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私を夢に導く存在

 コロナ禍の中、一冊の本をきっかけに、けん玉を始めた。上手くなりたい一心で夜遅くまで練習する日も少なくなかった。ある日、その本の著書がオンラインスクールを開くことを知った。私は直ぐに参加し、毎回質問を十個用意してズームに入った。彼を知れば知るほど、私は彼の生き方に憧れていった。彼と話せることが嬉しかった。彼は、「オレとユラが出会えたのも、けん玉を続けていたからだね。」言ってくれた。その言葉は腹にすとんと落ちた。けん玉の可能性を実感した出来事だった。


 その日から、これまで簡単な技ばかり練習していた時間を、彼が敬愛するマテオという人物名がついた大技への挑戦に費やした。それは大変な難しさから、出来る人の限られた技である。失敗する度に原因を探し、改善策を編み出しては実行した。一つの技を、細分化した小技の連続だと考える工夫もした。練習を続け、手がはれ上がり、ひざはガクガクと震え、技が初めて成功した時は本当に嬉しかった。 


 これらの経験から私は、いずれ山となるちりの一つ一つが、すでに山だったのだと考えた。努力と成功の価値は等しかったのだ。挑戦は無限の可能性を持っている。だから私は、これからもあらゆることに挑戦していく。
[小学校卒業文集より 2022.1 yura]

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