大人になってからできる友達

松山でのプログラムが終わった後、会いたかった松山在住の友人と初めてリアルで会うことが叶った。彼女は1年弱前にある人事系セミナーに登壇していたスピーカーで、話の内容も興味深く、感覚的にも何か近いものを感じて、メッセンジャーでナンパした人だ。何度かオンラインで話す中で、近いと感じていた感覚は確信に変わり、いつもワクワクして、世界が広がる感じが本当にありがたかった。

ちなみに今回参加したプログラムは、愛媛だけでなく、いろんな地域で行われているのだけど、もともと街の空気感が好きだったのとともに、せっかくなら会いたい友人がいる場所に行こう!というのも愛媛を選んだ理由のひとつだった。

彼女は5歳の子どもを育てながら、個人事業主として様々な企業の採用支援等をしている人で、私とはライフステージは異なるものの、仕事に対する思いや価値観、人に対するスタンス、物事を見る時の目線などが近いのか、まだオンライン含めても2~3回しか話していなかったのに、ナチュラルに心を開くことができる。話していてストレスが全くなく、またワクワクが止まらなくなっていく感じなのだ。

そんな彼女から、別れた後に「オトナになってから友達になれる人は本当に価値観や考え方、生き方に共感しあえる人」というメッセージをもらったのだけど、正にその通りだと思う。

一方で「大人になると(学校を卒業すると)友達ってなかなかできないじゃないですか」と当たり前のように言われることがたまにある。私はいつもこう言われると、友達、をどう定義しているのかにもよるかもしれないけど「そうだろうか・・・??」と思い、そのことをご本人にも伝えたりする。大人になると利害関係が発生するという意味かもしれないが、むしろ、自分自身の価値観や、生き方がはっきりすればするほど、それに沿った行動が増えるからか、濃い付き合いのできる関係に出会える確率は格段に高まるのが私の実感だ。仕事仲間や、仕事をきっかけに出会った人があとあとで友達になることもよくある。

そこで重要なのは、今後変わっていっても構わないけど、現時点で「自分が何を大切にしているのか」とか、「どんなことをやっていきたいのか」「周囲は当たり前と思っていそうだけど、自分はあまり共感できない、違和感を感じていること」とかを、カッコつけることなく、自分の言葉で伝えられることだと思う。

カッコつけることなく、というのが結構ミソで、ここで自分をよく見せようと見栄をはったり、一ミリでも嘘を混ぜながら借り物の表明しかできないと、何かがずれていく。「こんなことを大切にしてるなんて馬鹿だと思われるかな」とか、「ここまでしか話さないようにした方がいいかな」とか、計算を入れれば入れるほど、自分の本質は伝わりづらくなるので、互いが深いところで通じ合う関係は遠のいてしまう。(もちろんなんでもかんでも最初から開示をする必要はないし、自身で、話したことを後悔してしまうようなことまでは話さない方がいいが。また「自身が共感できない、違和感を感じていること」については、それが通じそうな相手か、それを伝えて気分を害する人ではないかとか、ある程度話をして判断してからの方がいいが、ここを語ることで、相手と距離が縮まることは大いにある。)

自身の価値観をしっかり把握した上で、相手のこともしっかり聞き、合いそうだと思ったら、迷いの感情すら誠実に伝えたり、なんなら壁打ちしてもらうくらいの感覚で自身を表明してみる。すると、まだ何度も会っていない人とも、ぐっと近づけたりする。

出会ってからの回数も年数も関係ない。逆に、長年の付き合い=親友と考え、もはや価値観も全然合わなくなっていて、会う度にストレスを抱えているのに「友達だから」と我慢していたりする人と会ったりすると、もっと自分の価値観を大事にしたらいいのになと思う。

この、友達づくりのプロセスは、転職活動をしたり、業務委託等の面接を受ける時にも通ずる。自分に何ができるかとかは相手のニーズも鑑みながら戦略的に伝えるべきだけど、魂の部分とでもいうのか、人として大事にしたい部分は、オープンマインドでしっかり伝えておけると、長く付き合える仲間と出会いやすくなる。

そう思うと、友達づくりにも、キャリアコンサルタントは寄与できるんだなと。ライフキャリアの充実を支援する存在と定義すれば、それはある意味、当然の話なのかもしれないけれど。


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