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1分で良いから会話を巻き戻せる力が欲しい

人との会話が苦手な方だ。自分から話題を切り出すのが苦手だとか、初対面ではある程度の世間話は出来てもそれから何度も会ってから仲良くなるまでにはかなり時間がかかるとか、そんな会話に関する悩みをいつからか抱えている。本格的に悩むというか、それで落ち込んだりするようになったのは社会人になってからだろうか。

そんな僕はふとした会話の中でも後悔することが多い。よくあるのは話の中で相手から受けた質問に対して、少しズレた返答をしてしまうことだ。

会話のキャッチボールをしていて相手から受け取ったボールを投げ返そうとした時に、ただストレートに返せば良いものを、謎にフォークを投げてさらに中途半端な場所でワンバンさせて相手まで届けるような。なんか違うなっていう返答をしてしまうことがある。

その間違いに、暴投したボールを相手が受け取ってから数秒経ったのちに「あれ、自分はなんでストレートを投げなかったんだろう」と気が付くのだ。そして変なボールを投げた自分になんか恥ずかしくなったり、上手くボールを投げられなかった後悔をしばらく引きずったりする。こうしてキャッチボールに例えると謎な現象が、会話のキャッチボールの中ではよく起こってしまう。

「相手はこういう返事が欲しかったんだろうなー」とか「なんでわざわざそんなこと言ったんだろう自分は」と、いつも発言して少し経った後にようやく気が付く。考えて喋っていないからだろうか。普通に会話出来ている人たちは、そんなコンマ数秒の間にアニメのように頭を働かせて会話を組み立てて口から言葉を発しているのだろうか。

まあそんなことはないんだろうけど(もしかしたらマジで会話が得意な人はそうなのかもしれないけど)、会話が苦手な人間はそんな馬鹿なことを考えてしまう。

1分だけでいいから、会話を巻き戻せる力があればこんなことで悩まなくて済むのに。もしそんな力があれば今より3割くらい楽に仕事が出来そうな気がする。人間関係が気楽に円滑になると、それだけ仕事が楽になる。しかし人との会話が苦手だと、それだけでハンディキャップを感じてしまう。

なかなかこの性格は治すのが難しい。会話に関するビジネス書を一度読んでみたりもしたけれど「それが出来たら苦労していないんだよ」と身体が受け付けず身に付かなかった。たまたま良書に出会えていなかっただけかもしれないが、どうにかしたいなと思ってみても成果は得られなかった。

しかしこの失敗は定期的にしてしまうもので、こうしてまた思い出して、ふと1分でいいから会話を巻き戻せたらいいのになと妄想してこの記事を書いている。良い加減この悩みから解放されたいので、また少し改善しようともがいてみようかな。1分巻き戻せる力が手に入るのが一番いいんだけどね。

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