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我が家の庭の風景part.59

シャガの花が咲いた。
もう4月である。
近所の桜は散り始め、庭にはクチナシが良く香る。
庭の花で香水を作ってみようかと思うが、手が出ない。
なぜなら、一度も香水をつけたことがないからだ。
作ることに興味はあっても、使おうとは思わない。
それはどういった心理なのだろうか。
アロマに興味はあるけれど、猫がいるから家の中に置きたくはない。
消臭剤代わりにポプリでも作ってトイレや風呂場に置くのは現実的だが、なかなか実行に移せないのである。

春、何となく体が気怠い。
いや、けだるさを超えて全身に激痛が走っている。
今日は頭が痛いかと思えば、翌日は腰が痛い。いやもう、腰はここ2週間ほどずっと痛い。
それなのに、腰が痛くなってからの方が庭作業に精が出るのだ。
気候が良いからだろうか。
気候が良いはずの季節になぜ体が不調になるのか。
何をもって、気候を良いとしているのだろう。

春の風景は彩り豊かだからだろうか。
それにしては、4月になると憂鬱になる人が増えるようなニュースを聞く。
美しい風景を見るだけではどうにもならない気候変動による体調不良なのか。
あるいは、その美しい春の景色が怪しく人心を惑わすのだろうか。

窓辺の猫は気に入ってくれているが、我が家の庭の「春の景」はそれほど美しいとはいえない。雑草は伸び放題で、裏庭の畑には菜の花にミツバチが群がってぶんぶんうるさいほどだ。
庭作業をすれば太いみみずを移植ゴテでぶったぎってしまう。
手に這ったダンゴムシは思わず振り払ってしまった。
私は庭作業があまり得意ではない。体の調子もよくなっていない。
けれども、やめられない。雑木に覆い隠されたような我が家の箱庭の中で、庭草について知りたいことが増えていく。

この草の名は?
そう知りたくなると知るまでどうにも気持ちが落ち着かないのである。

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