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対談企画 第四回目 性教育について NPO法人HIKIDASHI代表理事 大石真那さんと

こんにちは

高槻市議会議員の西村ゆみです。

ボイシーでいろんな方と対談をしております。
こちら

発信しました内容、耳が不自由な方にも読んで頂きたいので、noteからも同時に発信しております。

今回は、性教育の講師をしているNPO法人HIKIDASHI代表の大石真那さんと対談致しました!!
※一部、読みやすいように言葉を変えています。

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西村:自己紹介お願いします

大石さん:兵庫県在住の大石真那と申します。兵庫県の保健師として働いてまして子供が4人います。一番下の子を妊娠中に一番上の長男に「お母さんのおなかに赤ちゃんどうやってきたん?」と聞かれたことから、いろいろ性教育について学び始めて大事だなと思って最初はボランティアで活動してました。今は性教育の講師として啓発活動をしています。

西村:大石さん、性教育とは具体的に何を指しているのでしょうか・・・?

大石さん:西村さん、逆に質問をしますが、性教育と聞くとどんなことを思い浮かべますか?

西村:性教育ですか?うーん、小学校の時に修学旅行とか林間学校前に女子だけ体育館に残って男子は教室に戻ってという印象があります。主に生理のことの内容だったかと。後は中学に入って、保険の授業で初めて子供がどうやったらできるか?を学び、男子が冷やかすという記憶があります。

大石さん:まさに、いろいろな人に聞いてもそうなんです!まずは秘め事というか、隠さないといけないもの、おおっぴろに話してはいけないものになっています。やっぱりイメージとしては月経とか、避妊とか、セックスとか、性感染症予防とか、いわゆる生殖、セックスに関連した体の教育に関することになってしまっています。ただ私が広めていきたい性教育は、少し違います。性教育には、ユネスコとかWHOとかが共同で研究した国際セクシャリティガイダンスというものがあります。

西村:国際セクシャリティガイダンスがあるのですか?初めて知りました。

大石さん:はい、日本ではあまり知られていません。それに基づいて包括的な性教育を進めていきましょうとなっています。さっき言っていた、生殖とか性教育とかもその中に含まれるのですが、でもそれだけではありません。人権とか価値観とか文化とかみんな違った文化や背景を持っているけれども、違いを認め合って尊重しあってどう心地よく生きていくか?人権教育の側面がとても大きいんです。ジェンダーの事も、もちろん含まれています。心と体をどう守るか?安全教育の面も含まれています。皆さんが思っているよりは、大きいものを性教育ととらえて日本にももっともっと広まっていったらいいなと思って活動しています。

西村:いつから活動基準ができているのでしょうか?

大石さん:最初にできたのは2009年です。しかし、日本語訳がでたのがなんと2017年なんです。

西村:最近じゃないですか?もしかして・・・・日本はとても遅れていますか?

大石さん:もうめっちゃくちゃ遅れています。未だに日本では2000年代に大規模な性教育バッシングがされて、20年くらい経っても、まだ寝た子を起こすなじゃないですが、そんなことを早く教えてしまうと興味をそそってしまうでしょ?という考えが根深いんです。でも国際基準では5歳から性教育やっていきましょうとなっています。5歳からちゃんと積み重ねていけば性行動には慎重になる子が多いという結果もでてきています。日本ではまだまだ浸透していません。

西村:高槻の小学校の先生に高槻市の性教育どうしていますか?とお聞きしたところ、大石さんがおっしゃっていたように、早くやるべきだという年と慎重にすべきだという意見の年とがあり、現場はどうしたらいいんだろうと戸惑ういうお声がありました。

大石さん:幼児期からの積み重ねが大事という概念が早く浸透してほしいです。

西村:本当ですね。ちなみに「げっけいのはなし」という本を出版されていますよね?

大石さん:はい、もともと娘を妊娠、出産したことがきっかけで始めたのでまずは家庭でどんな性教育を親としてできるか?から始まりました。でもやっぱり私たちも性教育を習ってきていない世代です。ましてや自分の親から習ったわけでもありません。どう子供に伝えたらいいか分からないじゃないですか?そんな時に、絵本は心強いツールになります。
自分の言葉だけで目と目をみて子供に説明をするよりも、絵本を介して子供に説明をすると伝えやすくないですか?
子供も絵を見て視覚的な情報があるとより理解がしやすいという事があります。私が活動し始めた2018年くらいから「おうち性教育」ブームがきたと言われてまして、それまでに何冊か絵本はでていました。ただ月経について特化して説明している絵本はありません。やっぱり保護者の方に月経のことを聞かれたりお風呂で経穴をみられてどう説明したらいいか分からなかったというお声を聞いて、じゃあ絵本を作りたいと思ったときにご縁があって、出版社の方に声をかけてもらったという経緯です。

西村:何歳くらいから一緒に読むといいのですか?

大石さん:興味を持ってくれた時から読んでくれたらいいです。中には絵が可愛いので、絵を気に入って2歳くらいから見ている子もいます。
ご家庭によっては寝る前の読み聞かせの1冊として、読んで下さっているところもあります。全編ひらがなにしているので幼稚園くらいから読めるようになったお子さんも読めるようになったらいいなあと思います

西村:何歳からでもいつでも読んでいいのですね!

大石さん:はい、そうです!

