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3ヶ月予報(1〜3月)

12月24日発表の3ヶ月予報です。
西ほど寒さが厳しく、大雪に注意が必要です。

1.一般向け

北暖西冷

向こう3ヶ月の気温は西日本と沖縄で平年より低く
北日本は高い予想です。
ラニーニャ現象の影響で、寒気が西回りで入りやすく
北暖西冷の傾向で、西日本以南は寒さが厳しくなりそうです。特に1月が平年よりも低い傾向で、路面や水道管の凍結に例年以上に気をつける必要があるでしょう。

西日本は大雪注意

向こう3ヶ月の降雪量は西日本日本海側で多い予想です。
冬型になりやすく、寒気の影響を大きく受けるため、西日本で特に雪の量が多くなりそうです。日本海の海面水温が高いために、ひと雪の量が多くなる恐れがあり、交通障害などが懸念されます。いつも以上に雪対策を徹底しましょう。

2.専門版

SST

ラニーニャ現象は冬の終わりまでは続く可能性が高いとされており
SST分布もこれに対応して、太平洋熱帯域は西高東低の分布。太平洋中部~東部の負偏差は、期間の後半に向かうにつれて弱まり、ラニーニャは次第に終息に向かう傾向。また、インド洋は高温偏差。

SST(3か月)

熱帯

熱帯の対流活動は、SSTに対応して太平洋中部で不活発の予測。
一方、インド洋~東南アジアでは対流活発。

200hPa速度ポテンシャル(3か月)

上層

200hPa流線関数は、大陸南部でと北太平洋中部で高気圧性循環偏差となり
日本付近は相対的に低気圧性循環偏差。熱帯の対流活動に対応しているものとみられる。

200hPa流線関数(3か月)

特に2月にかけてこの傾向が強く、冬は日本付近で亜熱帯ジェットが南偏傾向。一方、日本の北では高気圧性循環偏差で、寒帯前線ジェットは北偏傾向。

中層

500hPa高度は、極域で負偏差となっており、正のAOの傾向で
寒帯ジェットの北偏も影響し、北海道付近は正偏差域がかかる。
このため北からの寒気流入は弱い。

500hPa高度(3か月)

一方、亜熱帯ジェットの南偏の影響で西日本以南は負偏差となっている。
2月にかけてこの傾向が続き、冬は西日本以南で寒気が流れ込みやすい。

下層

ラニーニャの影響によりインド洋に南北対の低気圧性循環偏差
太平洋の熱帯域に南北対の高気圧性循環偏差がみられる。

850hPa流線関数(3か月)

PNAパターンによる波束伝播により北太平洋の高気圧性循環偏差が強められているように思われるが、2月以降は太平洋域の高気圧性循環偏差が不明瞭となり、北太平洋の高気圧性循環偏差が日本付近に覆ってくる形となる。

850hPa流線関数(2月、3月)

このため、海面気圧は北太平洋で顕著な正偏差で、アリューシャン低気圧が弱く、北日本では冬型が弱い傾向。寒気の流れ込みが弱いため、850hPa気温も正偏差で高温傾向。ジェットの蛇行とも整合的。

850hPa流線関数、海面気圧(3か月)

2月以降は日本海に海面気圧の負偏差極大がみられるため、東日本以西は冬型が強まり、西回り寒気の影響を受けるタイミングがある。特に2月は亜熱帯ジェットの南偏で寒気も流れ込みやすいことから、九州~南西諸島付近が広く負偏差。

850hPa流線関数、海面気圧(2月)

日本海SSTの高温偏差が冬の期間続くことから、日本海側では雪の量が多くなる恐れが高く、2月にかけても要警戒。また、北日本も低気圧の通過に伴い雪の量が多くなり、高温傾向を考慮すると、例年より湿った雪が多くなる可能性がある。

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