【企画の立て方】仕事を継続させるには  第10期京都ライター塾(動画視聴コース)Vol.3レポート

ライター、と名乗るのは至極簡単なこと。

しかし、江角さんはこうおっしゃる。

書くことを仕事として継続していくためには
「企画を立て、それを通すこと」が強力な武器となる。

企画を待つのではなく取りに行くライターになってほしい。

なぜなら、自分の書きたいことが書けてお金を得られるから。
それは幸せなことだから。

「書いて幸せになる」がテーマの京都ライター塾。
第3回目は
「企画の立て方」について
手順や作成方法、例などを解説していただいた。


企画とは

そもそも、企画とは何か。
私には仕事における「企画」とはどのようなものか
分からなかったので、調べてみた。
デジタル大辞林には次のようにあった。

ある事を行うために計画をたてること。また、その計画。くわだて。

デジタル大辞林

つまり、ライターにとっての企画とは、
自分の記事を掲載してもらうために
計画を立てること、
またはその計画そのものを指していることになる。

江角さんによると、
有名な売れっ子ライターであっても
自分のアイデアを文章にまとめ、
タイトルや構成、写真の数まで提案した書類を作成し、
編集部に送っているそうだ。

そのまま使えるほどに仕上げたサンプル原稿も併せて添付する方も。

このように、成果に直結する可能性の高い企画の持ち込みは
どのようにして行うのだろうか。

企画を持ち込む手順

まず、企画を構想する。
それから、Wordなどを用いて
A4用紙1枚程度に収めた企画書を作成する。

講座内では送付先について触れられていなかったので
江角さんに後日確認したところ、
希望する媒体の編集部の「問い合わせフォーム」に
送付するという。


Web上でのやり取りが主流となった昨今では
一個人が媒体を相手に、
このような行動を起こせるのかと驚いた。

ちなみにかつての仕事の取り方は
ライターが実績ファイルを作成し、
編集部に電話で約束を取り付け、
持参したファイルとともに自己アピールをする
というスタイルだったようだ。

それに比べると、
ライターが面白い企画を立てて、
記事も用意して送ってきてくれるとは
編集部側からすればまさに「カモネギ」状態。
大変喜ばれるだろう。

どんな媒体であろうと、次作の話題となる記事を求めている。
したがって良い企画であれば当然、採用されやすい。

では、企画はどのようにして立てるのか。

企画を立てるには

媒体を見つける

まずは書きたい媒体を見つける。

自分の興味とあっているところ。
書きたいテーマを扱っているところ。
自分が合いそうなところ。

江角さんが「文章のテンション」と表現する、
文章の感覚が自分となじむかどうかもポイント。
面白ネタが満載だったり、
ユーモアあふれる軽快な読み心地だったり、
まじめで落ち着いた文体など
媒体によってさまざまなカラーがある。

また、読むのと書くのは違うので、
いろいろな文体で書くのを試してみるように勧められた。

また、他のライターの「お仕事実績」を参考にするのも手。
そこに掲げられた媒体は、
ライターに仕事を依頼した実績があるということなので
自分にもチャンスがあるかも?と判断できる。

媒体を知る

媒体を絞ったら、分析する。

その媒体のコンセプトは何か、
読者は何に興味を持っているのか。

  • 読者のニーズ、つまり興味を持つ情報

  • 編集部のウォンツ、つまり新しい記事

  • ライターの「自分だから書けること」

この3つが重なったところに
通る企画、良い企画が生まれる。

では、そうした企画のタネを見つけるためには
どうしたらいいのだろうか。

企画を練る

企画を生み出すための行動として
江角さんは以下を提案された。

  1. ターゲットは誰かを見きわめ、方向性を定める

  2. 自分が今、興味があることや悩んでいることを挙げる

  3. 自分が会いたい人、やってみたいことを考える

とくに2、3について
自分が好むことや、したいことを企画して
それがかなって記事も書けたらとても「幸せ」なこと。

さらに悩みだって、企画を通して解決できる。

例えば、うまく書けないと悩んでいるならば
どうすればうまく書けるようになるのか、と反転させる。

その方法をまとめて記事にすると、自分の悩みも、
同じ悩みを抱える誰かの悩みも解決できるかもしれない。

企画を深める

企画がある程度まとまってきたら以下を確認する。

  • 独自性はあるか

  • 具体性はあるか

  • 実現可能か

  • 話題性はあるか

テーマが既出であったり、
あまりにも漠然とした内容であれば望ましくない。
また、予算の都合はつくか、
その記事が媒体に公開される時期にふさわしい内容かについても考慮する。

その後、企画を深める。

  • 一つのテーマに絞ってあるか

  • そのテーマへの切り口の設定

  • 何を伝えたいのか

「漬物」の企画を例に挙げると
テーマ…作り方? 全国の漬物紹介? 世界の漬物紹介?
切り口…体への効果? 日本人の食生活への影響?
伝えたいこと…健康面のメリット? 種類の多さ?

と、たった一つからでも様々な企画が思いつく。

ゴールを明確にしたクリアな企画は、
原稿も書きやすくなるのでしっかり構想すること。

作成例

Wordなどを使ってA4用紙1枚程度にまとめる。

必要事項は

  • 仮タイトル

  • テーマ、コンセプト

  • 原稿の構成

  • 写真のイメージ、枚数 など

編集部が記事の完成図を想像しやすいように
具体的に示す。

最後に

企画のゴールは
「採用されること」。

そのためには読者へのメリットが感じられ
どんなページになるか、誰もが思い描けるような
現実性と具体性を持った企画に仕上げること。


以上が講義内容である。

江角さんはもちろん、
講義中に名前を挙げてくださった有名ライターの方々も
企画を持ち込んでいらっしゃるとのこと。
どんな人でも実績にあぐらをかかず
常に自分から行動していらっしゃるのだと改めて思った。


また、京都ライター塾の回数を重ねていくうちに
「読み手」から「書き手」へと、
視点を転換させる必要性を感じた。

サービスや情報を単に受け取るだけだった過去の自分。

しかし、自分から発信する側になって初めて
情報を提供することについて考えるようになった。

自分がライターとして世の中に貢献するには
何ができるのか、という観点から
周りを見る機会が増えてきている。

意識が変わるという、ささやかな成長。

とはいえ、教わったことが明日からできるようになるわけではなく
あぁ、できないなぁと落ち込む。

それでも、きっと来週、来月、1年後。
いつの間にか違ってくるだろう。
たとえカメのようであっても、歩みを止めない。

全6回の京都ライター塾も、いよいよ後半に入っていく。
次回はインタビューについて。楽しみだ。

前回までのレポートはこちら

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江角悠子さんについてはこちら

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