京都【南禅寺 さえ㐂】 滋賀【比良山荘】
京都のお鮨屋さん『南禅寺 さえ㐂』と、滋賀にある「山の辺料理」の店『比良山荘』についてです。 どちらも昨年9月に訪れた際の記録です。
南禅寺 さえ㐂
大阪にあった人気鮨店『さえ㐂』がこの京都南禅寺に移転してきたのが2018年秋なので、ちょうど2年たったところでした。 その後、さえ㐂は2019年秋に東京の銀座に進出し、現在は大将の佐伯さんは主に東京で握っています。 また、大阪のお店もお弟子さんによって最近復活しました。
この日南禅寺におじゃました日も、佐伯さんはいらっしゃらない日だったのですが、若大将の谷口氏によるおいしいお鮨を堪能しました。 それに、ここは何よりもロケーションが素敵。 南禅寺の敷地の中なのですから。
この日はお昼におじゃましたのですが、夜のコースをオーダー。 夜コースの料金は¥27,000(税・サービス料別途)です。 それでは内容を。
◆得月 純米大吟醸 / 朝日酒造(新潟)
お任せで日本酒をお願いしたら、これが出てきました。 最初飲んだ時は、大吟醸らしいきれいさはあるものの、かなり辛口に感じて全部飲めるか心配になったのですが、お料理が始まったら良く合いました。
◇ベビーホタテ ラトビア産キャビア さやえんどう
華やかで、一品目にふさわしい感じ。 炭火で炙ったホタテは、焦げ目の苦みが少し気になりました。 キャビアは、風味は良かったですが、食感があまり良くなかったです(辛口でしたらゴメンなさい)。
◇白身の造り
写真は省略させていただきました。 お魚はタマメ鯛とクエ。 昆布醤油とポン酢が添えられていたのですが、昆布佃煮が美味でした。 いかにも昆布がたくさん入っている見た目なのですが、やはり昆布風味が強く、鯛もクエも昆布締めだったので合いました。 ポン酢も酸っぱすぎずおいしかった。
◇雲丹 山芋 蛸
これは雲丹好きにはたまりませんね。 礼文島産の雲丹の下にはすりおろした山芋があって、一番下には低温調理した明石産の蛸が隠れています。 どの食材もクオリティが高く、特に蛸のムギュっとした食感が良かった。
◇アブラボウズの塩焼き 蓼酢
青森県産のアブラボウズ、元は16Kgの個体だったそうです。 蓼酢は一般的なものと少し違うビジュアルで、旨味がありました。 この蓼酢に魚をつけると、大変に味わいが増幅されて、美味でした。
◇クラゲの酢の物 マイクロアオジソ 黄ニラ オクラ
クラゲは傘の部分で、大きくカットされており、コリコリ感が良かった。 味付けに使われているガリのドレッシングが秀逸で、ガリの甘さが全体をマイルドにまとめており、とてもおいしかったです。
◇黒鮑のしゃぶしゃぶ 賀茂なす 松茸
黒鮑は淡路島産。 素揚げされた賀茂なすの油がお椀の中で良い仕事をしていました。 全体的に甘みを出した味付けで、おいしかったです。 左の小皿にあるのは鮑の肝醤油で、これも少し甘さがあり、味変に役立ちました。
さて、6品のつまみが出ましたが、ここからいよいよ握りになります。
◇赤身のづけ
青森県産の鮪、ねっとりしておいしかったです。
◇筋子
新物の筋子を使ったお鮨です。 この店らしい、やや甘さもある味付け。 おいしい! 海苔もあり、筋子によく合いました。 それにしても、昨年の初秋はいろいろなお店で、本当にたくさん筋子・いくらをいただきました。
◇トロ
写真は省略しますが、すごく脂がのっていました。
◇コハダ
みずみずしく、酸っぱすぎず、良い一貫でした。
◇剣先イカ
分厚く、柔らかく、甘くて素晴らしかったです。
◇秋刀魚の箱鮨
その場で作った押し鮨のようなもので、海苔にくるんで手渡しされます。 海苔は目の前の七輪で炙ってくれたもの。 レアな秋刀魚がおいしい~!
