「あなたが逃したくない瞬間は?」愛用香水を字数別に描写してみる

受講している、江角悠子さんの京都ライター塾の課題に
「私の好きな○○」を主題に記事を書いてみるという課題があった。


私が好きなもの。


それは、好きとか嫌いとかいう次元を超え、本能で選び取った
ある一つの香水。

かなり濃厚なので、日本の気候と湿度と文化では、
寒い時期の、ほんの特別なひと時にしかまとえないのだが

ひとたびこの香りに触れると、一瞬にして心を奪われる。
幾つもの勝負を共にしてきた、第二の私。

香水という、目に見えないラグジュアリーアイテムを
ことばで表現しようという、なかなかのハードルの高さ。

しかし、好きなものと聞かれたら、これ。
書きたいのだから、仕方ない。

講座の中での指定は450~500字だったが、
字数を気にしながら書いていたら、先に短い文章で一つ完成した。


2028年に創立200周年を迎える世界的香水ブランド、
ゲランの「ランスタン・ド・ゲラン」。

その発売から20年が過ぎた現在も、
伝説の香りとしてファンを魅了し続けている。

かんきつ類と花々、そしてバニラと、かけ離れた印象の要素をぶつけ合うのは、
欧州王族の御用香水商が19世紀から受け継いできた秘伝の手法。

まぶしいまでの幸福、光と愛を想起させるその濃厚な一滴を、
人の目に触れない素肌に忍ばせれば、あなたの幸せの輪郭はより鮮明に。

L'instant de Guelainーゲランの瞬間ーあなたはどの瞬間を手に入れる?
                            (253文字)



そして、課題の制限文字数に合うのはこちら。




「ランスタン・ド・ゲラン」は、
発売から20年以上たってもなお、世の女性を魅了し続けている香水だ。
1853年に仏ウジェニー皇后にコロンを献上してから約2世紀。
欧州王族の御用香水商として繁栄し、
香りとともに人々の愛の物語に寄り添ってきたゲラン。
旅、文学、そしてロマンスにインスパイアされ、
1000を超える香りを世に生み出してきた。

しかし20世紀後半からその勢いに陰りが見え、
4代続いた一族の調香師の座は一時、空位となる。

そのような衰退の一途をたどっていた2003年、
「ランスタン・ド・ゲラン(ゲランの瞬間)」は誕生した。
神の鼻を持つ男と称された4代目、ジャン=ポール・ゲランがサポート役に回り、創業以来、初めて外部から調香師を迎えた年でもある。

軽やかなかんきつ類や果実、はかない花々が、濃厚な蜂蜜の香りにぶつかり、涙を誘うほど甘く切ないバニラが後を追う。

太陽のような温かみとまぶしい光を放つ、
現代に生きる女性の幸福を表現した伝説的名香。

過去に引きずられ、未来におびえる朝。
新たな出会いを前に胸が高鳴る夕刻。
明日への希望をつなげたい就寝時。

あなたが引き寄せたいその瞬間を、この香りで現実に。
                         (492文字)



美しくなくていい、上手くなくていい。
言いたいことが伝わっているのが、よい原稿。

そう教わったのだが、
頭では分かっているのはずなのだが、
どうもカキド節が抜けない。

けっこう時間かけたのになぁ。

とりあえず、今ある力を総動員して取り組んだ。

今日はここまで!!


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