2010年代映画ベスト10

2019年もあと2日ってことで、2010年代映画ベスト10を記録しておこうかと。

選定基準としては何回も繰り返し観た映画。順不同で10本。感想はレビューサイトにあげといたやつを引用しとく。また次に観た時にnoteにも感想書けたらいいな。



『アイ・オリジンズ』

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冒頭でちゃんとイアン(マイケル・ピット)は語ってるんだけどさ、「僕の世界を変えた目の話」ってのがこの映画なの。ただね、自分の世界を変えるって多分奇跡みたいなもんで、特にイアンみたいな神を信じない…目の前にあるデータが全て!って感じの人間を、根本から覆すことなんて現実に考えたら無理な話なんだよね。なのにこの映画ではそれを否定できないほど納得できるシナリオで観せてくれるわけ。前半のイアンとソフィの会話の全てが伏線になっていて、それをラストまでに全てスッキリ回収してくれるもんだから素晴らしくて!で、あのラストでしょ?アホみたいに泣いた。


『ヒットマンズ・レクイエム』

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何度観てもやっぱり好きだ。
どうしようもない会話になぜか囚われてしまうのは、あのブルージュのおとぎの国の景観のせいなのかなぁ…。ラスト彼の上から降り注ぐ雪が美しくてなんだかとても見惚れてしまったよ。最後のセリフや切り方も秀逸で音楽まで完璧。脚本が素晴らしいから隅々まで覚えていたくなるんだよな。


『シングルマン』

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愛する人を失い色のない世界に生かされる男。孤独に別れを告げる最後の一日に無意識に入り込んでくる鮮やかな色彩。心では否定しても感覚はそれを認めない。偶然に必然が重なり彼は走り出す…生と死、両極に向かって。優しさに一瞬緩んだ彼のもとには永遠の恋人。最後にして最良の一日。全てにおいて美しすぎる。完璧。


『ドライヴ』

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やっぱり私の心を掴んで離さないのがエレベーターのあのシーンね。最初で最後のロマンティックなキスシーンにキュンとした直後の、彼女を守るためのやりすぎストンピングからの頭粉砕にテンション上がりまして(まあ、アイリーンはドン引きしてましたけどね)! あの構図…光と影のコントラスト…音楽…全てが完璧で、さらにあの狭い空間で愛と暴力を融合させちゃうと言う夢のような映像美。レフン監督すげーなーって素直に感動した次第。


『ミスター・ノーバディ』

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自分が死ぬまでに何度も何度も観るであろう映画。何十回目か忘れたけど久しぶりに観賞。今回は背骨がとにかく気になった!少年ニモのプールに飛び込む時、15歳ニモの海岸で座ってる時、そして大人ニモのイチャイチャしてる時。なんとも背骨萌え!老人ニモの「もう背中は痛くない」って言葉もなんとなく残ったなぁ。改めて感じたのはゼロならば選択できる可能性は無限だけど、必ずしも思い通りの選択ができるとは限らないってことだ。選択肢の未来が分かったとしても選択できなくなってしまう怖さもあるしねぇ…。しかしキッスが素晴らしくいいんだわ。あとバスタブシーンも好き。シーツの中の2人も。


『リッチーとの一日』

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20分足らずの短編でここまで温かい気持ちになれると思わなかった!素晴らしい!絶望し生きることを諦めたはずの主人公が妹の娘と関わることで、妹に希望を与え自分の生きる意味を見出すって言うラストがね…
もう、なんかほんとに他愛もない出来事や偶然が、結局死から生へと導いてくれたことが素晴らしくて!なんかこういうのを奇跡っていうんじゃないかなぁ…大げさかもしれないけど。好きなものも沢山あったの!ボーリング場やパラパラ漫画。音楽のセンスも抜群。


『Welcome the Stranger』

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理解不能がクセになる…全てが奇妙な夢みたいだ。思いがけず好きになってしまいまして。でも、オススメはしません…ビックリするくらいよくわからない映画なんですよね。だから、海外でも評価めちゃめちゃ低いし…万人受けはしないタイプの映画です。全編に漂う物悲しさも堪らなくて。あの屋敷の雰囲気…流れるピアノの旋律…思いがけず自分も異世界にトリップしたような感覚に陥る。そしてラストシーンのエンドレスに続くであろう抜け出せない世界。イーサンの表情は必見。


『ザ・ライダー』

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――太陽さん おやすみ また明日ね。――これ好きでした。夢を追いかけている時…それは生きる希望であり、それが突然目の前から消えることにより彼にとって夢が絶望となってしまう……これは辛いですよ。友人や彼のファン達は何も知らずに彼の復帰に期待しているし、でも身近な家族は彼が引退して生き続けることを望んでいる。
彼は葛藤する…乾いた砂漠が広がる大自然の中で。自分と同じような静かで美しい瞳を持つ馬に乗りながら。『神は皆に目的を与える 馬は草原を駆け抜け カウボーイは馬に乗る』だとしたら、自分の生きる意味って何だろう?ラストの彼の決断を全力で応援したくなる。素敵な映画。


『へレディタリー/継承』

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今年(2019年)いちばん観た映画だと思う。前半は週に一度くらいは観ていたような。これ、めちゃめちゃ好き。基本的に家族が崩壊していく映画には惹かれる傾向があり、まさにこれは理想と言うか。いちばん何かありそうな妹の存在をああいう形にする…ってとこも好みだったし、母親の狂気にもやられた感がある。ラストの展開にもテンション上がりまくりで、もう始めからレールが引かれていた抗えない運命っていうかね。めちゃめちゃテンション上がってからのエンドロールも好き。


『T2 トレインスポッティング』

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あれから20年後。
みんなオッサンになってた!でも確かに彼等のままだった。

ベロニカがサイモンの口癖をレントンに話した時、レントンが捲し立てるように彼女に言葉をぶつけまくるあのシーンが痛い。それは彼女に向けているようで自分にぶつけている言葉で、見られたくない傷を塞いだ瘡蓋を自ら剥がしまくるように追い込んでいく姿が痛々しくて好きだ。彼等は大人になることにいまだに対処ができていない。大人になる術がわからないのかもしれないし。でも、人間なんてみんなそんなもんじゃないのかね?自分が子供の頃に想像していた大人になんて、今の自分も全くなれてはいないし。今回4人の気持ちを過去と今に繋ぎ合わせているのがスパットの紡ぎ出す物語で、それのおかげで置いてきぼりになっていた自分に追いつき追い越していくんだよね。なんかさ、過去に囚われているわけではなく、過去も含めて今の自分にバージョンアップしたような感じかな。バージョンアップしたところで尊敬できるような大人にはなり切れない彼等を見ていたら、なぜか嬉しくて嬉しくて…この上ない多幸感に包まれてしまった。聴けなかったレコードを聴くことができるようになるラスト…あの頃と同じように踊るレントンを観ながらやっぱり泣いた。
20年前に観た映画の続編を、同じように歳を重ねた今観賞できる喜び。それが前作超えるくらい好きってほんとに凄いことだよね。最高に面白かったです。







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