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西村:先ほどの話に戻るのですが包括的な性教育でおっしゃっていた人権、価値観についても学ぶについてもう少し詳しく教えてください。

大石さん:国際セクシャリティガイダンスは8つのキーコンセプトからなっています。1つ目から優先的に学んだほうがいいというわけではないのですが、まずは人間関係がきます。それから人権、文化、価値観、セクシャリティがきます。そのあとジェンダーの理解。単に避妊とか性感染症の知識とか持っているだけでも行動をうまく変えられるわけではなく、それぞれの違い、自分はこう思っていても相手はそうじゃないかもしれないから、ちゃんと同意をとることが大事。嫌な時には嫌と言っていいんだよとか、どういうふうにお互いの関係を心地よく築いていくかとか、そういうことも一緒に学んでいかないと単に知識を持っているだけではなかなか行動が変わってこなかったりします。幅広くまずは人権教育がベースにあって、それぞれ違って尊重しあうことが大事。そしてみんなが自分らしく生きていくためにはどうしたらいいのか?と考えるのが私が思う性教育だと考えています。人権教育ベースはすごく大事な要素です。いろんなところで強調してお伝えしています!

西村:ダイバーシティの考え方に近いですね。

大石さん:そうです!多様性、いろんな人がいて当たり前、それをどう尊重しあっていきていくか?だから私、性教育アドバイザーという肩書を勝手に、生教育アドバイザーと、生きるという字に変えています。りっしんべんがついていると、どうしても恥ずかしいとか隠さないといけないとか、セックスに関連した事、というイメージがつきやすいので。
人と人とが生きていくうえで大切な要素をたくさん含んでいて、誰もが自分らしく生きるために知っておくべきことだと思っています。生きる生教育アドバイザーとして活動しています。

西村:この番組、やさしい街、高槻をつくるの「やさしいとは何か?」を考えているのですが、ずばり性教育においてのやさしいとは大石さんにとってなんですか?

大石さん:先ほどお伝えした内容につきます!それぞれを尊重しあって誰もが自分しく生きられる社会の実現です。

西村:まだ・・・遠いですか?

大石さん:はい、遠いです。もっとこのガイダンスが浸透して、包括的性教育が誰もが当たり前に受けられることが大事だと思います。今の日本では性教育は運しだいと言われています。

西村:まだまだ行政も含めて学校も含めて運次第ですか?

大石さん:はい。その年のその時の先生方がどれだけ性教育に重きを置いてくれているか?によって全然違います。外部講師として私は兵庫県明石市にいろんな学校行かせてもらいますが外部講師として行っても、あんまり踏み込んだ事を話さないでという学校もありますし、外部講師だからこそどんどん言ってくださいという学校もあります。あるいは去年、コロナのときは野外活動に行けなかった代わりに時間があったので性教育を少し多めにするけど、次の年の子供は野外活動に行ける代わりに去年の子ほど性教育できないとか、本当にその状況次第で受けられる性教育が違うということが、日本の現状です。同じ高槻市の子供でもみんな違うと思います。本当はみんな一律に九九を習ったり漢字を習ったりするのと同じようにと思いますが今はそうじゃないです。すべての子供たちが包括的な性教育を受けられる環境が整うのが理想なんですが、まだまだ遠いですね・・・・。

西村:そうですよね・・・ちなみに高槻DAYSに書かれていたイベントは保護者向けですか?

大石さん:はい、家庭でできる性教育をお伝えさせていただく予定にはなっています。ただ、興味のある方どなたでも参加可能です。高槻市に住んでいる方、または高槻に通勤、通学をされている方です。

西村:平日なので学生さんは受けれないのが残念ですね。

大石さん:後日、WEBでも見ることができます!
YouTubeで見るための申し込みもできます。当日参加の方と後日WEB配信を見る方もどちらの申し込みもできます。

西村:いろんな方に知ってもらいたいですね。
9月28日木曜日、午前10時~高槻こども未来館に行かせて頂きます。
→イベント情報 詳しくはこちら

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西村:最後に一言、お願いします。

大石さん:告知というか宣伝です。2年前に、げっけいのはなし、いのちのはなし、という絵本を出版しました。これは私が代表をしているNPO法人HIKIDASHIからいろんな施設に寄贈をさせて頂いています。幼稚園、保育園、小学校などなど、いろんな人が多く手にとって下さるところに置いて頂いて、小さい頃からの性教育大事なんだなを知ってほしくて。
なので、お子さんがかよっておられる施設などに、置いていいよという方はお申込みいただければ嬉しいです。
絵本の中身を宣伝させて頂くと、タイトルのとおり月経のこと、命のことを書いてはいるのですが、先ほどからお話しているように性教育はそれぞれ自分しく生きる、そのためにあると思っています。この絵本を通じて、生き方の多様性を伝えたいです。やっぱり子供たち、これから仕事も結婚も子供を育てるかどうか含めて、どうやって生きていくか?自由に決める権利があるので、それを子供たちにも、多くの大人の大人たちにも知ってもらいたいです。

西村:お話を伺って、誰もが尊重しあって生きていける重要性、あと、性教育は秘め事、隠し事、ではなく、自分らしく人権教育ですね。
もっと高槻市で啓発していけるように頑張ります

げっけいのはなし、いのちのはなしはこちら



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