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秋田【f ; 日本料理 たかむら】

今回は、秋田市内にある全国的に見ても素晴らしいお店2軒について書いてみたいと思います。 それは、イタリアンの『f(エッフェ)』と『日本料理 たかむら』。 どちらも予約には紹介が必要となります。   

f(エッフェ)

まずは、お誘いを受けて1月末に訪問したf。 住所や電話番号は非公開ということになっています。 宇佐美シェフがお1人で全てオペレーションされていて、その様子は魔法のよう。 もう半年前のこととなってしまいましたが、雪が積もる中、移転してまだ数か月の新しい店舗で、6人での貸し切り会でした。 料理は終始お箸でいただきます。 

料金は食べログなどに書かれているように、コースが¥11,000(税込)。 この日はワインペアリング込みで、お支払いは¥16,500となりました。  

◆Franciacorta Brut / Contadi Castaldi / Lombardia

まずはフランチャコルタで乾杯です。 瓶同様にポップなお味。      

◇男鹿産セイコガニ、ひろっこ

写真はスペースの都合上、省略させていただきました。 ひろっことは、あさつきの新芽のことだそうです。 蟹とひろっこが和えてあり、蟹は内子、外子もふんだんに入っていました。 まず、ひろっこがすごく美味! ひろっこは甘くトロッとして、少し香ばしい仕上げ具合も良かった。 蟹と良く合って、のっけから素晴らしさにびっくりです。

◇ヤリイカ

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身を2枚重ねているので、イカの裏と表を両方味わえます。 間に挟まれているのは、イカのゲソ、ミミ、そして、とんぶり。 とんぶりのプチプチ感とイカのしっとり感のコンビネーションが良いです。 塩は上から少しかけてあるだけで、素材を存分に楽しめました。

◆Vitovska 2017 / Kante / Friuli-Venezia Giulia

スロベニア国境近くで作られた白ワインです。 飲みやすかった。 

◇八森産黒ムツ

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片面だけ焼いたという黒ムツは、ふっくらして素晴らしい仕上がり。 塩加減もちょうど良かったです。 下にあるのは小松菜の茎をレモンオリーヴオイルとアンチョビで味付けしたもの。 アンチョビは細かく切ってありました。 小松菜の爽やかさがまた、ムツに合っていました。

◇蕪

写真がないのですが、すり流しのようなスープ仕立てになっており、上にウニがのっていました。 蕪はもちろん地元のもの。 塩や水を使わず、つぶしただけの蕪に、強めの塩味があるウニが合います。 蕪が大変甘かった~♡ しかも、蕪らしい風味が損なわれておらず、素晴らしかったです。

◇ブッラータ、重兵衛トマト

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重兵衛トマトは夏に採れたものだそうで、さらに重兵衛トマトの汁でのばしているそうです。 このトマトがすごかった。 味が凝縮されていて、甘いこと! 風味付けにイサザ(八郎潟の汽水域で採れるアミ)のペーストを使っています。 ブッラータはいったん中身を取り出してから外側の皮の部分も刻んで混ぜているため、食感がおもしろいです。

◇パン 

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パンは手作りで2種類。 手前にある胡麻が入っているパンには、イタリア産の栗の蜂蜜が使われています。 白い方のパンも別の蜂蜜入り。

◆Barbaresco Riserva 2000 / Roberto Sarotto / Piemonte

この赤ワイン、大変良かったです。 しっかりした味わいながらも、こなれていて柔らか。 しばらく置くと、さらに美味になりました。

◇大館産山芋

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間に挟まれているのは馬肉で、コラトゥーラ・ディ・アリーチ(イタリアの魚醤)で味付け。 シェフから、大館は古くから農耕馬の産地だったというお話がありました。 山芋はチーズを入れて焼いてあり、芋がほんのり甘くて、ちょっとモチッとして、素晴らしかった! 正に、芋を味わう一品。

◇比内地鶏

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胸肉ともも肉です。 皮はパリッと、身は地鶏らしくしっかりしながらもしっとりして、焼き方が素晴らしかったです。 オレンジソースは、シンプルながら、とても鶏を引き立てていました。

