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油彩画の基本的な描き方とおすすめの道具

油彩の力強さ、光沢感や立体感のある作品は引き込まれるほどの圧倒的な存在感がありますね。扱う画材が異なることはもちろん、表現スタイルが自由なのも油彩画の魅力なのではないでしょうか。今回は初心者さんにぜひ知ってもらいたい油彩画の描き方の流れや、ゆめ画材からおすすめの道具をご紹介します!

描き方の流れはこんなイメージ

制作の工程や画材には個人差がありますが、基本的には6つの流れに分かれます。

1 題材を決める

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静物画から人物、風景、抽象画をはじめ多様なモチーフがあります。最初は植物や果物など身近なものが取り組みやすいです。光や影を取り入れるとメリハリのある作品に仕上がります。モチーフにあたる光を一定にして、影をつくりながら立体感を意識しましょう。

2 下絵を薄く描く

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キャンバスに木炭や鉛筆でモチーフを大まかに描きます。鉛筆の代わりにペインティングオイルをまぜた油絵具(おつゆ描き)で描き始めてもOKです。イエローオーカー(赤みがかかった黄色)など茶系の淡い色を用いると後から重ねる色の邪魔になりません。

3 絵具を加えて描き始める

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影や光を確認しながら筆で色を置いていきます。木炭が気になる際は布で炭を拭いながら重ねます。最初はキャンバスに絵具をすり込むように薄く塗っていきます。絵具を重ねるにつれ、少しずつペインティングオイルを加えましょう。絵具のノリを調節して好みの質感に整えていきます。

4 描き込んでいく

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表現に合わせて筆やペインティングナイフなどを用いながらモチーフの形と質感の描写をします。厚めに仕上げたいときは、絵具が重なるにつれて、画用液(テレピン)を減らし、ペインティングオイルを多くして使います。

5 全体を整えて仕上げ

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全体の色調や、明暗の関係、色のメリハリなどを調節しながら色を置きます。このときグラッシ技法と呼ばれる透明度の高い絵具を重ねて塗っていくと、立体感が出て全体の色調と一つ一つの形が際立ってきます。最後に気に入ったところでサインを入れ完成です。

6 時間を置いてニス掛け

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油絵は時間とともに艷がなくなる傾向があります。作品の表面を保護しながら艶を保つために、完成した油絵には仕上げ用ニスの「タブロー」などを塗ります。乾燥により画面の艶が部分的にアンバランスになったり、色が引いてくることもあります。目安として完成後から半年程度置いてからニスを掛けることが多いです。

必要な道具と材料

必要な道具を紹介します。

油絵具

最初は10~12色程度のセットがおすすめです。描きながら欲しい色を追加していきましょう。

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画筆

油絵のねばりに負けない弾力のある豚毛が基本になります。平筆丸筆や、大小、そして毛質の硬軟など必要に応じて揃えましょう。筆の種類で表現が広がります。

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画用液

画用液の種類が多くて迷う人は「ペインティングオイル」が便利です。乾性油と樹脂、揮発性油がバランスよく配合されているのでそれぞれ用意しなくても1本で始めから仕上げまで使えます。描き始めには薄め液として「ターペンタイン(=テレピン)」または「ペトロール」を混ぜるとさらに使いやすくなります。

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パレット

油絵具を並べたり混ぜたりします。木製のものが一般的です。また、使い捨てできる紙でできたペーパーパレットもあります。使い終わると1枚ずつはがせるので、掃除の手間が省け、少量の使用の際などに便利です。

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キャンバス

木枠に張った麻布に白色塗料が塗られていて、そのまま油絵具が塗れるようになっています。なかには綿や化学繊維のキャンバスもあるので素材によって使用感は異なります。サイズは最初6~10号ぐらいが手頃です。パネルなどにも描けますが下処理が必要です。

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ペインティング ナイフ

刃の先端やエッジでひっかいたり、フラットな部分で面を表現したりするのに使います。ナイフの大きさや形は様々です。最初の一本は多彩な表現ができる、菱形がオススメです。

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その他必要なもの

・油壺

画用液を入れて使う容器です。パレットに取り付けて使います。小さなガラス瓶などでも代用できます。使い残しの画用液を放置すると酸化して絵具を汚したり、固まって蓋が開かなくなるので注意を。

・パレットナイフ

絵具の混色やパレットの掃除、キャンバスの地塗りなどの下準備や後片付けに使います。パレットを痛めないようにペインティング ナイフより丸みを帯びているのが特徴です。

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・筆洗器、ブラシクリーナ

油絵具の着いた筆は水で洗えないので、筆洗器に入れた専用のブラシクリーナで洗います。汚れた筆を直接筆洗器で洗う前に、雑巾や新聞紙で筆の油絵具十分拭ってから洗うと汚れが落ちやすく長持ちします

・ぼろ布・ティッシュ・古新聞・エプロンなど

あると便利な道具

・イーゼル

キャンバスなどの画面を立てる台で、野外用と室内用があります。20号以下の場合は、携帯できる野外用で十分使えます。

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・スケッチ箱

油絵具、画用液、油壺、筆、パレットなどの一式を入れて持ち運びするための箱で木製タイプが多いです。

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・キャンバスクリップ

未乾燥の作品を運ぶのに使います。キャンバスを2枚内向きに空間を作りながら組み合わせるので、画面を汚す心配がありません。

・鉛筆、木炭

下絵を描くのに使います。慣れたら油絵具で直接下描きをすると画面が濁らずに済みます。

ゆめ画材おすすめのアイテム

ゆめ画材 限定 クサカベ 油絵具一式 木箱セット

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ゆめ画材オリジナル ヴァンゴッホ 油絵セット

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じっくりお気に入りの作品を仕上げよう

油絵のスタイルや道具は奥が深く、表現方法も千差万別。表現するだけでなく何を使うかによって作品の仕上がりが変わってきます。完成までのプロセスをじっくり楽しみながら、細部まで突き詰められるのは油絵ならではの醍醐味かもしれません。試行錯誤しながらじっくり作品と向き合いましょう。お気に入りの道具を見つけて、自分らしいスタイルで油絵を楽しんでください。

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