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しーちゃんとママのたんじょうび


6月6日は、しーちゃんの5回目の誕生日です。
そして、その8日前がママの誕生日です。
しーちゃんは、2歳の時から毎年、5月の半ばから6月にかけて体調を崩し、40度の熱が出たり、鼻水やら喘息のような咳など、風邪の症状が出て苦しい思いをしています。
しーちゃんがそうなるのは、保育園が4月に新年度を迎え、緊張やら気疲れをしているせいではないかと、ママは思っているようです。
そんなわけで、ここ数年は、ママの誕生日もまともにお祝い出来ていなくて、しーちゃんと一緒に誕生日会をしています。

しーちゃんの誕生日には、イベントやらサプライズをするため、ママは今年も一ヶ月前からしーちゃんの体調を整えて頑張っていました。しかし、しーちゃんは、やはり熱を出してしまいました。
これまでの誕生日には、あーちゃんたちと一緒にディズニーランドよみうりランドに連れて行くことが出来ましたが、今年は難しいのではないかと思われました。
ママは、5日から7日まで休暇をとり、しーちゃんの誕生日にはキティーランドに行き、翌日はパパも一緒に恐竜博に行く予定にしています。

誕生日前の3日の夕方、あーちゃんの家に来ていたしーちゃんは、また熱を出してしまいました。

「熱も下がって良かったと思っていたのにね・・・」

しーちゃんの熱が39度以上もあるので、あーちゃんは誕生日の準備をやめて、先延ばしにする事にしました。

翌日、解熱剤が効いたのか、熱は38度に下がり、夕方には37度5分までになりました。
しーちゃんは、ずっとおもちゃで遊んでいて、日中お昼寝をしたのですが、あーちゃんは心配で仕方がありませんでした。
そんなあーちゃんに、ママが言いました。

「今の子供は、38度ぐらいでは平気で遊ぶよ。私たちのころよりも、基礎体温が高いからだと思う」

「そうなんだね。あなたたちの小さい頃は、高熱と言っても40度まであがったことなんてないし、38度超えたらぐったりしていたものよ。40度超えたら脳に悪い影響を与えると、ばあばちゃん(※あーちゃんのお母さん)がよく言っていたから気を付けないとね」

「私もこわいと思ってるよ。体温計が40度超えて痙攣した時は、死ぬほどこわかった!」

ママとあーちゃんは、傍で遊んでいるしーちゃんを見ながら小さくため息をつきました。


その日の夜、

「しーちゃん、明日までにお熱が下がらなければキティーランドは無理かもしれないけど、恐竜博は行けるように頑張ろうね!」

「キティーランドもいきたいよー」

しーちゃんは、恐竜博よりもキティーランドに行くのを楽しみにしていたのです。

「それはママも知ってるよ。キティーランドはなくならないからいつでも行けるけど、恐竜博はもうすぐ終わっちゃうの。終わったら見に行けないでしょ?だから、見に行くために体を休ませてあげるの。キティーランドには、元気な時にいつでも連れて行ってあげるから」

「うん・・・わかった」

恐竜博へは、家族三人でお出かけする予定です。パパとのお出かけは久しぶりなので、恐竜博もしーちゃんは楽しみにしています。

そして、誕生日当日。

夕方、あーちゃんの携帯のLINEに数枚の写真が送られてきました。
それは、キティーランドではしゃぐしーちゃんの姿でした。

キティーランド、行けたんだ~。
そっか、そっか。良かったね~

と、あーちゃんは返信しました。


翌日の恐竜博も行けたそうですが、キティーランドがあまりにも楽しすぎて、しーちゃんには恐竜博の印象が薄いようでした。
ママが言うには、「骨だから」だそうです。


後日談ですが、

楽しいお出かけの裏で、しーちゃんは数日、夜には激しく咳き込んで苦しみ、看病していたママは、そのせいで寝不足になりました。
あまりにもひどいので、内科だけでなく耳鼻科も受診しました。
耳鼻科は初めてのしーちゃん。
ほとんどの子供が嫌がって泣く診療科です。喉や鼻とか耳に、何かを入れられるのですから無理もありません。

「あーちゃん、しーちゃんね、よばれてね、しんぞうがドキドキしてね、いすにすわってもね、ずーっとドキドキしてたんだぁ。それでね、おはなにおくすりいれたらね、すこしくるしかったんだよ!ケホケホってしちゃった」

しーちゃんはその時のことを、興奮気味で話してくれました。

「耳鼻科って、ほとんどの子が暴れるから、診察の時は、看護師さん二人がかりで子供を押さえつけるんだよね。でも、しーちゃんはじっとして診察受けて、泣かなかったよ。不安がるといけないから、ある程度のことは説明しておいたんだけどね。耳鼻科は難関のひとつだったから・・よかったわ」

ママによると、歯医者も怖がらないようにと、前々からしーちゃんを歯科健診に連れて行って慣れさせているのだそうです。


*来年の誕生日こそは、お熱が出ませんように・・・。












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