◇鱈の白子

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スープには蛤、比内地鶏に加え、擦ったじゃがいもが加えられています。 スープが大変滋味深く、スフレ仕立ての白子のクリーミーさと相まって素晴らしかった。 上にあしらわれているのは、プチベールです。

◇ストランゴッツィ

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「ピチですか」と聞いたら、ほとんど同じだけどストランゴッツィだとのことでした。 麺は手打ちで、歯ごたえが素晴らしかったです。 ソースは東由利産のバルバリー鴨を使ったラグー。 もも肉を炒めずに煮込んで、トマトソースとからめています。 ラードは入れず、オリーヴオイルを使っているそうです。 この鴨にこの調理法が合っていて、堅くならず良かった。

◇黄鯛

写真は省略しました。 鯛はソテーになっていて、下には鳥海山で採れた新物のカンゾウが敷かれています。 バターで仕上げた鯛の焼き方が、まず素晴らしかった。 カンゾウは茹でてからゴルゴンゾーラのソースで和えてあり、そのソースは鯛とも相性が良かったです。 ソースはほんのり甘く、ゴルゴンゾーラの香りがイタリアっぽかった。 

◇秋田錦牛(にしきぎゅう)のヒレ

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秋田錦牛はブランド牛で、黒毛和牛です。 フライパンで焼き付けてから稲藁でいぶしたそう。 切り方が大きくて、食べごたえがあり、大満足でした。 上の野菜は生のセリです。 葉はちぎって、根は斜めに切る! 「きりたんぽもそうしたら(斜めに切ったら)いい」と宇佐美シェフ。

◇蕗の薹のアイス

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最後にすごいのが来ました! これ1人分で蕗の薹20個は使っているそう。 ミキシングしてから凍らせる通常の作り方ではなく、凍らせてからミキシングしています。 ソースはエスプレッソに65%カカオのチョコレートを混ぜ、栗の蜂蜜で甘さをプラス。 泡は、ハンド泡立てで「分離」させた牛乳。 蕗の薹の苦み+コーヒーの苦みが極上のハーモニーを生んでいます。 皆がすごいとしか言えないデザートでした。 

秋田の食材を思い切り生かした、とびきりの料理の数々。 品数がものすごいし、どのお皿も素晴らしくおいしい! コースのお値段は本当にありえない設定だと思います。 ペアリングのワインも妥当な(?)お値段で、赤ワインがおいしかった♡  秋田まで来る価値200%のお店です。 もし機会があれば、万難を排して伺うことをおススメします。 お誘いに感謝です。

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日本料理 たかむら

2軒目は、4月に初めて訪問させていただいた、たかむらさんです。 ずいぶん前から行きたいと思っていたところ、ようやくタイミングが合いました。 

店主の髙村氏は、北の巨匠として名を馳せる、日本料理界の重鎮でいらっしゃいます。 先月6月にはTBSの番組「皇室アルバム」で、天皇陛下がお若い頃から髙村さんのお料理を大層気に入っていらっしゃって、お店へ通われていたことが紹介されました。 すごいですよね! たかむらさんも、地元秋田の食材をふんだんに使っています。 料金もリーズナブル。 

コースのお値段はいくつかあるようですが、今回はお連れ下さった常連客の先生にお任せです。 通常とは違った中華風のお品などもいろいろいただけ、お酒を一合飲んで、お支払いは¥18,720でした。    

◇卵焼き バイ貝旨煮 浅利と春菊の胡麻寄せ ふきの旨煮 大黒しめじ    真蛸の白煮 ハマボウフウのお浸し 天然こごみ

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卵が、シュワッとフワッとして、甘くておいしい~。 卵は2つあって嬉しかったです♡ 真ん中にある胡麻寄せも、まったりして大変美味。 大黒しめじは京都産だそう。 男鹿産の蛸が、みずみずしく、かなり噛みごたえもあり、とても良かった。 こごみも、素朴ですが素晴らしい味付け。 お酒は、ご一緒だったRちゃんが持ち込まれた二兎の限定品「Satin(サテン)」で、大変おいしかったです。 Rちゃん、ご馳走になりました。 

◇秋田産墨烏賊の炙り

写真はスペースの都合上掲載できなかったのですが、中華風にアレンジされたイカです。 四角く切って包丁を入れたイカに、中華風の辛いタレ。 見るからに中華仕上げでした。 この日は、お連れ下さった方が中華料理をお好きだったため、中華風のものをいろいろいただけて、おもしろかった!