◇車海老
これも写真は割愛いたしますが、大きな海老で、程良い歯応えでした。
◇カマスの昆布締め
写真はないのですが、とても柔らかかった(締まりがなかった・・)です。 カマスってそういうお魚ですものね(大好きですよ)。
◇鯵
生姜が効いていました。 そうそう、写っていないのですが、ここのガリはシナッとしている薄切りのものではなくて、厚めの塊に美しくスライスしてあるんですよね。 ガリは甘さもありますが、生姜の辛味もしっかりあり、好きでした。 また、酢漬けのキャベツも添えられます。
◇穴子
写真は割愛いたしましたが、ホワホワながら、きちんと食感もありました。 酢飯の酸味が引き立つお味で、素晴らしかったです。
◇トロたく
文句ないおいしさで、満足~! 1人2切れずつです。
さて、ここで追加をお願いしました。 気軽に追加させていただけるのが、南禅寺さえ㐂さんの良いところです。 剣先イカ、穴子、トロたくを追加。 穴子は先程のものより、超分厚くて、大きかったです! トロたくは、1人3切れずついただけました。 この追加で満足度は格段にUP。
◇桃
デザートは桃でした。 おいしかったです。
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南禅寺さえ㐂、佐伯さんが不在でも、なかなか良かったです。 お支払いは、日本酒を飲んでお鮨も追加したのに、1人¥35,000いかないくらいでした(安くはないけれど)。 若大将の谷口さんは、とても感じが良いです。
お鮨のシャリは、甘さがなくやや酸っぱめ、お米が程良く堅く、いい感じです。 握りは少し小ぶりで、私はもう少し大きい方が嬉しいと思いました。
庭園を眺めながらの素敵なお食事になりました。 京都では貴重な江戸前のお鮨屋さん、しかも雰囲気は最高です。 ここはまたぜひ伺いたいです。
比良山荘
次は滋賀県西部にある『比良山荘』です。 京都の中心部から車で1時間ほどのところにあり、レンタカーで行きました。 なお、この日は連休中で観光客が非常に多く、大渋滞で、3時間近くかかりました! びっくりです。 こんなに混んでいたのなら、大津側からアクセスすれば良かったですね。
現在は宿泊予約は受けていないようで、日帰りで昼食に伺いました。 提供されるのはオリジナルの「山の辺料理」で、特に冬~春の月鍋(熊の鍋)と、秋の松茸に定評があります。 9月下旬の訪問だったので、例年なら松茸がちょうど良く収穫できている頃なのですが、昨秋は不作で、事前に比良山荘さん側から松茸があまり出せないとご連絡を受けていました。
松茸が少なめとのことで、料金は1人¥44,275(税10%・サービス料15%込)と、焼松茸特別コースの時ほどはお高くなかったです。 なお、夏場でしたら¥18,975(税・サ込)からコースがあります。
◆十四代 / 高木酒造(山形) (1合 ; ¥3,795 ; 税・サ込)
どの種類か分からないのですが、十四代をいただきました! すごくおいしいです。 幸せ~。 それから、どくだみ茶もお出しいただきました。
◇松茸のおかき揚げ 稲穂
先附です。 いきなり松茸♡ とてもジューシーで、香りも素晴らしかった。 本当に、これだけで来た甲斐があったと思いました。
◇岩茸と柿のごま酢和え 鮎のなれずし
写真は省略させていただきました。 それぞれ別の器に入っており、岩茸は生のものをそのまま。 岩茸は黒っぽくて海藻のように薄平たく、少し表面がザラザラしたきのこです。 拍子木切りにされた柿は、堅めで野菜っぽいところがここではいい感じ。 他にムカゴ、銀杏、三つ葉も入っていました。 ごま酢の味が良く、銀杏をはじめ、食材が本当においしい。 なれずしは、(鮒でなく)鮎だからかもしれませんが、全然クセがありません。 びっくりのおいしさで、飯(いい)の部分がまた大変良かったです。
◇八寸
左上は鯉の子で、大きな塊が嬉しかった。 その隣は稚魚の南蛮漬け。 右上はイワナの押しずしです。 左下はムカゴ、大きめですね。 その隣が松茸のうま煮で、さすがのおいしさ、香りもやっぱり良かった。 川海老は、長い手の部分にもちゃんと味が入っていました。 その隣は黒川茸の白扇揚げで、苦みではなく、ほんのり甘みが感じられるほど。 最後は焼き栗。
◇琵琶湖産天然鰻の酒蒸し
「鰻ってこういう食べ方あるんだね」と、同行者さん。 紛れもなく歯応えは鰻で、臭みがなく美味でした。 フルーツほおずき、茗荷の甘酢漬けも。
◇熊の手をスッポンの出汁で炊いた鍋
出色の一品。 トロリとしたスープが本当においしかったです。 熊+スッポンの出汁がものすごい。 強烈な旨味に完全にノックアウトされました。
◇鮎
写真はこの投稿のトップにございます。 子持ちになっていて、おいしかった。 子持ち鮎が大好きです。 四角い容器に入っているのはうるかで、かなりの塩気でしたが、鮎に合いました。 お酒が進みすぎていけませんね。
◇焼き松茸 猪のロースト 揚げ栗 銀杏
猪は少し素材が堅かったですが、おいしく食べられるように良い感じにローストされています。 大きな栗は、渋皮煮したものを揚げていて、ホクホク。 栗はカリッとした衣も適切でした。 秋の味覚を堪能。
◇子持ち鮎の香味焼き
先程の塩焼きとはまた違って、醤油をつけて焼いているので、香ばしいのです。 手前にあるのは山菜の「みず」の実で、これもおいしかった。
◇イチジクの胡桃味噌がけ
大きなイチジク! おいしかったですが、上に胡桃のローストが乗っていて、それが若干酸化してしまっていたかな。
◇鮎と松茸のご飯 鯉こくの味噌汁
鮎が1人につき丸々2尾と、たっぷりの松茸スライスが入った贅沢なご飯。 土鍋でたっぷり供されました。 ご飯には鮎の大好物である川海苔が仕上げにかけられており、これがまた風味をプラス。 お焦げもおいしかったです。 味噌汁は濃すぎず程良い風味。 ご飯、私は3杯いただきました。
◇とんぶりのアイスクリーム
これも写真は割愛いたしましたが、おもしろく、おいしかった。 塩アイス的な風味で、とんぶりのプチプチが食感のアクセントになっていました。
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この日は松茸があまり出ないと聞いてはいたものの、お食事が終わってみると、けっこうな量の松茸をいただいていました。 しかも、お出しいただいたのは、香り高くかなりのクオリティのものでした。 感謝します。
比良山荘は、ここでしか食べられない山里の素材が、ここでしか食べられないアレンジで提供されるので、多少不便な場所でも来る価値があると思います。 「山の辺料理」という表現、正にその通りで当たっていますね。
今年の春は比良山荘に2回伺える予定なので、それも楽しみです。
比良山荘のHPはコチラです
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