万が一を引き当てた話

初めて聞いた。

周産期心筋症

国立循環器研究センター ホームぺージ引用

防ぎようのない病気です。
誰でもなる病気です。
ただ2万人に1人の確率です。

とんでもないババ引いた。



2人目を出産して退院した日。

足の浮腫がすごくて、病室で履いてたスリッパで帰った。


あれ?出産前ぐらい息切れてる。
じっとしてても息切れる。
浮腫もどんどん酷くなる。

でも1人目の時も浮腫んでたしなー。

久々の家が嬉しくて気づかないふりした。

夜寝ようとして寝転がったら、、

息できひん

息が吸えない。
胸をかなり高くしても息苦しくて寝れない。
せっかく退院したのになんで??

ネットで症状を入れたらでてきた
周産期心筋症

いやいや。そんなわけない。
さすがに心臓はないやろ。
すごい確率やん。
わたしがなるわけない。
朝になったら元に戻ってるわ!
と信じて無理矢理寝た。
寝たというか多分気絶した。

朝目が覚めて、あれ?起き上がれない。
苦しい。
真夏の犬みたいにハッハッと息を吐くことしかできない。
歩けない。喋れない。

夫に病院に電話してもらって救急受診することに。

病院着いたら症状軽くなるのなんなん?
と思いながらすぐ帰るつもりで診察してもらう。
「今元気そうですね。」なんて言われながら。

原因突き止めるために採血、レントゲン、採尿、胸部エコー、心電図、CTをすることに。

えーーーー。めんどくさー。大袈裟ー。
と思いながら検査を淡々とやっていく。

最後エコーしてる時に先生が入ってきて
技師さんと険しい顔に。

「エコー以外の結果見ました。数値がかなり悪いです。今エコー見させてもらって、ハッキリ言います。心不全を起こしてます。」

ああ。死ぬやつや。
大御所芸能人たちの死因で聞くやつや。
わたし死ぬん?

車椅子で診察室に戻って夫と再会。
この顔見るのもこれで最後なんかな。
子どもたちもはもう会えへんのかな。
もう一回顔だけでも見たかった、、

なんて考えてたら周りがバタバタし出して
鼻に酸素チューブ入れられて。
展開早ぁ。と思ってたら

救急の先生、産婦人科の主治医、循環器の先生登場。
3人で腕組みして険しい険しい顔。

産婦人科の先生が代表して冒頭のセリフと説明をしてくれた。

昨日退院したところやけどまた入院。
自力で息できひんもんなぁ。
パルスオキシメーターは89%
酸素チューブして91%
めちゃくちゃしんどい。

ここで夫とは別れて
私はベッドへ運ばれ
夫は昨日片付けてくれたばっかりの荷物を取りに帰った。

まずは利尿剤で治療が始まった。
他の薬を使うとそのまま断乳になるから、、と。
ありがたかった。

ラッキーなことに利尿剤がすごく効いた。

先生、看護師さんたちはすごく優しくてすごく寄り添ってくれた。

わたしはずっと泣いていた。
情けなくて泣いていた。
1才と新生児を残してなにしてんねん。
今一番近くに居たいのにわたしは自分のことも何もできひん。
情けなくて悔しくて一晩中泣いてた。

入れ替わり立ち替わり先生、看護師さんが様子見に来てくれて
それでも構わず泣いた。

心配やんな。家帰りたいよな。わかるよ。でもママが元気になる事が1番の近道やから。

コピペ?ってぐらいみんな同じセリフで慰めてくれた。

夜中に夜勤中の助産師さんが来てくれて
顔見て爆泣き。
搾乳しに来てくれて、話も聞いてくれた。
ちょっと落ち着いた。

朝になって主治医の先生が、「利尿剤効いてますね!」って嬉しそうに言った。

一晩に3Lの水分が出たらしい。
一瞬笑顔になる私を遮るように

「でもまだ予断を許さない状態です」と言った。

気が遠のいた。

あんまり元気がないから元いた産婦人科病棟に移れないか調整してもらえることに。

そこには我が子がいる。
実は体重が増えなくて退院できていなかった。
会えなくても抱っこできなくても同じ空間に居れる。
こんな嬉しいことはない。
わたしがピーピー泣いてる間にかなり無理して調整してもらい、無事移れることに。

やったー!

つづく

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