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簡易キャッシュフロー

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■徒然なるままに3
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CF(キャッシュ・フロー)は
現金(キャッシュ)の動き(フロー)を表す
という原理原則があります。

ところが
「簡易CF」というものがあり
「簡易CF=PL+減価償却費」
とされています。

しかし減価償却費は現金の動きを伴いませんので
「簡易CF」というものは
「CF(キャッシュ・フロー)は
 現金(キャッシュ)の動き(フロー)を表す。」
という原理原則に反しています。

私が調べた限りでは
日本でもアメリカでも
会計学用語集に
「簡易キャッシュフロー」という用語はなく
AIに質問してみたら
「簡易キャッシュフローという用語は
 一般的に使用されている表現であり
 会計用語として
 正式に定義されているわけではありません。」
という答えでした。

簡易CFは返済可能額を表しますので
正式な会計学用語でなくても
金融機関の人がこれを気にするのは当然です。

しかし税理士や公認会計士のような士業の方が
「CF(キャッシュ・フロー)は
 現金(キャッシュ)の動き(フロー)を表す。」
という原理原則を逸脱して
会計学用語集に載っていない
「簡易キャッシュフロー」という言葉を使うのは
どうかなと思います。

さらに小規模企業共済を運営する
中小機構のページにおいて
「簡易キャッシュフローは
「経常利益+減価償却費-法人税等
+運転資金増減額-設備投資見込額
+資産売却収入+その他収入・支出」
 として計算します。」
と書かれています。
https://www.smrj.go.jp/doc/tool/jissen-kaitou4.pdf

つまり「簡易キャッシュフロー」という言葉は
式の内容もバラバラなので
これでは話にならないと思うのです。

「簡易キャッシュフロー」に近い用語で有名なのは
EBITDAだと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/EBITDA

EBITDAは定義もしっかりしていますので
士業の方はこのような用語を使うべきだと思います。

ちなみにEBITDAは
税引前利益+特別損益+支払利息+減価償却費
ですので
特別損益がゼロで支払い利息もゼロなら
EBITDA=税引前利益(PL)+減価償却費
となり
簡易キャッシュフロー=PL+減価償却費
と同じになります。

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