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我が家の庭の風景 part.98「キジバト」

早朝に、台所の勝手口を開くと、庭のキジバトが慌ただしく飛び立った。おそらく番の鳩である。サラダ菜とか小松菜とか凍った葉野菜の茂った裏庭を自由に歩き回っていたようだ。
鳩は寒さが平気なのか。午前7時の気温はマイナス3度。
キジバトは冬の活動は活発ではないとネットで見たのだが、もはやその番は我が家に永住を決めたのだろうか?
どうやら、キジバトは1年中営巣活動ができるらしい。去年のキジバトと今年のキジバトとは違うのか。ずっと同じ親鳥なのかわからないが、ここ数年で相当なキジバトが、我が家から生まれて来たのかもしれない。

冬鳥が来ないと思っていた。
12月の終わりごろになって、窓の外が騒がしくなってやっと落ち着いた。小鳥が多いとやかましいと思うことも多いが、来ると思っていたものが来ないとなんとなく落ち着かないものだ。
今年の小鳥は鳴き声がとても綺麗だ。雀では無いようだ。冬なので当然かもしれないが。
窓を開けると、キジバトのように慌ただしく飛び立っていく。警戒心の強い鳥のようだ。警戒心が強いのに、なぜ人の寝室の真上に巣作りをしたのだろうか。
せっかく我が家の庭を自分たちの家に決めたのであれば、姿を一目なりとも見せてほしいものだ。

我が家の家猫たちは毎日やってくる外猫の監視に相変わらず忙しい。猫も番の親子のようで、子猫は三匹から一匹に減った。トンビやカラスに食べられたのか。どうしようもないけれど、その一匹だけでも無事に育つように願うべきか。
零下に生き延びているのだから、どこかの飼い猫だろうかと思う。
どうも小鳥を食べている様子もない。
外に野良だか飼い猫だかが三匹以上日参して、家には猫が二匹いる。
それでも小鳥の姿が絶えないのは、我が家の猫たちが鳥にとって脅威ではないからではないか。そのうち猫の背中に小鳥が止まっても不思議ではない。

というのも、外猫も小鳥も窓のそばにやってくるからだ。猫も小鳥も窓を開けると逃げていく。猫はたまにガラス窓を叩き、家の中の三毛猫が怒り狂って窓ガラスを飛び蹴り仕返している。外の猫も小鳥も家主の人間と仲良くするつもりはさらさらない。けれども気儘な外暮らし同士なら仲良くすることもできるのではないか。

キジバトはもはや我が家に年中いるのであれば、季節ごとのお客様ではない。庭の主である。懐かない家族だ。
猫と違って寒さで死なないか心配しないで良いから頼もしい。
キジバトはたまにニャーと鳴く。それは猫の鳴き真似か。元から持つ声色なのか。
すわ、家猫が脱走したかと心配すると外に猫の姿は無くて、鳩がクルクル鳴きながら何食わぬ顔で前庭の花壇の中で地面をつついていたりする。

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