見出し画像

地球を歩くWS〜いのちの奇跡を感じる時間

参加に至るまで

地球を歩くワークショップとは、近藤瞳さんが全国各地で主催されているもので、簡単にいうと「地球46年の歴史を1年になぞらえて4.6キロを裸足で(強制ではない)歩く」というものである。

去年、友人が別の場所で開催されたこのワークショップの体験記をfacebookに載せていて、それを読んだ時、わお!なんてexciting!と思った。

数ヶ月後、その友人から、3月に同じワークショップを多摩川でやってもらうことにしたんだけどよかったらどぉ?とお声がけいただく。

大田区在住で昔川崎に住んでいた私にとって、多摩川はもっとも身近とも言える川である。息子が多摩川河川敷で野球をすることかれこれ6年超でもある。そんな身近な川でexcitingなワークショップが開催されるとは、行くっきゃない。

excitingポイント

迎えた当日。自転車大パンクというハプニングがあったものの、なんとか集合時間に間に合う奇跡のスタート!幸先いいぞ笑

スタートは大田区多摩川駅近く、そこからほぼ全員が裸足になって多摩川台公園内を歩く。途中途中で、ひとみさんのお話に耳を傾ける。

excitingポイントその1は、なんといっても裸足で歩くことである。大の大人が、4キロ以上の道を裸足でそぞろ歩く。こんなことってあるだろうか。ワクワク。石、痛い、鋭い。土、ぐにゃぐにゃ、おもろい。草、柔らかい、安心。アスファルト、固い、なんか不思議。

ひとみさんは裸足で歩くことをオススメする。その理由は、人間は知らず知らず、だいたいが過去が未来に意識が向いていて、今ここにいない、裸足で歩くと痛すぎて、痛いという感覚に意識が向かい、今ここに帰ってこられる、というのである。でも、裸足は強制ではない。ひとみさん自身は、「裸足になってしまうと足裏からの情報が多すぎてしゃべれなくなってしまうから、私は未来と過去を使わせてもらいますね」と軽やかに笑う。

excitingポイントその2は、このガイドのひとみさんである。宇宙ができたと言われるのが138億年前、そこから地球が生まれる46億年前までに何が起きてどれほどの奇跡で天の川銀河が生まれてどれほどの奇跡で太陽系ができてどれほどの奇跡で地球が生まれたかを語る。地球が生まれてからの46億年を1年になぞらえて、歩いては止まり、今は2月何日くらい、地球にはこんなことが起きてたよ、と教えてくれる。

トイレに隕石の奇跡

果てしなく壮大な話をしながら、ご自身の歴史についてや、等身大の彼女の小話を挟んでくれる。

「私も嫌いな人たくさんいるんですよ、そんな人はなるべく後ろから見るの、そうすると、寝癖ついててかわいいじゃんとか、新しい発見がある。どこから見るか、で、見え方が変わります。どんなに嫌いな人であっても、出会ってることは奇跡。人と人が出会うのって、隕石が落ちて来て自分ちのトイレにスポって嵌るくらいの確率なんだって」

一同大爆笑。ここに集った20人も、トイレに隕石が嵌るくらいの奇跡で出会ってる。

満開の桜の木の下で、雲の隙間から差し込む日差しのもと話してくれたのが、りんごの木の話。「りんごは誰かに美味しい実を食べさせるために実をつけてると思う?違う。ただただ、りんごをやってるだけ。結果的にその実を鳥が食べて喜んで、その鳥が種を運んでくれてりんごはまた木を生み出せる。桜もただ桜をやってるだけ。ひまわりもそう。人間だけなんですよ、桜なのにひまわりになりたいとか言って、ひまわりになろうとするの。みんな、ただ自分をやってるだけ。人間も本当はそうなの。私たちの中の60兆個の細胞は、ただ細胞をやってるだけ、胃は胃の仕事を、腸は腸の仕事をただやってるだけ」

この話は、全員に響いていたと思う。もちろん私にも。数年前から、「ただひたすらに私を生きる」ことに目覚めて歩んできた。やっぱりそうだよね。ただひたすらに、自分をやったらいいんだよね。共感と、確かめと、確信。

