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何者でもない自分が何者かを作る話。


はじめに

このnoteは仮想空間でコミュニケーションを楽しむゲーム
"VRChat"を題材にした記事です。

この記事は筆者自身がVRChat内でロールプレイをすることが多くなってきたことによって、考え方を形にしようと試みている記事となります。

日常的に私たちはロールプレイしている

アイドルグループ MIRACLE POPPIN' モーニング‼︎の楽屋裏

ロールプレイ(以下RP)はロールプレイゲームを想起される方も多くいらっしゃると思います。
メジャータイトルで言えば、
ファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどが出てきますが、
今回は本来の"役割演技"という側面から記します。

見出しの通り、私たちは日常で無意識的にRPしています。
学校や会社での自分、家庭内での自分、VRChat内での自分。
全て同じような喋り方、距離感、表情で接していますか?

きっとそんなことはありません。

上司と部下、先輩後輩、同僚…色々な役職が身の回りにはあり、
その役割をこなすことを日常的にしています。
そのため、RPは決して難しいものではなく役割に従って行動することが主となります。

話が脱線しますが、日常は役割演技の一つであることに気づけば、
良い人戦略という実際の気持ちは違うとはいえ、人当たりの良さによる
良いことをされると返したくなるという人間の普遍的な心理である返報性の最大のメリットが享受できます。
都合のいい人ではないことがミソなので、興味があればこちらもお勧めします。

肉体的な呪縛から解放されている自分

星の海を越えた先の藤棚を見る

VRChatではすべてにおいて自由です。
年齢・身分・役職全て取っ払って、肉体的な呪縛から解放され、
仮想の肉体に身をおく私たちは何が居場所になるのでしょうか。

VRChatでは自由な関係を持つことができます。
公序良俗に反することは基本的にNGですが、それでもアンダーグラウンドの世界ではバーチャルセックスを行う世界もあります。

フレンドを作るための初心者集会や、DJイベント、雑談イベントなど毎日数多くのイベントが実施され、多くの人がその空間で過ごしています。

私もその一人で、定期的に参加しているイベントでは常連になっているという自覚もあります。根源的には人は自由になったとしても別の人とのかかわりを全て断つことはできないと考えます。

そんな世界で、私はおはツイやワールド紹介を通して
RPをすることにしました。
特に私は無言勢ということもあり、肉声もすべて存在しないアバターと所作、書き言葉だけの存在です。
何だってなれるのです。

きっかけはなんだったか忘れたのですが、
その時期はVRC内で写真撮影しているフレンドとの交友が多く、
撮影用に色々ワールド巡りをし始めていた時期でした。

確認できる画像付きのRPおはようはこれが最初でしょうか。

こちらは寄稿2023年8月26日時点の直近の投稿ですね。

書いている文量などは違いますが、やっていることはほぼ変わりません。
VRC内で撮影している写真と、そのアバターが喋ってそうな書き文字でおはようを言っています。

VRChatは現実的ではない世界もあり、そんな空間で存在できるある種超越したものになっています。
リアルでは自撮りが嫌でも、VRChatなら自撮りが好きになった、というお話はよく耳にします。
それの延長線上で私はRPをしているように自分で思います。

設定は後から生やしてもいい

いつの間にか料理が得意になったお兄さん

さて、RPをする経緯や考え方などは上述の通りですが、
RPというものの一つの指標が「設定は後から生やしてもいい」です。

TRPGでよく使われるキャラクターシートなど見たことがあるでしょうか?
キャラクターシートでは性別や特技、性格など色々な属性を記入する欄があるのですが、究極的に言うと外見的特徴はアバターで埋められて、キャラクターとしての魅力の部分というのは複数のタグのようなもので片づけて良いと思ってます。

