cero - e o (イーオー) について


リリース直後に聴き始め
一聴では何がなんだか分からなかった
聞くのを辞めようかと思った
オナニーを忘れるほど毎日聴いている
これほどループしたくなるアルバムはあまり記憶に無い

かつてアルゼンチン音響派と呼ばれた一連の音楽家
大好きなMiles DavisのOn The Corner
Gato BarbieriのEncuentrosや
もちろんブラックミュージック
その他たくさんの名盤が詰まってるような感覚になるが
e oには「レゲエ」の要素が一切ない
自分はジャー!とコールがあればいつでも
ラスタファーライ!とレスポンスする準備が整っている
レゲエは最も現実から引き離してくれる音楽(断言)
影響はすぐに見つけられるし
如何にも「やってるな」という作品も多い
(注意が必要)
つまりはゲットーミュージックなのだが
今回のe oにはそれに当たるものがまだ見つけられない

西洋が発明した「ハーモニー」
アフリカで生まれ脈々と受け継がれてきた「リズム」
東洋の音楽に根付く「哀愁」
それらをアメリカという雑多な国がサラダボウルにする
(ステキ!!!!!!!!!)
e o (イーオー) の素晴らしさはバンドはもちろん
何よりミックスだと分かった
こんなにもたくさんの音をまとめられるのは鍛錬の賜物
アルバムには数百ものサンプリング音が散りばめられていて
それらを微妙な音量とタイミングで
しかも音像を細かく設定配置しながら左右のパンをふる
こんな作業は気が狂いそうになるだろう
絶対にやりたくない
イカれてる

アルバムのFuha フハ [e o]という曲の歌詞に
「無意識下に広がるterra incognita(テラインコグニータ?)」
という一節がある
凄まじいパンチラインだ
調べてみると英語では
「人に知られていなくて開拓されていない地方」
カタカナの方は
「幻の怪獣テラインコグニータを探せ」という漫画だった

何がしたいのか全くわからない
20回聴いてもわからない
多分今年はこのアルバムをずっと聴き続ける
年末に必ず自分なりに消化してやるぜ

リアルタイムで聞くことができた2023年
自分にとっては本厄なので何も期待していなかったが
ceroのアルバムはお祓いに金をかける以上の効果があるだろう

……….んなわけないだろ!