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汚れとホコリにありがとう


3年生のむすこは
サッカーがだいすきだ。

ぬかるんだ地面を駆け巡ったあとの
スパイクは

泥をまとって
いっしょになって
我が家にやってくる。



先日、いってらっしゃい、と


家族を送り出して
ホッとしたのも束の間


視線を下へ向けると

家の前の階段、
玄関のたたき、


歩いてきた道をたどれるような

おもしろいように土のカタマリが
そこらじゅうにこぼれ落ちていた

(おぉ…ッこれは盛大だ。)


(サッカー、がんばったんやねぇ)



犯人はむすこが前日に
履いていたスパイクだ。


裏を見るとびっしりと
土が詰まっていた。

そんなスパイクをみつめながら

元気に走り回れる丈夫なカラダを
息子に授けてくれた神さまに感謝した。


気になったときに
気軽に、手軽に、サッと

そうじができるように

ちいさなホウキとチリトリは

いつも目につくところに
出しっぱなしだ。

インテリアにも馴染むように
吟味したお気に入りだ。

夫がもらってきた
鹿のツノに引っ掛けている。🦌笑


我が家のこぢんまりとした
玄関には、ちいさくても十分。


土ぼこりを取り除き、
仕上げに万能な除菌シートで


玄関のタタキを
ゴシゴシと拭きあげた。

シートを交換して
ついでに玄関の扉、
下駄箱、
ドアノブへとつづく。


除菌もされて
ぴかぴか。

ここまで所要時間
5分もかからない小掃除だ。




わたしは小掃除するこの瞬間は

いつも話しかけている。

誰に?…

拭きあげている、
そうじをしている


"モノ"や家に対して。

声にだしちゃうと

「ぇ、あの人、やばくない?」

となるので、

ちょっと謙虚に

こころの中で声をかける。笑


玄関を拭きながら

"いつもみんなを迎えてくれてありがとう"

"泥だらけの顔がきれいになったね"

"イケメンになったな".


お鍋を磨くときは

"いつもわたしを助けてくれてありがとう"

"きれいなぴかぴかお肌にしちゃうよー"

包丁が切りづらくなって
研ぐときは

"お疲れですな、毎日使ってるもんね、
いつもありがとう"

"君のおかげでサクサク切れるよ、
いつもありがとう"

なんて具合だ。


ぇ、あほやん?

て思うかもしれないけど

わたしは物も家族の一員であり、
人と同じようにみえてくる。


すると、愛着が湧き

暮らしを豊かにしてくれているモノ、
日常を助けてくれる道具に、

感謝したくなるのだ。


仮に、物がいっぱいに
詰まった場所をみると

"ママ、もう無理でっせ!くるしい!"

なんて、入れ物の声が
聞こえてくるような気分。



こんな調子なわたしなので

こどもたちが幼いときから


えんぴつ1本、
乱暴に扱うものなら、

「えんぴつ、痛そう…

えんぴつの芯、見えないところ、
折れてるかも。


もし人間だったら骨が
折れるのといっしょだよ。

〇〇ちゃんがこのえんぴつだったら、
投げられたらどんな気持ち?」

と、自分がその物に
なったつもりで気持ちを考えてもらう。


すると、こどもなりに
じっくりと考え

後に、ごめんね、と
えんぴつにお詫びをしている。




土まみれだった玄関を
小掃除をした日の夜、

むすこが玄関でゴソゴソと
なにかやっていた。

土をたくさん連れて帰ってきた
スパイクを、

使い古した歯ブラシと
ウエットティッシュをつかって


一生懸命に
きれいにしていたのだ。

しばらくすると

「ママ!みて!きれいになったよ!」


と一足ずつ、両手に持ち

ピカピカになった
スパイクの裏を

どう?と

満足気に見せてくれた。

「すごいね!スパイク、
めっちゃよろこんでるよー!

きれいにしてくれて
ありがとうって、よろこんでる!」


えへへ、と

はにかんだ笑みをみせた。




物を大切にする心が
育っているようだ。


あるときは

「ズボンに穴が空いてる…
さいあく…」

なんてこどもが
つぶやいたときには

「あなたの可愛い膝を、ズボンが
体を張って、守ってくれたんだよー

すごいよねー、ありがたいねー」


なんていう。


縫えないほどに
ボロボロになったら

最後は守ってくれてありがとう、と
伝えてさよならをするようにしている。




ほこりや汚れがあるのは
そこにモノが存在していて
生きている証にもみえる。

いっしょに毎日をすごしている。


「いつもありがとう、
きょうもよろしくね、」

「ママもおつかれさま〜」


なんて都合のいいお返事を
もらった気になって

おしゃべりな道具たちと
きょうも1日がはじまります。



ソロ活2日目

起きれました◎
書けました◎

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