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「短歌人」2019年4月号掲載作品

ゆきぐものうへにて光りゐる月へ手紙を綴る夜の紅茶よ

春立つと思(も)へば深雪(みゆき)のなかバスに乗りて和菓子をもとめにゆきぬ

樹々に雪 花のやうなりさはされど千葉には梅が咲いてゐるとふ

いもうととして生きて来し年月は生まれてからのすべてのじかん

しかけ絵本の中で迷子になつてゐる幼き頃の記憶のかけら

自画像はすなはち盛つた自撮りだと思ひつつ塗るあかるい色で

(会員1欄 冨樫由美子)

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