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「蕨のえぐみを知った日」ラリユルリダイアリー vol.10

4月10日(月)

京都の八百屋でこうた蕨と筍で、山菜そばにのってるやつみたいな感じで食べたいと思い炊いてみる。出汁と醤油と酒で味付けし味を見る。味がしゅんでるかとか、食材がまだ硬いかとかを確認するつもりだったが、蕨のえぐみにすべての注意を持っていかれた。

口にしたことのない山菜特有のえぐみ。磯っぽいえぐみとはまた違う、山の土の容赦なさを感じるえぐみである。山の洗礼を受けた。

だが嫌いじゃない。このえぐみ。

人工物のように身体が拒否することもなく受け入れている。このえぐみを一つの調味料として味付けを整えてみる。少し度直球パンチを和らげるため生姜を入れてみる。さらに、塩麹で旨みを引き出してみる。そして味見。うん、悪くない。えぐみも残りつつ、生姜と醤油と出汁がいつもとは違う感じで味わえる。

ここにまた一つ適当創作料理ができた。

それにしてもいつも食べている山菜そばの山菜からはこんなに強いえぐみは感じたことがなかった。調べるとどうやら、えぐみを取るために何回かゆがいているらしい。あの、何気なく食べている、準脇役ラインナップの山菜そばの裏にはとてつもない手間がかかっていることを知った。これは、心して食べる代物だと反省。

これからは、山菜そばの前で頭が上がりません。

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