夜になりたい
いつもと変わらない日常にすぎない今日
駅のホームでふと顔を上げたら
空が赤くなっていた
17年間生きてきて見てきた空の中で
1番赤い空だったと思う。
やっと見つけられたのにその空は
ほんの一瞬しか姿を見せてはくれなかった
現にもう辺りは暗くなろうとしてる
赤かった空はちょっとくすんだ山吹色になって
東の空に至ってはもう既に色を失って
夜になろうとしている
空が色を失うのと共に街も夜になろうとする
道路沿いに立てられた街灯には光が灯る
歩く人たちはそれぞれの帰路につく
しょうもないことを考えながら
厳しい気温に耐えながら
大好きな人肩を並べながら
社会の波に飲まれながら
人混みにもみくちゃにされながら
夜の色に染まって
ゆっくりと夜の一部になりながら
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