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ホテルにロジックなんていらないとサウナの中で気づいてしまった話

先日、友人から「山梨界隈でおすすめの宿はないか?」と相談を受けました。

聞けば、
・ひとりで泊まる
・2〜3泊したい
・プライベート感がある静かなところがいい
・予算はあまり問わない
というオーダー。

最近仕事で忙しくしているようでしたし、都市部はロクに外食にも行けず、なんだか殺伐している感じもあるので、自然豊かな田舎でゆっくりしたいんだろう、と推察しました。

そういう相談をされるとむやみに張り切るのが元某リゾート社員。
早速、いくつかの一棟貸し宿をリストアップし、おりゃっ!とばかりに送信。

(話は逸れますが、これほんとに某リゾート社員あるあるで、誰に聞いてもどの地域のことを聞いても、みんな秒速でおすすめの宿とかご飯屋さんとか教えてくれます。しかもちゃんとURLと一言コメント付きで、ガイドブックやネット検索では見つけられないようなところばかり。これでどれだけQOT(※Quolity Of Travel 勝手につくった造語)があがったことか。)

すると、友人からそのひとつについて「ここヤバイ!」と返信が。

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そこは、私も以前から噂には聞いていて興味があったのですが、正直なところ最も情報がなく、場所も不便で、おすすめすべきか迷ったところでした。
公式サイトはあるにはあるのですが、価格も空室状況も「メールで問い合わせ」のみ。メディア取材もお断りしているとのこと。

ただ、友人は公式サイトに掲載されている動画にノックアウトされたようで、俄然ここがいい、と。
これまで聞いた噂では、手が出ないほど高くはなさそうでしたし、予算はあまり気にしないのであれば大丈夫だと思うよ、と伝えて、面倒でなければメールしてみれば?と軽く答えてみたのですが…

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そこからはもう凄かった。
友人が送った問い合わせメールに対して、丁寧すぎるほどの返信と気遣い。自分たちがどういう想いで宿を運営しているかまで、ビシビシと伝わってくる文面。友人と「こ、これは、、、」とMessangerごしにもお互い息を呑んだのがわかりました。

これは行かねばなるまい!とすぐに予約を決め、私もちゃっかり1泊だけ便乗させてもらうことにして(ちゃっかりすぎる)、行ってきました。

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泊まってみての感想は言わずもがなで、詳しくはまた書きますが、景色、静けさ、ご飯の美味しさ、主人の徹底したホスピタリティ、テントサウナのオマケまでついて、最高すぎる時間を過ごしました。

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でもね。ふと思ってしまったんです。
結局のところ、ホテルの集客戦略とかロジックとかセオリーとか、なんも関係なかったな、って。

友人は直感的に動画見て「ここがいい!」ってなって、面倒だけどメールして、私もそれみて「絶対行きたい!」ってなって、予算的には安くないけど(提供価値に比べたら全然安いんだけど私の懐事情からしたらポンと出せる価格帯ではない)、それでもそんなハードルはいともあっさり超えてしまった。

ファイブウェイポジショニングとかマーケティングとか、そんなロジックよりも、直感的に行きたいと思わせるものは、「行きたい!それだけ!はい、話終わり!」ってなもんなんだな、というわけです。

もちろん、あえてOTAに展開せずメールのみの対応とするのも、ターゲティングだったり、顧客とのマッチングを生み出す戦術のひとつだし、動画や文章のクオリティに徹底的にこだわってるのも、ブランディング戦略ではある。

ただ、やっぱり「旅に出る」「宿に泊まる」って、利用者側からしたら理屈なんてなくて、直感的に「なんかいい!」「イケてる!」「グッと来た!」それだけなんですよね。高齢の両親を連れてくとか、子連れだからなんて場合で、多少は自分の好みより機能性とか気にすることもあるけど、それでもテンションのあがらないところには行かないし。

顧客側が徹底的に好みや直感で宿を決めてるのに、宿のほうが、ロジックやマーケティング理論みたいなことばっか考えてたって、なんだかアホらしいわけで、もっと「とにかく俺はこれがやりたいんだ!」みたいな理屈抜きの情熱とか執着で、宿ってやってもいいんじゃないか?

おいおい、それって一応コンサルを名乗ってる私としては商売あがったりじゃないか、と気温100°Cのテントサウナに入りながら思ってしまったのでした。

ちなみに、今回のお宿は、山梨県の『ホトリニテ
友人が一目惚れしてしまった動画もこちらから見れます。

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