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You(QA) are the headlights of the team!

このタイトルは、名著「ソフトウェアテスト293の鉄則」の第一の鉄則である「プロジェクトの行く手を照らせ」の原文である"You are the headlights of the projects"のオマージュで、今どきのQAがスクラムチームの一員としてやっていくときの心得として言い換えをしてみたものです。私の造語です。

今の若いQAの人たちは、もしかしたら、この本を読んだことがない人も多いかもしれません。本当に良い本で、機会があったら読んで欲しいです。

ソフトウェアテスト293の鉄則はこんな表紙です。

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そしてその原本はこんな表紙です。(この本の下に書いてある「コンテキストドリブンアプローチ」っていうのがこれまたすごくて、最近読み返しながら、これがアジャイル開発と相性バッチリだな!って今更ながら気付いてます。)

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この本は、にしさんが主宰するTEF(テスト技術者交流会)によって、2003年に翻訳されました。JaSSTやJSTQBといったテストコミュニティの活動はこの前後から始まっていて、今振り返ると、TEFの翻訳プロジェクトはそういうムーブメントのきっかけのひとつだったのかもしれません。

私は初めてこの本を読んだとき、最初の章「The Role of the Tester(テストという仕事)」の最初の鉄則である「You are the headlights of the projects(プロジェクトの行く手を照らせ)」を読んで、ものすごく感銘を受けました。

テストとはプロジェクトの行く手を照らすヘッドライトの役目なのだ。前方を明るく照らし、地図を挟んでにらみ合ってるプログラマとマネージャに現在位置を示しながら、何か轢きそうな時は警告しつつ、崖に何メートルまで迫っているか教える役割なのである。(ソフトウェアテスト293の鉄則 P1)

そして、このプロジェクトの行く手を照らすことができる人こそが本当のテスターで、自分はそういうテスターになろうと密かに思ったものです。

最近、自分のテストをするための業務知識の習得の一環として、物販の経験が必要で、リアルな感覚でテストができるようになりたいのでTシャツ作って売ってみてますが(笑)。このTシャツの名前である「チームの行く手を照らせTシャツ」とはそういう背景があります。


話を戻します。

QAの場合、QA専任という役割の人がいなくなり、チームでQAするのが最終ゴールだという考え方もあり、チームの行く手を照らすだけがQA専任としてやることでもないかもしれません。

いろいろな考え方があるにしろ、自分は、チームの一員として、みんなにとってのヘッドライトの役目を果たしたいなって思うし、未来のために、1人でも多くのQAの人がそういうふうに育って欲しいなって思います。

この本はこの鉄則だけでなく、293の鉄則全てがすごくて、「(口には出さなくても)いろいろ疑問を持とう」とか、「門番になるな」とか、「(自動化の)目的はコストダウンではなく開発の迅速化だ」とか、「プログラマとは共存共栄であれ」とか、「キャリアは自らで築け」とか、「プログラマより高収入を狙え」とか、「テストケースの項目数からは何もわからない」とか、例をあげればキリがないほどの金言だらけです。原本は2001年、今から20年前の本ですよ、すごくないですか?

私が講演とかでよく「テストはサービス産業」というような話をしますが、この本でそれを知り、実践してきたって背景があります。つまり、「テストはサービス産業」の実践は、この本がきっかけです。

私は、若い時に、この本でテスターの役割とか学んだので、「テスターは言われたテストをやる仕事だと思ってた」というような意見を聞くと、む?それはテスターじゃないよね、おかしいな?って思ってしまうのかもしれないです。

チームの行く手を照らせ!


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