5年前、44歳のタイムは10歳年下の男性と擬似恋愛をしようと思いつく。vol.2
少し考えてみることにした。
たいちゃんは多分、私のことが嫌いではない。毎日、手を振ってくるぐらいだから、好意を持っていると考えても、間違いではないはず。
私は完全にたいちゃんに夢中だ。気分は高校生の恋する乙女。多分、傍目から見ても彼に対する態度は他のお客さんとは違うのがバレバレだ。
「わかった。たいちゃんに会うのはこの職場だけにしよう」
彼の働いている所、終わる時間、帰る時間は話して、わかっていた。要は帰る時間を待ち伏せして、会うこともできる。なんなら、店に食べに行ってもいい。旦那が帰ってくる前の時間にサックリ行って、すぐ帰ってきたらいいだけのこと。
しかし、私の片思いであるのなら、突っぱねられて終了なのだが、万が一、たいちゃんも好意以上のものを持っていたとしたら。
ダブル不倫突入。
以前のダブル不倫のことを思い出した。メンタルも体もボロボロになった苦い体験。こうなってしまっては、お互いによろしくない。新婚の見たこともない彼の奥さんのことを考えた。
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