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両丹日日新聞連載9(2022年7月)

野菜の品質を大事にしたい~すいか~

とあのお庭 山本 真由子 (福知山市)
福知山市日尾にて、夫婦2人で農業をしています『とあのお庭』の山本真由子です。地元の方々に支えられ、2人の娘も生まれ、移住してまもなく8年目を迎えます。農家になってそれまで気にしていなかった野菜の鮮度や品質の大事さがよくわかるようになってきました。

例えば、1週間前に収穫されたほうれん草と聞いたら新鮮で美味しそうだと感じる人はどの程度いるでしょうか。ほうれん草は如何にも鮮度感が失われてそうですが、うすいえんどうや胡瓜はどうでしょう。生産者目線で収穫後1週間は経過してそうなうすいえんどうや胡瓜が野菜の売り場で当たり前のように並んでいるのを見かけます。野菜は収穫してすぐが一番美味しそうというのはほとんどの人が想像する事だと思います。特にうすいえんどうや枝豆等は顕著で、収穫してすぐが美味しさ100%で時間経過と共にどんどん90%・・・80%・・・と下がっていくイメージです。イモ類や一部の果実、例えばキウイや洋梨等、樹上完熟しないものが存在するため、収穫後すぐが美味しさ100%とは一概には言えない物もあります。
では、暑くなると食べたくなるすいかはどうでしょう。すいかは流通上は果実ですが、分類上は野菜です。実は、すいかは追熟しないのです、収穫してすぐ冷やして食べるのが美味しさ100%なのです。古いすいかはそれだけで収穫時よりも美味しさが幾分か損なわれています。ただ、すいかが厄介なのは見た目が古くなってもあまり変わらない点です。そもそも古いすいかが出回る理由ですが、お盆の頃に産地供給量を超えてすいかの需要が大幅に高まるからです。その数量確保のために卸売市場を通過する通常の流通経路ではお盆前の段階で在庫を貯める必要があります。そのため売り場で古いすいかも売られるという事が起こります。場合によっては1か月前に収穫され、中が劣化したすいかなんて事もあり得る訳です。それを避けるには割高ですがカットされたものを選ぶというのも一つの手です。でも、家族で食べるにはちょっと物足りないですよね。選び方をまとめましたので参考に選んでみて下さい。
 

黄皮すいか


<新鮮であること>
つるが青いものは新鮮→収穫後約1週間でつるは茶色くなる。
<形・模様>
表面を触った時に縞が浮き出て凸凹のもの→よく水が切れたすいかに見られる特徴。
左右対称で底の丸い部分(花落ち部分)が小さいもの→筋や空洞が少ない。
日に焼けて表皮の一部が白色のものは完熟していておいしいものが多い。
<大きさ>
より大玉を選ぶ→同じ品種の中で比べると大きいほど糖度が高く美味しい傾向がある。
<叩いて判断>
あきらかに古いものはボフボフという鈍い音がする。
 
結局の所、つる付きのすいかを食べて当たりでしたら、生産者と時期を覚えておいて又来年も買うというのが一番だと思います。最近のすいかは、皮や果肉の色も様々、タネまで食べられるすいかもあります。暑い夏にぜひ楽しんでください。


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