クリスマスイブ。訳あって九州を高速バスで北上している。福岡空港からインドネシアへ行くためだ。仕事の出張である。

福岡行きのバスにはカップルがいっぱい乗っている。ひとりで乗っている人は数えるほどしかいない。

思えば、働き始めて7年、年末年始を出張先で過ごしたのは6回目。慣れたものではある。仕事だからしょうがないと思いつつも家で過ごす妻には少々悪い気もする。ただ謝ったりはしないようにしている。謝るくらいなら出張を断ってでも一緒に過ごすべきだと思うから。

そんな妻は文句を言ったりしない。文句を言うことはプライドが許さないのだろう。「あっそう。」という程度だ。

ちょっとぐらい文句を言われる方が心も晴れるのに、とわがままなことを思う。

今の仕事は来年4月から変わる。出張も少ないから、大切な日を家族と過ごせるだろう。

そんな年末年始の出張、悪いことばかりではない。年末年始働くと、通常の残業代に加算で年末年始手当のようなものがつく。また海外の年末年始を過ごすのはなかなかできない経験である。

前向きに考えてみるもやっぱり蕎麦食べながら、「ゆく年くる年」を見ながら年越しするのが一番だ。