今ここにある奇跡

ウォーキングの最終ポイント。「ついに12月31日、23:58を何秒か過ぎました。今から200年くらい前、何が起きた?そう、産業革命です。ほとんど全てのモノが、その1分ちょっとの間に作られました。そして、今生きているあなたの人生、約80年とすると、それはほんの0.2秒です」

えーーー、産業革命から今って、ほんの1分ちょっとかよーーー。私の人生0.2秒!?吹けば飛ぶ…

「でも、46億年の全ては繋がってあなたの中にある。あなたが生まれるまで、1億人ほどの先祖たちが1秒でも違うことをしていたらあなたは生まれなかった。今ここにあることが奇跡なんです」

じーーーーーん

丸子橋を渡った多摩川の川崎側の河川敷で、そよぐ風と足裏の冷たさを感じながら、今ここにある奇跡を感じる。ひとみさんはこうも言っていた。

「46億年の歴史の中で、人類の歴史はほんの3%、心理学では人間の顕在意識も3%と言われています。私たちは3%しか自分のことをわかっていない。だったら、私ってこんな人!とか決めつけるのもったいなくないですか?こんなところもあるけど全然そうじゃないところもある、ただ意識にのぼってきてないだけ。たぶん、人間はみんな全部同じものを持ってるんじゃないかと思うんですよ、ただ、現れてるものが違うだけで。全部自分の中にある。そう思ったら、本当にすごくないですか?」

まったくもって、すごい。

全部ある

「あなたの中に全部ある」これは、別の人に言ってもらって強烈に残っている言葉であった。同じことを、まったく初めて出会ったひとみさんが言っている。

きっと、この世の原理原則はとてもシンプルなんじゃないかなと思う。人間は、脳みそが発達したおかげで、たくさんのモノを生み出せたし、たくさんのコトがわかったけれども、その分複雑になりすぎて、考えすぎて、ややこしくもしてしまった。

ひとみさんは言っていた。「人間はね、ややこしいの。単細胞生物は、単純だったの。人間は、細胞が折り重なって、つまり家がたくさんあって、細胞の隣に細胞の壁があってまた壁があって…言ってみればTシャツ50枚くらい着てるようなもの。変わりたいけど何やったらいいかわかんない!と思ったら、まずは手放してみたらいいですよ。Tシャツ1枚ずつ脱いでみる。実際着てるものでもいいし、家のほんの一角をみて捨てるでもいいし。大きなことをやろうとすると、途方に暮れるでしょ、小さなこと、目の前のほんの小さなことをしたらいいですよ。地球のためって私は、ん?と思っちゃう。異常気象も温度上昇も地球は平気ですよ、138億年の間に6000度も−50度も耐えて来たんだもん。平気じゃないのは私たちなんです。私が私のためにできることを小さくてもいいからやってみる。地球=私なんです。私という惑星のために、できることをしてみる」

わたしはわたしを生きる

壮大なウォーキングを終えた後、午後はみんなで集ってお話会が開かれた。ひとみさんが見てきた世界を分かち合ってくれて、歩んできた道のりを語ってくれて、全員が、自分の中にあるものを分かち合う場。

年齢も性別も居住地も仕事も何もかもバラバラの20人だったけれども、間違いなく同じものが流れていることを体感。やっぱり全てはつながっている。間違いない。

お開きの後、お礼を渡しにひとみさんの元へ行った時、私が最後にシェアをした息子のことに触れると、こう言ってくれた。「私も思春期はそんな感じだった。お母さんは、ただいてくれたらそれでいい。迷惑かけてることも全部自分でわかってるから。ただいるだけでいい。大丈夫」

壮大な宇宙の話から、等身大のご自身の話まで、本当に全てが染み渡る時間となった。宇宙は壮大であるけれど、同じように自分という存在も壮大であるのだ。私は昔から、目の奥にはその人の宇宙が広がっている、となんとなく感じていた。だから目を見て話すということは、その奥に広がるその人の宇宙に触れること。空の向こうの壮大な宇宙と、自分の中の壮大な宇宙は、間違いなくつながっている。

私は私をただひたすらやっていこう。

何者でもない私だけれど、唯一無二の存在として、この世に光を放ちたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?