本について

人とお話していて、今までどんな本を読んできましたか。
という話題になりました。
そういえば、どんな本だっけ…と思ったので、自分でも考えをまとめてみようかと思い、長くなりそうなのでnoteにかきすてておきます。

幼稚園

わたしのワンピース にしまき かやこ https://www.amazon.co.jp/dp/4772100180/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_8fRRDb0P7AX37

ねこのばんごはん (おはなしメルヘン) 間所 ひさこ https://www.amazon.co.jp/dp/4577006952/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_YeRRDb0RRSECY

カラー版 妖怪画談 (岩波新書) 水木 しげる https://www.amazon.co.jp/dp/4004302382/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_qlRRDbJ5TYXH4

わたしのワンピース
皆さんご存知かと思いますので割愛。

ねこのばんごはん
ねこの一家がたくさんアジを釣ってきて、おかあさんねこがアジフライを揚げるのですが、みんながつまみ食いをしてどんどんアジフライが減っていって晩御飯がなくなってしまう、みたいなお話です。
この本のおかげで、何となくいまだにアジフライは特別な食べ物で、実物よりも5割増しくらい美味しく、テンションが上がる食べ物だなぁと思っています。

妖怪画談
言わずと知れた水木先生の名著です。同世代でこの本を読んでいる人はだいたいオタクになっていると個人的に感じています。(偏見)
今思えば、妖怪というよりも民俗学というものに対する興味がこの本で芽生えた気がします。まくら返しのことを思い出して眠れなくなるのも後一興。

小学校低〜中学年

21世紀こども百科 (World watch) https://www.amazon.co.jp/dp/4092211015/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_xpRRDb812QJRQ

星と伝説 (偕成社文庫) 野尻 抱影 https://www.amazon.co.jp/dp/403550940X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_1sRRDbHARK1NZ

ショヴォー氏とルノー君のお話集 (福音館文庫 物語) レオポルド ショヴォー https://www.amazon.co.jp/dp/4834019004/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_12eUDb4TEQ0RF

こども百科
それこそボロボロになるまでたくさんのページを読んだ本ですが、とくに歴史のページが好きでした。
縄文弥生から近代に至るまでの鎧?とかをいっぱい書き写したりして、形を覚えようとしたり…覚えてどうするつもりだったのかわかりませんが、武士になりたかったのかもしれない……。
今は細かいものを描くのが苦手なので、あの頃の方が、絵に関して繊細だったかもしれません。

星と伝説
ギリシャ神話のお話をわかりやすくした児童書です。中国の話とかもあったかな?ともかく、星座に関する物語をまとめた本だったような。
私はSFではない現実の宇宙の話がとてつもなく苦手なのですが(広大すぎて、わからなすぎて怖い)、星座の話は別で大好きで、これを繰り返したくさん読んでいたような気がします。

ショヴォー氏とルノー君のお話集
フランスの作家、レオポルド ショヴォーの児童小説です。
幼くして亡くなった、ルノーくんという著者の息子に向けて書かれた物語で、ナンセンスなような不思議な淡々としたお話がたくさん纏まっています。
「頭花」で著名なアニメーション作家の山村浩二さんが、この中の一遍「年をとったワニの話」をアニメーションにされているのでちょっと有名かもしれません。

小学校中〜高学年

源平の風 (白狐魔記 1) 斉藤 洋 https://www.amazon.co.jp/dp/4037442108/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_qoRRDb5V7JC44

プチ・ニコラ〈1〉集まれ、わんぱく! (偕成社文庫) ルネ ゴシニ https://www.amazon.co.jp/dp/4036520504/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_X-eUDbY5Y8TYW

はじめてであう日本の古典(全12巻)
https://www.amazon.co.jp/dp/4338148063/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_ejfUDbV1D1WJK


源平の風。
長生きの白い狐が歴史上のいろんな人と出会って色々ある(雑な紹介…)というシリーズもので、これ以降のシリーズも面白いのですが、やはり1冊目をとてもワクワクして読んだ記憶があるので上げました。
夏休みの学校のプール帰り、寄った図書室でこの本を見つけて借りて帰ってきて、畳に寝転がって読んだ時の興奮忘れられないなぁ。という思い出込みで大好きな本です。
今のように前評が一切ない状態で自分の感覚のみで本を選んで読んでいたので、面白い本に当たった時は嬉しかった。
そんな事もあって、私はいまだに本を買う時はぶっつけで本屋で選ぶことが多いです。(資料とかはいっぱい調べてから買うんですが)あまり好きじゃないものに出会った時も含めて読書体験かなと思っています。

