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Every brilliant things 冬の朝の澄んだ空気はツンデレ

冬の朝はいつも特別だ。
しん、とした早朝の空気に包まれた世界。冷たい空気はすうっと体に通っていき、そのたどった後がわかるほど。


晴れた日はどの季節よりも思いっきり晴れて、見渡す限りの青。冬の少し色の薄い青空は、寒いからこそいろんな空気中のゴミが見えてしまわないかと思うのに、青しかない空が晴れやかな気持ちをくれる。背中を押されたことは一度ではない。

大荒れの日はドアを開けた瞬間にびゅうと風や雨、雪が入り込んで、気合を入れたはずの自分を一度温かいところに送り戻そうとする。もう一度踏み出すと、相変わらずそっけなく、厳しいままの冬のお天気は、何も示さないけれど、それが地球という大きなものが人間じゃままならぬ力を持つのだと思い知らせてくる。だからこそ、立ち上がる気合をくれる。吹雪の人は向かい風に向かって体を傾けて一歩一歩進む。負けないぞと気合を入れて出た1日は充実感は何倍もある。

雪の降らぬ冬は5度目。真っ白な銀世界、この銀世界という言葉のままの地平線までの景色が冬の訪れを告げるものだったわたしの四季感。いまは少し変わっていく。わたしの冬は、真っ白な雪だけじゃなかった。冷たい冬の匂いと空気もその中に含まれていて、変わりゆくわたしの冬のど真ん中にある。
清少納言は枕草子で言っている「ふゆはつとめて。」に共感する。四季のをかしを綴るなかで、冬だけなんだか、自然ではなく人中心だな、と中学校の国語の授業で考えていたけれど、人がいるからこそ自然の美しさや強さが対比的に強く感じられるのかもしれないといまは思う。
「冬はつとめて。雪の降りたるは、言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、また、さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。」


天気はいつだって人のことを考えてくれないけれど、冬の天気はなおのこと。
捉え方は自分次第だから、不器用でツンデレな冬の朝だなと考えていきたい。



先日、佐藤隆太さんの一人芝居「エブリ・ブリリアント・シング」を観てきました。観客全員を動員する巻き込み型のお芝居はとても良かった。しましまもよう!しましまもよう!
ロビーには「あなたのエブリブリリアントシングは?」と、ふせんとボードが。わたしのブリリアントなことは…と考えて冬の朝を思い浮かべました。

何も持たぬわたしですが、全力であなたのサポートを活かした「なにか」をします!いまはわたしが沢山の知識と文化とアイデアと記憶を吸収するために使います!