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Youは何しに南仏へ? 春のニースひとり旅 #4

パリとは異なる檸檬色の
ゴージャスな建物を見ながら
ホテルのある通りへ

あ、あった「Hotel」の看板!

胸を躍らせ近づくと
日に焼けて色褪せたカーテンが破れ
全体が白く干からびたような古い建物だった

「うっそーん」🙉

番地を確かめてみると
私の泊まるホテルは通りの反対側にあるはず
(フランスは番地が奇数か偶数かで
通りのどちら側かわかります)

向かいの歩道に目を向けると、少し先に
南仏プロヴァンスを思わせる
テラコッタ色がお洒落なホテルがあった

よかったー😭本当によかったよー


予約書に「チェックインは14時」とあったけれど
まだ11時

フロントで荷物だけ預かってもらおうと
ドアのベルを押すとお洒落なムッシューが現れた

「今夜から4泊お世話になりますサイトウです
申し訳ありませんが荷物を預かっていただいてもいいでしょうか?」

「ようこそ!マダムサイトウ、もちろんですよ

我々はチェックアウトの11時から3時間、
窓を開けて掃除、換気を徹底しています

というわけで14時まで
お部屋にはご案内できないのですが
ちょうどいいタイミングですから今ここで
チェックインしてしまいましょう」

流れるようにチェックインが済むとムッシューは
ニースの地図を私に見せながら
まず最初に

「あなたはニースでどんなことをしたいですか?
どんなことに興味がありますか?」

と聞いてくれた

これ、ものすごく大事

というのも日本から観光に来る方から
「パリのおすすめはどこですか?」
というメールをよくいただくのだが

その人が何に興味があるか
何をしたいかで
提案するものがまるで変わってくる

建造物や美術館にまったく興味のない人に
(ちょっと驚くけれど確かに存在する)
パリを代表する観光地をリストアップしても
役に立たないし

食べ物に興味のない人に
(さらに驚くけれどこちらも存在する)
おすすめのレストランやパティスリーを
リストアップしても無駄

なので、買い物が目的の人なら
デパートやハイブランドのブティックが近い
オペラ界隈にホテルを取るように勧め

当てもなく散歩したり
のんびりカフェでくつろぎたい人には
治安が良く、雰囲気のある小径が連なる
右岸4区マレや
左岸6区サンジェルマン・デ・プレに
滞在することをお勧めする 

暮らすように旅をしたい人なら
学生街で小さなスーパーやブランジュリーが多く
朝市も日替わりで立つ左岸5区のカルチェラタン

ゴージャスなホテルライフを楽しみたい方は
右岸1区のヴァンドーム広場付近へ

美術館巡りがメインの旅ならば
ルーブル、オルセー、オランジュリー、
ピカソ、ポンピドゥーなどに徒歩で行ける
右岸1区パレロワイヤルあたりを拠点にすると便利
というように

旅の目的や興味のあることがはっきりしていると
的確なアドバイスがしやすくなる

心の中で「このムッシューすごい!」と
ウキウキしながら

「今回初めてのニースなので
主だった観光スポットはおさえつつ

フラフラと気の向くままに散歩しながら
美しいと思った景色を写真に撮りたいです

あとはバスでエズ、マントン、
サンポール・ド・ヴァンスにも行こうと思っています

美術館にも興味があります
マティスとシャガールの美術館は行くつもりです

ショッピングはすでにたくさんしてきましたし
ここでするつもりはまったくありません

それよりニースにしかない
美しいものを見たいと思っています」

ムッシューの目がキラリと光ったような気がした

「よろしいでしょう
それではこれからざっとニースの説明をしながら
おすすめのコースを紹介します」




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