佐藤優の覚醒

私は基本的に広島の試合しか見ないのですが、対戦球団の選手に唸らされることもしばしばあります。

その内の一人の選手が中日の佐藤優です。

ちょっと今日は苦しい投球になってしまいましたが。

昨年まではストレートに勢いのある投手だなくらいの認識でしたが、今季覚醒を遂げ、7月以降はリリーフの一員として好投を続けています。

この覚醒の要因とはどこにあるのかについて本稿では探っていきます。

プロ入り後の年度別成績をまとめたものです。(今季の成績は8/20時点)

過去2年はこれと言って見栄えのする数字はありませんが、今季は倍くらい跳ね上がった奪三振率と1割台の被打率の低さが目につきます。

今季の覚醒具合がうかがえますね。

次に球種別の投球割合や平均球速について見ていきます。

プロ入り以後の投球割合、平均球速、をまとめたものです。(成績は8/20時点)

過去2年から今季にかけての進化としては、2017年:127㎞⇒2018年:132.2㎞とスライダーの高速化という点が目につきます。

実際、私が佐藤の投球を見ておおっと感じたのはこのスライダーです。

所謂スラッターってやつですね。

このスライダーのスラット化に伴い、wSLはプラスに転じており、なおかつ空振り率も2017年:11.25%⇒2018年:21.74%と倍近く上昇しており、奪三振率の飛躍的な向上にも間違いなく寄与しているでしょう。

昨年まではストレートの威力こそあったものの、武器になる変化球がなく苦労していたところをスライダーのスラット化に成功することで、2ピッチで勝負できるようになり、リリーフとして活躍できるようになった、というのが飛躍の理由でしょうかね。

またDER(本塁打とファウルを除く打球のアウト割合)が20投球回以上の投手で両リーグ3位の.807(リーグ平均が.689)という数字を叩き出しています。

中日の外野陣は平田、大島といった守備の優れた選手がいますが、内野陣はお世辞にもディフェンスレベルは高いとは言えず、極端なフライボーラーでもない佐藤にとってはあまり都合の良いものではありません。

その中でDERがこの数値ですから、運の良さもあるでしょうが、ボールの強度やキレがあるためにそれだけ強い当たりを打たれておらず、中日内野陣が処理しやすい打球を打たせているとも取れるのではないでしょうか。

その結果が、.125という驚異的な被打率の低さに結びついているのでしょう。

ここまで佐藤の覚醒の理由について探ってきましたが、一つ心配な点があります。

それは中日の投手運用です。

中日の投手運用も中々酷いもので、田島、又吉、祖父江、ルーキーの鈴木博までもがいなくなり、現在クローザーが不在という事態に陥っています。

まともな投手が少ない現中日リリーフ陣において、佐藤は貴重な存在ですから、ここから更に登板機会は増えるでしょう。

ここで雑な運用に耐えられるかどうかが、今後も継続して活躍するポイントとなるでしょう。

本当はこんな低レベルな心配はしたくないのですがね苦笑

データ参照:1.02 Essence of Baseball(https://1point02.jp/op/index.aspx)
     データで楽しむプロ野球 http://baseballdata.jp/

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