ、わたしとは違い何のためらいもなくセットアップを始める。テレビをつけて画面の指示に従っていく。あ、来たぞ。パスワードを入れるターン。めんどくさいことをやらせてごめんねと思いながらもルーターを引っ張り出してくる動作を想像していた。すると驚いたことに夫は迷うことなくその場でスラスラと入力するのだった。 えっ、何?何なの?覚えてるの? パスワードを? 英数混りのランダムな11桁の文字列を……?

曰く「何回か入力しているうちに自然と覚えた」とのこと。ええ…何度も言うけど英数混じりのランダムな11桁だよね…? しかも覚えようとしてたわけでもないと…。確かに夫は「何でそれ覚えてるの?」という文字列を覚えている気がする。クレジットカードの16桁とか……。その話をしていると「免許証番号は覚えてないよ」と言われたが、それ覚えてたらさすがに引く。

その一方で、形や色を覚えるのはどうやら苦手なようだ。料理をするときに特に顕著で、「ばんごはんのおかず、お肉は何を使ったの?」という質問に「豚肉だよ〜」と答えて出てきたものが鶏肉だったり、「水菜取って〜」と言って渡されたものが小松菜だったりする。「肉」「葉っぱ」というジャンル以上に識別するのが難しいようだ……。物事を覚えるときに「文字として認識するタイプ」と「画像として認識するタイプ」がいる、みたいなことは聞いたことがあったが、ここまで明確に実感するとは思わなかった。夫と暮らして二年以上がたつが、まだまだ知らないことばかりである。

50文字で言えることを1000文字以上かけて書いてしまった……。Fire TV Stick便利です。

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