#02 上司にプレゼンして初めてわかった夢

2016年3月11日 金曜日

転職をして、新しい職場に移った。

プレゼンをしていたらしい。

何のプレゼンなのかはよくわからないけど、とにかく人に何かを縣命に伝えていた。プレゼン自体、前の職場では無縁の「行事」だったので、これが私の初めてのプレゼン体験となった。

終わってから上司や先輩と思わしき方々と会話をした。

「初めてにしては、よくできた。わかりやすく伝えるっていうことはとても難しいことなんだけど、今日の話し方はよかったね。」

誉められるということも、前までは滅多にないことだった。驚いて一瞬固まり、カッと熱くなって顔から火が出そうになった。

「ありがとうございます。」

「君はいいヤツだ。とてもいいヤツなんだけど、素直すぎる。無防備だ。だからどこかで必ず失敗すると思う。それでいいと思う?怖くならない?」

何のことを話しているのかよくわからなくなってきたけど、この先ここでやっていけるかと面接で試されているような場面だった。私は少し考えてから答えた。

「わかりません。◯◯(覚えていない)さん、私、双子座なんです。いつか、石井ゆかりさんという星占いをしている人が書かれた星座についての本を読んだとき、双子座の解説にこんなことが書いてあったんです。」

「星占い?」

「双子座の人は、こころを開けっぴろげにしてしまう人が多いそうです。目の前にいる人のことを受け入れようとするあまり、見たものや聞いたものをそのまま取り込もうとする。自分が見えなくなるくらい。私は確かにそうなのかも知れません。

私は、いいヤツだ、平等だとよく言われます。素直だとも言われます。だから騙されます。とても傷つきます。仕事ができなくなるくらい落ち込んだことも、たくさんありました。そのうち誰が本当のことを言っているのか、分からなくなってきました。

それなのに、だからこそまた信じてもいい人を見極めようとして、たくさん情報を集めようとして、気持ちを開けっ放しにしてしまうんです。これはきっと治せないんです。むしろこうしていないと、自分が保てないんだと思います。

例えばずうっと信頼を寄せていた人に裏切られたり、傷ついたり、貶されたり、それを繰り返して、それでも相手を見ようとして、本来の自分の気持ちはどこにいったか行方知れずになって。それでもたぶん私は、受け入れることをやめないんだと思います。いつかそういう辛いことが他人事のように思えるようになってしまうんだと思います。

もっと自分を大切にしろと、親友は言ってくれました。だけど今の私には、自分を大切にする方法がまだわかりません。だから、いいヤツ、平等なヤツと言われても、あまりピンとこないんです。嬉しいけれどそれで良いのかなと、それは本当は自分を大切にしてあげられない原因なんじゃないかなと、自分でもよく考えるんです。」

メガネをかけたツーブロックの上司らしき人は、少し笑っていたような気がする。最後に何か言ってくれたけど、うまく聞き取れなかった。



目が覚めてから、はぁ、そうなのかと思った。

開けっ放しにしているから、いろんな人が来てくれて、いろんな人が騙して、いろんな人が味方してくれるんだな。だからそれでも私は相手が幸せになることを望むんだなぁ。

いいこと、わるいことは問題じゃないんだ。

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