Kei

横浜在住。作家。昔のこと、旅の思い出を書いています。旅行記をまとめて本にするのが夢です。

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ラーメンのおいしい食べ方

2021年1月。関東にも初雪予報が出て、朝から落ち着かないスタートだった。子どもを送り出して、図書館に本を返しにいき、簡単な買い物を済ませたら、もう体はとうに冷え切っていた。 熱々の、ジャンクフードが思い切り食べたくて、即席ラーメンを作ることにした。ダイエットは通年掲げている目標であるので、ブロッコリーとキャベツも一緒に茹でて罪悪感には気づかなかったことにする。そして、なんだか無性に、コショーをたっぷり入れたくなった。 「コショーをたっぷり入れるとおいしいんだよ」 そう

    • 潮干狩りでついていきたくなる人

      潮干狩りは子どものころの記憶しかない。大人になってみると、手間がかかる部分のみクローズアップされるせいか、一向に重い腰が上がらない。用具の準備、家族全員分の着替え、日焼け止め、水分補給、渋滞になった場合のひまつぶし、帰宅してからの砂吐き、料理、片付けにいたるまで、まさに朝から晩までフル回転のイベントである。 私が潮干狩りに行ったのは、そんな大人たちの苦労をよそに、美味しいところだけ享受する特権を与えられた子ども時代だ。ある夏の日、千葉に住むいとこたちと一緒に、シャベルやバケ

      • タイのビーチはほっといてくれない②

        パタヤといえば、タイ観光では定番の有名なビーチだ。ホテルからも歩いて行ける距離だったので、私たちはさっそくビーチに直行した。通りを歩いていると、Tシャツや土産物が所狭しと並んでいる。女性にしてはガタイの良いワンピース姿の店員が、たばこを吸いながら行き交う旅行者をじっと見ている。にぎやかで明るい印象だけど、なんとなく落ち着かない町だ。それはきっと母も同じ気持ちだっただろう。 ビーチにつくと、すぐさま目の前に男が現れた。地元の兄ちゃんといった風情で、笑ってはいるけれど狙った獲物

        • タイのビーチはほっといてくれない①

          今から20年前、私は母とタイのビーチにいた。記念すべき初めての母と二人旅だ。お互い人見知りかつ場所見知りなのに、安さが魅力のマイナーな個人向け旅行会社を選んでしまったのは私のミスであるけれど、そもそも、ヨーロッパとか京都の古き美しさが好みであるおとなしい母親を、どうして微笑と喧噪の国、タイに連れて行ってしまったのか。 私は、大学でアジア経済学のゼミを専攻していて、そこには中国や台湾からの留学生が当たり前のように座っていた。また、日本人のゼミ生も長期休暇に入ると、アジアに貧乏

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          家族旅行をがんばらなくていい理由。

          わたしは旅が好きです。結婚し、子どもが生まれて、生活スタイルや住む街が変わってもこれだけは変わらない、永遠のセンターポジションです。 旅行サイトをのぞけば「プレイルームがあるホテル」「室内プールで雨の日も安心」など、至れり尽くせりの宿が選び放題ですし、私も息子が小さい時から、子どもが主役になれるようなホテルを毎年予約していました。 ありがたいことに、乗馬や手作り体験など、子ども向けアクティビティのおかげで親の精神的な負担は減るし、プールに浮かんでいるだけでお腹を空かせてく

          家族旅行をがんばらなくていい理由。