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今年は、歌う

2023年の、とある忘年会でカラオケを熱唱した。
歌ったのがSuperflyの『Beautiful』だったから
どうしたって”熱唱”になった。

それをきっかけにして
私は「今年は歌う」と心に決めたのだ。


その日”初めまして”だった人たちから
「すごく胸を打たれた」「感動した」という感想を、
かわるがわるいただいたものだから
お世辞でもなんでもそれがすごく嬉しくて、
帰ってすぐさま娘に報告をした。

そして、娘と話しているうちに
歌っている気分がすごく楽しかったし、
聴いてもらえたことも嬉しかったし、

そもそも私は子供の頃から歌うことが結構好きだったんだ、と思い出してきて
もっと普段も歌おうじゃないか!と気分が盛り上がり、


「2024年は、とにかく歌う」
というざっくりした目標まで掲げた。

それは、ギターを大好きな人がついつい
いつでもつま弾いているように、

私も生活の中でついつい歌を口ずさんでいる。
そういう感じに、心に書き留めた。


そう思っていたある日のこと、
人前で歌うというチャンスが訪れた。
つい数日前のことだ。

人前とは言っても、仕事場であるデイサービス。
同僚のアコーディオンの伴奏で、
利用者さんたちを前に私が歌うことになった。

曲は『エーデルワイス』と『ケ・セラセラ』。
英語で練習していた2曲。


同僚のアコーディオン演奏はすごく素敵で、
利用者の皆さんの歌のための伴奏だけじゃなくて
時々名曲の演奏も披露してくれる。

その中で最近『エーデルワイス』と『ケ・セラセラ』の演奏があったのを思い出し、
今度私の歌とコラボしてほしい!とお願いしたのだ。


「コラボやろうやろう!」と二つ返事で、
その日の午後にさっそく実現した。


アコーディオンの音色が短い前奏を奏でてから、
私は利用者さんたちの顔を見ながら歌い始めた。


歌うって気持ちいい。

微笑んだり頷いたりしている皆さんは
娘ほどの年の頃の私を
まるで発表会を見守る親戚の人のような
あったかいまなざしでじっと見つめてくれていた。




もちろん緊張していて心臓はバクバク打っていたけれど、

歌うことの心地よさ。
歌を介して皆さんと心が繋がっている空間。
アコーディオンを弾く同僚と息がぴったり合っている感覚。

何ともいい気分で、緊張はいつしかどこやらへと吹っ飛んだ。


江利チエミさんが歌っていたねとか
雪村いずみさんも歌ったよねとか
昔話のきっかけにもなって
話は膨らんで、広がっていく。

最後に
歌は本当にいいものだよね、と何となく誰もが呟いたり唸ったりして
演奏会を締めくくった。


歌っていいものだ。
聴くのも歌うのも。

今年は、歌う。

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