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わたしと夫は趣味が合わない

GW初日の昼。
ごはんを終えた夫が今日「GUに行きたい」と言った。

驚いた。
わたしもGUに行きたいと思っていたからだ。

わたしと夫の行きたい場所がかぶることはまずない。あるとしてもトイレくらいだ。交際当初から今まで、一度もなかったかもしれない。

理由を聞いてまた驚いた。
「息子に買いたい服がある」と。

理由もまったく同じだった。
今朝GUから届いたLINE@で、シナぷしゅ(子ども向け番組のキャラクター)とGUのコラボ服が発売されたことを知った。しかも親用もあるらしく、これは念願の親子コーデが実現するじゃないかと思ったのだった。

夫は続ける。

「シナぷしゅのコラボ服が出ているらしくて」
「親用のもあるらしくて」
「買いたいなと思って」

夫との会話で、自分の脳内と彼の言葉がリンクしたのはこの瞬間が初めてである。心が躍った。前のめり気味でかぶせにいった。

「斜めがけの!バックが!デザイン!されてるやつだよね!?」
「紫色の!」
「ポケットが!青色の!」

夫も驚いたようで、「そうそう!!」とうなずく。

共通の趣味がある夫婦は、きっとこんな風にうきうきした会話を日常的にしているのだろう。だけど共通の趣味どころか、食べ物の好みも人との付き合い方もまったく違うわたしと夫がこうやって「したい」がかぶるのは、まったくもって珍しい。正直一生ないと思ってた。いつの間にかわたしたちには、息子を愛しむという共通の趣味ができていたんだなぁ。


もちろんわたしたちはその日、GUに行った。そして無事、シナぷしゅ服をGETした。とてもかわいかった。わたしももちろん同じデザインの服を買った。夫は買わなかった。

「親用のもあるって言ってたから、自分のも買うのかと思ったよ」というと「いや俺はいいよ」と言う。
ここは買うだろ、と思ったけど言わなかった。
やはり夫とは基本的に意見が合わないらしい。だけどそれでいいか、と思った。
共通の趣味があったり、意見があいまくる夫婦はきっとわたしたちより楽しいと思うけれど、価値観の違う人間ふたりがそれぞれに、ひとりの人間をとても愛してるというのも色々と未知でおもしろい。わたしたちは、そういう未知を楽しめばいいのだ。



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