プチ・ニコラ
フランスの作家ゴシニと、イラストレーターのサンペさんが組んだ児童書です。ニコラという子供の視点で語られる日常は、別に何かものすごい事が起きるいうわけでもないのですが、ユーモアと愛に溢れていて読んでいて心地がよくて笑えるお話に溢れています。
これは、いまだにたくさん読み返す本なのですが、大人になると何だか妙に泣けてしまうのが不思議です。

はじめてであう日本の古典
雨月物語とか、宇治拾遺物語とか、このシリーズを一気に読みすぎて、もはや内容と名前が一致するものがないのですが(ないんかい)、自分が知らない時代や世界の話を読むのが好きでした。
当時、平家物語がとっても好きで、源平合戦のことばっかり考えて絵を描いたりしてました。那須与一のところとか、義経の名乗りのところとか。
今、これで触れた作品を読み返したり調べなおしたりすると、アダルト描写がなかったりソフトだったりしていたためか、「いや、全然違う!?」ってなる事が多くて面白いです。

中学生

乱歩と東京 (ちくま学芸文庫) 松山 巌 https://www.amazon.co.jp/dp/4480081445/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_37RRDbNQB5TX3

文体練習 レーモン クノー https://www.amazon.co.jp/dp/4255960291/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_omfUDbD8Q2KVF

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫) 土屋 賢二 https://www.amazon.co.jp/dp/B009DED4E8/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_iAfUDbKPPTS9V

乱歩と東京
前提として、この頃乱歩にハマっていました。
小説の書かれた時期、登場人物の境遇や本人の筆致、活動状況などと、東京という街の人口や環境の推移と照らし合わせて検証するといったような本です。要するに考察本ですね。
明治大正期〜昭和の終戦後にかけての東京の街の変化がこの一冊でわかる面白い本になっています。作品や作家と絡めて別の大きな物事(都市の変化)を論じるという価値観がなかった頃に読んで、自分の中で新しい面白さの感覚に目覚めた本でした。
本当は、この頃推理小説が好きで、当時はやりの新本格系は大概読んでいたのですが、種類がありすぎて割愛。

文体練習
内容はシンプルです。1つの事象を、99通りのやり方で表現するという実験的な内容の本になっています。
原著はフランス語ですので、日本語訳に際しては、元々の趣に加え、訳者の朝比奈弘治さんの腕、教養、才能が光る一冊になっています。
この本を手にした事で、本の装丁に興味が生まれて、この後の進路もそのような道を選びました。(結局、漫画を描いてるけど…)
内容は同じでも、伝え方だけで表層に現れるものはこんなにも違うんだなあという、今の自分のものの考え方にも影響している本かなと思っています。

われ笑う、ゆえにわれあり
お茶の水女子大学名誉教授の土屋賢二先生のエッセイ?集です。頭が良いのにくだらないところが大好きで、他にも出ている著作をたくさん読みました。すごい先生なのに、奥さんに怒られたり、棚を作れと言われたり、学生にバカにされたりする日びは本当に面白いです。
時々、インテリジェンズな事をおっしゃっているのですが、その使いどころがくだらないのが、またいいんです。頭が悪くても読める頭の良い本なので(それがすごいんだよなぁ)、とても好きです。

高校生

神曲  (集英社文庫ヘリテージ) ダンテ・アリギエーリ 寿岳文章訳https://www.amazon.co.jp/dp/4087529193/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_CIfUDbF3MSB1G

カラマゾフの兄弟 中央公論社 池田 健太郎訳  ドストエフスキイ https://www.amazon.co.jp/dp/B000JB4QT6/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_FMfUDbVD9F2VE

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫) セリーヌ https://www.amazon.co.jp/dp/4122043042/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_pJfUDbM2XJ5YV

