今村猛は二度死んだ

リリーフとしてもう8年、広島を支え続ける今村猛。

2011年、2012年の酷使で一度潰れかけましたが、2016年に見事復活を遂げ、連覇に大きく貢献しました。

入団してからの年度別成績をまとめたものが、上記表です。

2011年、2012年に一軍に定着し、貴重なリリーバーとして活躍していますが、登板数に対しての投球回数が明らかに多いことが分かります。(2011年は先発をこなしていた時期もありますが、リリーフ登板48試合で66投球回)

両シーズン共に当初は序列が低く、ロングリリーフや敗戦処理に近い起用がなされていたのは事実ですが、それにしても多すぎます。

ロングリリーフ、敗戦処理なんてものは高卒2年目のドラフト1位投手に与える役回りではなかったはずです。

このように余計な負荷を与え、かつ2013年にWBC日本代表のメンバーに選ばれたことで、疲労を抜く間もなかったことから、2013年頃から明らかに成績の低下が見られ、2014年、2015年は1軍で戦力になりませんでした。

酷使により一度おかしくなってしまいましたが、それが2016年、フォークが使えるようになったことやストレートの威力が復活したことでセットアッパーとして返り咲きます。

しかし今季、再び消えかけた灯が消されようとしています。

開幕当初こそ結果を残していましたが、交流戦終盤から捉えられるケースが増え始め、一度登録を抹消されます。

そして先週一軍再昇格を果たしたものの、いきなり回跨ぎをさせられ、火曜日には炎上してしまいました。

正直、もう昨年から2016年の面影はなくなりつつあり、フォークを連投することで何とか凌いでいる様子でしたので、このようになることはある程度想像がつきましたが、それでもやり切れません。

復活した2016年以降の3年間の球種別投球割合と平均球速及び得点増減をまとめたものです。

上記のように2017年よりフォークの投球割合が大きく増え、さらに酷使の影響からか全体的に球速も低下しています。

今季に入ると、wFA、wSFもマイナスへと転落しており、確実にボールの威力は落ちていることがうかがえます。

ストレートの球威の劣化が顕著なことで、フォークの連投によるごまかしが利かなくなったといったところでしょうか。

球威の劣化をフォーク連投で補うも、それすら上手くいかなくなってきた中日・浅尾と同じルートですね。

ドラフト1位で入団し、将来は先発の柱として期待された投手がチーム事情があるとはいえ、このような形になってしまうのは悲しすぎます。

このような形で使い潰して良いのでしょうか?

歴史的にも多くの投手を使い潰していますが、その教訓がまるで生かされていません。

トッププロスペクトの投手が長く活躍できる環境が整備されているとは言い難いというのが現状です。

今村のような例を少しでも減らすには、投手コーチを広島に所属していたことのない、もしくはMLBに見識の深い方を招き入れるのが手っ取り早いのではないでしょうか。

広島のコーチ陣は、基本広島純血の人達ばかりですから、過去の広島での成功体験を基に指導や運用等を行っている可能性があります。

野手に関してはそれで多数のリーグを代表するような選手を輩出していますが、投手に関しては間隔を空けることなくエース級の日本人投手が出てくるという面もありますが、雑な運用で多くの投手が使い潰されたという例は枚挙にいとまがありません。

ですから広島式の雑運用に歯止めをかけるには、他球団や外からの視点を持っている方、もしくはリリーフ運用に関しては一つ先を行っているMLBに見識の深い方を招き入れるのが良いはずです。

黒田、もしくは高橋建あたりが投手コーチの座について運用させればかなりマシになると思うのですが…

黒田はその存在がデカすぎて、投手コーチで戻ってきてもらうのは難しそうですし、高橋建は現状阪神のコーチなので阪神が手放さない限りは難しそうですがね…

#野球 #プロ野球 #広島 #カープ #今村猛 #酷使 #投手コーチ


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