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ひつじの履歴書

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履歴書シリーズをこちらにまとめました!ひつじ製菓の店主「にしやまゆみこ」の自伝。製菓専門学校~パティシエ人生のその時々を小説風に綴っています。
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記事一覧

履歴書⑩ひつじ日本のパティスリーで働く~前編~

すっかりnote更新していませんでした!今年は自分でも予想以上に色々なお仕事をさせて頂いて、改めてこういうスタイルのパティスリーは自分に合っているのだな、と感じています。 開業前は雇われの身だったので、日々シェフや会社の求める物のお手伝いに時間を使っていたわけです。そんな働き方が私には多分、とても、むいていなかったと思います。拙い人生ですが、その中で最も辛い時期だったと思います。 というわけで、今からそんな日々をたどりたいと思います。10~15年前は今、社会問題になってい

履歴書⑨ひつじ日本のパティスリーで職探し

背中を押され泣く泣くパリの街から帰国した。先輩パティシエからは「日本で働くなら絶対東京だ!しかも有名店!」といわれていた。 実は気が重かった。 なぜなら東京には中学生以来行った事がなかったし、大都会すぎてパリよりも怖い街だと思っていた。しかし、色々なパティシエからもお薦めされていたし、サダハルアオキにいた事もあり、ある程度のレベルのお店でないと意味がないと思っていたので東京で探す事以外、選択肢はなかった。 帰国後すぐに緊張しながら東京に行き、職探しをはじめた。大都会とはい

履歴書⑧ひつじ、パリのパティスリーで働く

いよいよ履歴書シリーズも今回から修行編に入ります!それに伴い有料記事にさせていただく事にしました。 どのような感じで書けばいいのか、悩んで悩んで、ずっと書けずにいました。 沢山の方に読んで頂くには無料公開がいいと思うのですが、修行編は私にとって決して全て楽しい事ばかりでは無かったですし、一緒に働いてきた方達のプライバシーにも関わりそうなので、沢山の方に見てもらいたいというよりも私自身が体験してきた事に興味をもってくださり、お金を払ってまで読みたい!と感じてくださった方が読

有料
200

履歴書⑦ひつじ、パリで部屋を探す

いや~あっという間に8月ですね。猛暑ですね。今朝は心に余裕が出たので久しぶりの履歴書更新です!! 1ヶ月間の語学学校とホームステイ生活を卒業し、いよいよパリで部屋探しをする事になりました。この頃は何も決まっていないし、なんのあてもない状況で漠然とした不安がありました。 初めての家探しホームステイ先の娘さん達は「明日からパパとバカンスに行くの!ユミコこれからも頑張ってね」と言い残し一枚のハガキをプレゼントしてくれて、大きなスーツケースを持って家を出て行った。バカンス先はどこ

履歴書⑥ひつじ、語学学校へ通う

noteの更新が滞りがちのにしやまです。先日のイベントで、note楽しみに見ています!との声をお客さまから頂き、とっても嬉しく思いました。(お菓子を美味しいと言ってもらうより嬉しかったかもしれません!)そんな方も居てくださる事に感謝しつつ励みにして、更新頑張ります! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今回はフランス語の語学学校へは一か月通った私ですが、その間のお話です。そして、最初に言っておきますが1ヶ月通ったくらいじゃ凡人はフランス語

履歴書⑤ひつじ、花の都パリに上陸

辛かったバイト先から逃げたい一心で、勢い余ってフランスのワーホリビザをとってしまった私。働く当てもないままにフランスへ旅立つ日がついに来てしまいました。 憧れの町パリへ日本から旅立つ日、鳥取の両親が出発の関空まで見送ってくれた。出発の時、母と私は不安と寂しさで京都で一人暮らしをする時よりも泣きながら別れた。 パリへは専門学校の研修旅行で行ったことがあったのだが、一人で海外へ行くのは初めてだった。搭乗手続きを無事に済ませると、いよいよこれから一人で言葉もしゃべれない国で暮ら

履歴書④ ひつじに訪れた転機・・・

スナックのバイトはずっと続けながらも、昼間のバイトは相変わらず転々としていた私ですが、やっと念願のおしゃれなカフェで働ける事になりました。そのお店に入った事が色々な意味で今後の運命を大きく左右する事になりました。良くも悪くも。。。。いや、良かったと思います。 念願のお洒落なカフェで働く事になった私はずっと、お洒落なカフェで働いてみたかった。勉強とか向上心とかそういう前向きな意味ではなく、ただ表面的な素敵さに憧れていた。そのお店は求人雑誌で見つけた。鴨川沿いにあるとても素敵な

履歴書③ひつじ、スナックでバイトをする

といっても鳥取の田舎から出てきて、専門学校に行っただけで水商売なんてもちろんした事もなく、スナックとキャバクラの違いもあまりよく分かっていなかった為、かなり不安で時給が安い所なら変な事はさせられないだろうと思い、時給1000円のお店を選んだ。今思っても一応水商売で1000円は安すぎだろう!と思うが。。。 面接の当日お店の場所がはっきり分からなかった為、お店の方と近くで待ち合わせをしていた。どきどきしながら待ち合わせ場所で待っていると40代くらいで細見の眼鏡をかけ家庭用のエプ

履歴書②ひつじ、フリーターになる

今から20年前、私が20歳のころは「フリーター」という立ち位置は世間では、まだまだ肩身の狭い物だったように思います。少なくとも私はそう感じていました。「フリーターです」とは恥ずかしくて堂々と言えなかったような記憶もあります。2018年の現在、私の中でフリーターは最強なイメージで本当に頼もしい時代になったな~と感じています。 前回の「ひつじ専門学校へ行く」でも書いた通り、友人たちがみな就職という選択をする中、私はフリーターという道を選びました。そして20年前、フリーターになる

ひつじの履歴書①~専門学校編~

こんにちは。にしやまです。ありがたい事にコメントにいくつかリクエストを頂きましたので、2015年にひつじ製菓を開業するまで、私が何をしてきたのか「ひつじの履歴書」と題して書いてみようと思います。はじめに言っておきますが、これを読んでしまったらきっと皆さんがひつじ製菓に対して思っている色々なファンタジーな部分が打ち砕かれる事と思います。ひつじ製菓のイメージを崩したくない方には読む事をおすすめしません!そして、書かれている事はお菓子と関係ない事がほとんどです。しかし、これからお菓