神曲
人生で一番影響を受けた…といっても、思想的に影響を受けた事はほとんどありません(笑)。
ただ、この作品に関しての読み方、捉え方、そういったものや、この作品についてもっと知りたいと思い、調べたことがとても面白く、時代背景や宗教や思想…などなど、自分に知識を蓄えることで、どれだけひとつの物事を知れる深度を深める事ができるのか、そしてそれが大切なのかを教えてもらった本です。

カラマゾフの兄弟
わざわざ中央公論版と示しましたのも、ドストエフスキーという作家は訳者によって結構違うイメージを受けるなぁというのがあったので、表記してみました。というのも、この池田さんの翻訳ですが、とてつもなく改行が少なく、多分いま一番読みやすいとされている亀山さんの訳に比べ、果てしなく読みにくい…ので、多分絶版になっている。笑
ただ、その改行のない印象が、私の中のドストエフスキーの感情が爆発して喚き立てるイメージとぴったりあって、やっぱり好きで、自分の中の訳はこれがいいな、というのがあるんです。
神曲もそうですが、他言語の本を読む上で、フィルターとなってくれている訳者というのは、自分の使う言語の小説家以上に大事で言葉選びのセンスやニュアンスが自分と肌馴染みの良い方を探すのが難しいような気がします。
家にあったのがたまたま中央公論番だったというだけなのですが、今では偶然あったのが池田さんの訳でよかったなぁと心から思っています。

夜の果てへの旅
フランスの作家、セリーヌの著作です。
いろいろ問題のある作家といえばそうなのですが、この本は好きなのであげました。
これもまた、生田さんの訳が素晴らしいのです!
生田さんは「地下鉄のザジ」(上記にあげた「文体練習」のレーモン・クノーの著作)なども翻訳されたフランス文学の翻訳家ですが、お上品なほうではなくて、人生を吐き捨てるような、すてばちなフランスのニュアンスを拾い上げるがとてもお上手で…と、フランスを良く知りもしない私がいうのはおかしいのですが(笑)、そういった毛色の感性を、人の作品を的確に表現するために使うというその姿勢がすばらしく、とても大好きな本です。

浪人〜大学生

比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス https://www.amazon.co.jp/dp/4336046751/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_yshUDbPRTH2GH

モロッコ革の本 (1980年) (集英社文庫) 栃折 久美子 https://www.amazon.co.jp/dp/B000J8B16K/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_AuhUDbBX9Q7WP

宣伝的人間の研究 ゲッベルス (絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ1) 草森紳一 https://www.amazon.co.jp/dp/4892571210/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_8vhUDbYTDE0TQ

ジーヴスシリーズ
本当は浪人というか高校生の頃読み始めたんですが、続刊していたのを読んでいたしいいかと思ってこちらに挙げました。
上皇后の美智子さまが言及された事で話題になった英国の作家PGウッドハウスのジーヴスシリーズですが、実は英語圏ではシャーロックホームズと同じくらい?有名なキャラクターです。頭がいいとは言えないが気いい青年貴族のバーティと、頭がよくどんな問題でも解決してしまう超有能執事ジーヴスが、彼らの周りで起こるそこまで深刻じゃない問題を解決したりメチャクチャにしたりする、ユーモアコメディ小説です。
日本で本格的に翻訳がされはじめたのはここ十年程度で、海外でのウッドハウスの知名度と比べると遅すぎるくらいなのですが、国書刊行会と文春とふたつの出版社から別の訳者でほぼ同時に出はじめました。とりあえず、国書刊行会からの方がシリーズものとしてたくさん本を出しているのでリンクはそちらに貼ってあります。
洋ドラが好きな方はご存知かと思われる「Dr.HOUSE」の主人公ハウス先生を演じたヒュー・ローリーと、映画版ガイリッチーの「シャーロックホームズ」でマイクロフト役を演じたスティーブン・フライ(二人はMrビーンを演じたローワン・アトキンも出演している「Blackadder」というイギリスのコント(?)番組でコンビのような感じなのです)がバーティとジーヴスを見事に演じたイギリスBBC製作ドラマもあります。日本では今DVDが買えないので、動画配信サイトなどでどこかが配信してくれることを祈っています。私はアメリカ版の完全版DVDを持っていますが!笑
また、勝田文さんによるコミカライズもされているのですが、これが本当に素晴らしく秀逸です!
小説は億劫でも中身が気になる方、アールデコの世界観が好きな方、ぜひ映像か漫画でもいいので作品の世界観に触れてもらえたら嬉しいなと思います。
すっごい長くなってしまった…。本当はウエンツさん主演のミュージカルが素晴らかったという話もしたいのですが、これ以上はとりあえずやめておこう。

