2023年11月18日ショーイベント「小説家と2人目の被害者」
ナツメ、5歳。
善悪の判断がつく年頃になってきた。何が悪くて何が善いことなのかしつこく尋ねてくる。執筆の仕事をしている横で、スタンダードな善と悪の絵本を読みながら「これは悪い狼がね、」と内容を聞かせてくるのだ。ナツメは聡い。仕事の邪魔をしないように言えばレコードの音の邪魔をしない音量で1人で絵本を読む。もう小学校に上げてもいいんじゃないか、なんて親心のような誇らしげなものをぼんやり持つが、自分にはそんな資格はない。馬鹿らしい。
ナツメに自分がやっていることを話せば、私は悪い人