例えば下のような設定があったとします。
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かつて魔王を倒すという偉業を成し遂げた勇者、レオン。しかし、その戦いで失った仲間や町の姿が彼を追い続けていた。倒したはずの魔王の影が、彼の心に暗い影を落としていた。彼はその後、世界を放浪し、自分の中にある罪と向き合おうとしていた。

レオンは失踪から数年後、再び現れる。だが、彼の姿は以前とは異なり、絶え間ない戦いの痕跡が彼の肉体と心に刻まれていた。仲間たちは驚きと歓迎を交えて彼を迎えるが、彼の目には未だに闇が宿っていた。

「君たちのために、何人の命を奪っただろう?」レオンの声は冷徹だったが、その奥には深い後悔が感じられた。彼は再び行動を起こす決意を固めていた。失われた仲間たちのため、そして自分の罪を償うために。

仲間たちとの再会や新たな仲間たちとの出会いを通じて、レオンは徐々に心の傷を癒していく。彼の内面の葛藤や再び戦いに身を投じる決意が読者に伝わり、彼の成長と物語の進行が描かれていく。
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ChatGPTで作ってもらいました。
これだけでも面白そうなのは面白そうなのですが、これを140文字内のセリフに落とし込むことは不可能なので、ざっくりと分解してみましょう。

#勇者 #PTSD #責任感が強い #闇落ち #孤高
こんな感じでしょうか。絡ませづらいキャラだなーという印象です。

それでもこのタグを意識しながら140文字に落とし込む方が設定を読み込んで作るよりかははるかに楽になります。
一通りタグ通りでセリフを作ってみて、試行回数を増やすと後から設定は勝手に生えてきます。

自分の世界を持つことと受け入れること

ぼくのたいせつなともだちといっしょに!

試行回数を増やしてくると、一人だと物足りないとなり、
いつの間にかキャラクターが増えることがあります。
こういったものがいわゆるウチの子設定、というものになると思います。

そこでディスプレイのように飾り、お気に入りを毎日見るというのも楽しみ方の一つですが、もう一歩踏み出してみた場合の内容を書いてみます。

RPイベントです。
RPイベントとは、特定のお題目に沿ってその世界の一員になるものです。
ゲストであれば、素のままでもいいかもしれませんがちょっとはRPしたくなるものです。

初心者にありがちなのですが、恥ずかしいな…という恥の感情を覚えることがよくあります。ですが、覚えておいてください。

その感情は貴方の感情であって、キャラクターの感情ではありません。
キャラクターとしてはその口調、態度、性格はそのキャラのもののため、変えられるものではありません。

RPキャラクターを作ったのなら、発言や行動を受け入れてあげましょう。
他人からどう思われようとも、その世界で生きているキャラは貴方だけの物なのですから。あなたがめいいっぱい愛してあげましょう。

もちろん、人と共同で実施するため、こうしてほしいという要望や、反省はキチンとしましょう。独りよがりでは良いものは出来上がりません。

RPイベントではキャラクターの個性を見たい、世界観を見たいと来るゲストが多くいます。そのため、恥ずかしいなどの感情を持たず、そのキャラクターとして胸を張っていましょう。

それが、何者でもない私たちが作った何者かが、生きる場所なのですから。

おわりに

休憩中?…仕方ないですね、旦那様には内緒、ですよ?

アバター=自分という考えの人もいれば、
私のようにアバター=ウチの子、という客観視している人もいる。
という世界の作り方に面白さを感じて今回は変わった内容を寄稿させていただいております。

私自身は、このアバター変だよ!って言われたとしても、まぁそういう子だから気にしないで~とかなり他人事で流してしまいます。
人のためにアバターを作っているわけではないからですね。

その代わり、誰かのためにすることについては人一倍気を遣うようにはしています。
押しつけがましくないか、したいことができているか、などですね。

自分の世界を自分自身で受け入れて、他の人にも受け入れられることこそ嬉しいものはないですから。
そのためには他人の世界も否定せず、ひとまず受け入れてみましょう。

それでは、長くなりましたが良きVRライフを。

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