コロナウィルスによる小中学校一斉休業で考える「子どもの命を誰が守るのか?」

昨日2月27日に、政府より全国の小中学校の3月2日から春休みまでの一斉休業の要請が出た。子育て中の働くパパ・ママ、特にひとり親家庭の親御さんにとっては、「自分が働いている間、誰が子どもの安全を、命を守ってくれるのか?」と、急な事態に戸惑いや怒りの声も多い。もっともな話だ。

「子どもは罹患しづらいのだから一斉休校は的外れ。早く撤回したほうがいい。」と言う声も多い。

私は専門家ではないので、小中学校の一斉休校が妥当かどうかの判断はできない。しかし、この一斉休校の措置は、

「これ以上のコロナウィルスの蔓延は日本経済に致命的なダメージをもたらす。とにかくこの1〜2週間で封じ込められなければ、東京オリンピックもできなくなるし、インバウンドも生産活動も止まる。それは何としても避けたい。」

という政府の判断だろう。今でも良くない経済にこれ以上致命的なダメージが受けるのは、本当に辛い。キッズドアを任意で始めたのは2007年、法人化が2009年、リーマンショックの時だ。あの時は本当に社会が暗かった。たくさんの人がリストラされ、貧富の差は大きく広がった。多くの子どもたちが夢や希望を諦め、望む進路につけず、高校の進学すら叶わない子がいた。

経済が悪くなるということは、一番下層にいる人々を真っ先に、完膚なきまでに叩きのめす。コロナウィルスの蔓延で、キッズドアの商売が繁盛するなんてことだけにはなって欲しくない。そのために、この2週間我慢が必要なら、全力で我慢をしたほうがいい、と私は思う。だから、政府が「今は学校を閉じたほうがいい」と判断したのなら、それを支持したいと思う。

次に、「誰が子どもの命を守るのか?」だ。学校休校に反対している方は「小学生の子どもだけを家に置いておくのは危険だ。」と。最もである。しかしだからといって、「子どもの命を守る義務」を学校に押し付けていいのだろうか?

今の学校は、本当に大変だ。学力向上、食育、体力、地域活性化までなんでもかんでも学校に押し付けられている。そして、何かあれば真っ先に批判される。私はいつも学校を批判しているが、今回の休校措置に対して「学校が最後の受け皿になるべき」というのは間違っていると思う。

子どもの命を守るのは究極「親」しかいないと思う。今回、学校が一斉休校になって、仕事にいけないのなら、子どもの預け先を探すのではなく、「いかに仕事を休むか。」を皆で知恵を出し合うべきだろう。この非常時に親が子どもと過ごすことを優先に考え、それを実現するために、どのようにすればいいのか?を議論するべきではないだろうか?

ぜひ、政府には、経済界に「全国の小中学校が一斉休業になるので、親、特に小学生の親を持つ社員は、自宅で仕事をしたり、有給で休ませる等の措置を取ること」を強く要請してほしい。

有給の原資として、こういう時のために雇用保険がある。おかげさまで経済が良かったので雇用保険にはお金があると効く。それを今使うのが、最も有効だ。小学生の子供を持つ社員を休ませる場合には、有給とし、それは雇用保険が休業補償をする。ひとり親の親も、安心して休める。休んでも来月の給料が減らない、だからこういう時は休んで、子どもの命の安全を守ってもらおう。

もし、リーマン級の大不況が来て、企業がどんどん潰れ、失業者が巷に溢れれば雇用保険で保証する額は、桁違いになる。それを防ぐためには、「コロナウィルスを何としても封じ込める。そのために子育て中の社員を有給で休ませる。」ことを最優先でやるべきだと思う。

日本は、子育て中の親の時間をどんどん奪う国だ。保育園を延長するし、小さい子どもだけを家に置いて働きに出ても罰せられない。だからシングルマザーは、泣く泣く赤ちゃんを置いて夜の仕事に出かけ、赤ちゃんが死んでしまって「虐待」として逮捕される。

他の先進国では、子どもが小さいうちは、子どもだけを家に置いていたら逮捕されるという法律があるから、そのために働きに行けないシングルマザーには手厚い補助がある。

非常時には、親が子どもの命を守る、そのために必要なお金は経済界がだす。溜まった内部留保をほんのちょっと吐き出せばいいはずだ。

心ある企業は、今すぐ「全国一斉休校で、出勤が難しい社員は自宅での勤務または有給での休暇取得をさせる。」と宣言すべきだ。経済を守るための休校措置なのだから、経済界はそれに応えるべきだ。非常時に親が子どもの命を守れないような会社にはなって欲しくない。

そして、それでもどうしても休めない、そんな親子をどうするか、それをみんなで真剣に考えればいいと思う。

一斉休校は乱暴な措置ではあるかもしれないが、それを非難するのではなく、この危機をなんとかみんなで乗り切りたいと思う。そして色々あるけれど、なんとか明るく東京オリンピックを開催したい。

少子化が急速に進む日本で、リーマンショック級の不景気が来たら、おそらく二度と立ち上がることはできないだろうと思う。少子高齢化が進み、デジタル化でも大きく遅れをとる今の日本で、12年前のような大不況が来たら、どれほど恐ろしいことになるのか?

そしてその影響を一番受けるのは、間違いなく今も苦しい生活をしている人なのだ。巷に子どもや若者のホームレスが溢れる、そんなことが起きないために、今できることを、一丸となってやる。

だから、親が子どもと安心して家で過ごせるように、政府は次の対策をできるだけ早く出して欲しい。