新生前夜

ガンプロ新体制の前夜となりました。
今年に入ってから猛スピードで時間が過ぎていく感じがあります。
1月6日の大阪大会後に大家代表から独立を告げられたことが昨日のことのように思い返せれます。

非常に短期間のうちにガンプロの面々は自分の進路やプロレスとの関わり方を選択しなくてはならなかった。
即断即決した人、出来なかった人、違う進路を選択した人。いろんな人がいる中で、大家代表は「独立することが一番ガンプロらしく生きられると思った」と言葉にしていて、とても立派だと感じたし、そこに嘘偽りのない純粋な感情があったと感じました。最終的に大家代表が私に「残留してほしい」という願いを感じさせてくれたのも嬉しかった。

ガンプロが独立して変わることと、自分のこれまでの人生をおさらいしていくような瞬間や出来事が不思議とリンクしていきました。3/31にはガンプロでプロレス活動をしていくキッカケとなった浪口修と試合をしてピンフォール勝利。4/23には吉田豪さんの『豪の部屋』に出演して、自分の生い立ちやサブカルチャーに傾倒していった人生やガンバレプロレスでプロレスをするまでのプロローグとなる自分自身の人生や影響を受けたことを総括することが出来ました。結果的に短期間でこれまで拗らせてきたサブカルのようなものも、初期ガンプロの呪いも成仏出来ました。やり残したと思えることを限りなくゼロにすることが出来ました。

これまで伸ばしていた髪もバッサリ切りました。
この3年ほど髪を伸ばしていたのは自分にハッタリをかましたかったからだと思っています。
“変わっている人、一般世界とは違う自分”みたいなのを自分に言い聞かせたかったし、そういう演出を無意識下に施していましたが、もうそういうのは自分にいらないなと思いました。何者かになれていなかった自分はもういなくて、何者かになって、自分の脚で、自分の名前で仕事をしているからこそ、もう余計な演出を自分にかける必要はないと感じました。何かを断ち切るようにバッサリと切りました。それは確実にガンプロ新体制のスタートとシンクロしています。シャンプーも楽になり、とても気分はいいです。

初回の興行は完売との報ですが、有り難すぎるお話です。
ですがそれに一喜一憂してはダメで、次の興行、次のスケジュール展開をどれだけ視野に入れられるかだと思っています。プロレスはゴールのないマラソンであり、最終回を作ったらいけないドラマだとも日々感じています。

選手・スタッフみんなが同じ足並みを揃えていますし、団体内での”仲の良さ”みたいな部分は際立ちますが、根本的にそこにはしっかりと競争があるはずで、馴れ合いで残るのではなく、上を目指すためであり、ガンプロの自由な風土が私には合っていて、みんなのことが好きだから残りますし、切磋琢磨出来る人間たちがいると思えれているからです。自分が強くなるためには自由が必要で、自由を重んじてくれている、それに理解力のある人たちがいる、だからこそ、その自由で団体に還元がしたいです。

昨晩、新生FMWの映像を見ていました。

https://www.youtube.com/watch?v=M1cfKW1eOOU

1998年4月30日、ハヤブサさんがメーンの締めで「新生FMWだ!」と叫び、冬木さんは解説席で「ディレクTVがついて全く新しい形のプロレスが始まる」と言っています。

我々は逆で、テレビがついたわけでもなく、大きな資本がついたわけでもないし、母体となる企業様が運営していくというわけでもない。
インディペンデントになりました。でも新生です。紛れもない新生ガンバレ☆プロレスなんです。

地に足が着いていて、ジャンプすることにもどこかで怯えている。
大きな会場を抑えるリスクをしっかりと感じる。
でもそういうリスクや、まずは足場を固めようと堅実に動ける新体制が地盤を固めています。
こんなに地に足が着いている新体制って聞いたことがない。
ある意味ではプレステ2がPS1になるくらいの出来事かもしれないです。
それでもこういう形のアップデートもきっとあるはずなんですよ。
iPhoneは機能が増えすぎていて、これ以上何が便利になっていくんだろうという部分もあるにはあって。
私はこの混沌とした現代にこうしてインディペンデントになるガンプロが果たせる、見せることの役割は大いにあると思っています。

これからの私は何を目指すべきか、何を皆さんにお約束できるのか。
おおよそこれまでのガンバレ☆プロレスでの今成夢人は「何者かになるための物語」でした。

もちろんチャンピオンベルトを獲るとか、それを目指すとか、もっと強くなる!とかはもちろんありますが、ここからはこれまで以上に様々なものを養分にしていって、今成夢人こんなになっちゃうのかよ!ってなりたい。応援して良かったと思えるくらいの大きな存在になりたい。映画監督にもなりたいし、ロッキーになりたいし、スタローンにもなりたい。
プロレスラーが、プロレスというものを通過して、プロレスというなんとも不思議な”底が丸見えの底なし沼”に入った人間だからこそ獲得出来る視座でもって、様々な表現をしていきたい。
それこそロッキーのような、もはや存在が概念化されているような物語を創り上げたい。
まだふわっとしている部分があるけど、ここからは彫刻のように自分自身にある余分なものを足しては削ぎ落とし、足しては削ぎ落としを繰り返していくことになると思います。
今成夢人だからこその物語。小さな物語ではあるが、ある意味でスケールはどこにも負けていないような。ここにしか見られない、映画とも音楽とも違う、総合芸術としてのファイティングアーツ、プロレスリングを探求していきたいと思っています。

まずは明日から、どっしりと堂々とリングに立ちたいと思います。
よろしくお願いします。

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