モロッコ革の本
筆者がフランスに渡り、ユリユールという自家製本の装丁をする学校に通った際のエッセイです。
昔、西洋で本は中身だけが売られていて、お金持ちの人は、自分で好みの装丁家に頼んで、その中身の外側の革のカヴァーをオリジナルで作っていました。そのカヴァー技術を指すのがユリユールです。
知らない世界の職人の仕事を知る事ができ、また作者の優しい語り口に心が暖かくなる本です。

宣伝的人間の研究
大学の書庫から出してもらった本で、どのような経緯でこの本を出したもらったか一切覚えていないのですが……。研究価値のある本だと認められたのか、数年前に手に入れやすい値段で復刊されました。しかし、もとの装丁がとても素晴らしかったので、あっちの方も残ってほしいなあ。
ナチスのプロパガンダについての本で、一巻では客観的視点から、宣伝相ゲッベルスを紐解いています。
このような本でありながら、とても読みやすく、内容も国立図書館で借りた世界大戦当時に刊行されたゲッベルスの訳書を読み解く形で進むのですが、その本にあるえんぴつでの書き込みなどにコメントしたりと、ものものしいタイトルとは裏腹に、とても読みやすい本です。
歴史に関する本は難しいイメージを持たれがちだと思いますが、書く人によってはこんなに面白くなるんだなぁと思い、挙げました。

社会人以降

悦ちゃん (ちくま文庫) 獅子文六 https://www.amazon.co.jp/dp/B01JA1LKSK/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_MWhUDbQCHTRMJ

神話と日本人の心〈〈物語と日本人の心〉コレクションIII〉 (岩波現代文庫) 河合 隼雄 https://www.amazon.co.jp/dp/4006003463/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_b1hUDb1R7ZQZJ

赤塚不二夫自叙伝 これでいいのだ (文春文庫) 赤塚 不二夫 https://www.amazon.co.jp/dp/4167753278/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_13hUDb8BAPF1V

悦ちゃん
大衆小説らしく、獅子文六作品はいい意味で後味があまりないので、通勤電車で読むのに最適でした。
社会人になってからは、本屋に適当に行ってぶらっと本を買うことが増えたのですが、獅子文六作品は揃えようだとかいう気持ちよりも、また気が向いたら本屋さんで買おう、と気軽に読めるのがいいなあと思います。

神話と日本人の心
河合先生は本業は心理学者なのですが(だったよな?)、このシリーズでは神話に限らず、古典文学や西洋のおとぎ話など、その知識を持っている上でどのような構造を持っているのかを、わかりやすく解説?お話?されている本です。
わりかし古典文学に興味があるので、文学畑ではない方の客観的な物語の構造についての意見が面白くて、河合先生のこのシリーズもじわじわ読んでいます。

これでいいのだ
「天才バカボン」の作者の赤塚先生の自叙伝です。
先生が生まれてからのことを、からっとした口ぶりでお書きになっていて、すごく辛い出来事のはずなのに、なんだかあっさりと読めてしまうのがすごい。
漫画の中にも流れている、あの赤塚先生ならではの気配というか、意識が文章にも現れていて、人柄というのは文章に出るのだと改めて感じます。
私が赤塚先生が好きなので、もはやこれ以上説明はできないのですが、やはりトキワ荘の時代はアツいですね。アツいなどという一言で片付けるのも語彙がなく恥ずかしい限りですが……。


こんな感じで、とりあえず終わり。
最後まで読んでくれた人はいるんだろうか。
いや、誰も居ずとも、自分が満足したのでもういいのだ。

というのも、まとめよう、と思ってから、毎日、作業の合間の気晴らしに少しづつ書き溜めていたらものすごく長くなってしまったんですね。
時々、読んだことを忘れている本があります。でも、ここに挙げた本は確実に読んだと言えるから、そういう意味では、まとめてよかった。
人と、本の会話になった時にまとめた時のことを思い出そう!笑

おわり

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