◇富山白海老の子丼

ご飯の上に白海老がのった小さな一品ですが、素晴らしかったです。 ほんのり赤酢が効いたシャリがいいです。 上には錦胡麻がかかり、キレイ。 海苔、山葵もあしらわれ、おいしくて、大きな丼で食べたくなりました。 

◇春雨 ベステルキャビアのせ

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これもちょっぴり中華風ですよね。 春雨のシャキシャキ感が良かった。

◇金沢筍と鱧揚げ真丈の椀 大根 三陸わかめ 秋田錦牛牛たんスープ 

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鱧の真丈がジューシー♡ 奈良で採れた花山椒もピリッといい感じ。 そして、牛たんに鰹を足したスープがおいしいこと。 

◇秋田平目 北海道北寄貝 塩釜本鮪

お造りです。 2切れあった本鮪が、大変にすごいトロでした! 幸せ~。

◇秋田錦牛牛たん味噌漬け焼き 花山椒 山葵 青南蛮味噌

たかむら3

おいしいに決まっているお品ですよね。 おしゃべりに夢中で、感想が少なくなってしまってすみません。 お連れ下さったH先生、そして髙村さん、何かあれば補足して下さいませ。 追記しますので。 

◆一白水成 日本料理たかむら /  福禄寿酒造(秋田)

お酒を皆で一合いただきました。 大好きな一白水成のたかむらオリジナル。 オリジナルは2種類ありました。 もちろんおいしかったです。  

◇塩釜本鮪のトロたく

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塩釜の本鮪、本当においしいです。 あと10本食べたかった。

◇秋田産桜鱒の煮浸し あおさのあん

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桜鱒~♡ 大きなポーションが嬉しい。 スプーンでいただきました。 あんに筍が入っているところが、またいいです。 

◇秋田産ずわい蟹の磯辺巻き アスパラソバージュ 金ニラ 生ばちこ

写真はこの投稿の一番上にございます。 蟹に海苔って合うんだなあ。 それから、出色は生のばちこ。 とても分厚くて、素晴らしかったです。 ニラは黄ニラならぬ、「金ニラ」なんです。   

◇気仙沼のフカヒレと金沢筍の春巻き 抹茶塩 辛子酢醤油 

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なんと、春巻きです! みんな大好き、春巻き。 しかも贅沢にフカヒレ入りです。 筍の歯ごたえと風味が良かった。 辛子酢醤油が合う~!

◇たかむら麺type2冷やし担々麺 アメーラトマト 挽肉 小松菜 味玉

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びっくりの、〆も中華風~。 冷やし担々麺、甘くておいしかった。 「たかむら麺」のコシがすごいんです。 パスタ小麦、うどん粉などをブレンドしているそう。 何でも作れちゃうんですね、髙村さんは。

◇マンゴープリンとゴールデンオレンジ

たかむら2

ゴールデンオレンジをたっぷり絞っていただきます♪    

素朴さをうまく残しながら、日本料理の真髄をとらえたお料理、どれも完成されたお味で唸りました。 また、秋田は食材の宝庫なのだなあということも改めて実感させていただきました。 髙村氏は評判通りの実力で、また、ゲストのリクエストに真摯に応えて下さるサービス精神や、経営に関してのビューがしっかりしている点もさすがですね。 

日本料理 たかむらのHPはコチラです⇩

たかむらさんは会員制のお店で、最初に書きましたように、会員の方の紹介がないと予約ができません。 名店なので、会員の方に連れて行っていただける機会があれば、ぜひ訪問されることをおススメします。 会員になると会員カードが発行され、また、専用のアプリをインストールするとメニューや来店歴などを見ることができ、とても便利です。 

fもたかむらさんも、近々にまた伺える予定なので、とても楽しみです。

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