Yuri

物書きをしています。 暮らしや足元にある発見やつながりを言葉にしようと思索中。 日々自…

Yuri

物書きをしています。 暮らしや足元にある発見やつながりを言葉にしようと思索中。 日々自分が考えていること。日々の何気ない日々を綴るエッセイ。本のこと。短歌を載せます。 Instagram →@yuri_hyggelikke

マガジン

  • 短歌

    書いた短歌を紹介します。

  • 本から見える景色

    私の「手すり」となってくれる必需品。 自分の好きな本から考えたことをつらつらと

  • 「きゅん」の切り取り方

    自分の好きな服や映画、アニメの話を。

  • つれづれなるままに。

    日頃足元に落ちている違和感を拾い上げるような文章を。

  • 暮らしと私

    暮らしの中にある「つながり」を拾い上げるエッセイ

最近の記事

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【ポートフォリオ】自己紹介と今まで書いてきたものまとめ。

去年のちょうど今頃、自分の自己紹介noteを書きました。(思った以上にいろんな人に見てもらえていたようで、びっくり…!) 1年経って見返してみると、自分の性格も考え方も少しずつ変わったなあを思う部分があるので、自分の振り返りも兼ねて、改めて今の自分を紹介します。 私の自己紹介まずは、私の簡単な自己紹介から。 簡単に経歴も紹介します。 大学時代からいろんなご縁をいただいて、いろんな人や場所に出会いました。基本的に「おもしろそう!」と思った頃には飛びつくタイプなので、カオ

    • 【短歌】夏の気配

      風をきり 目の前横切る 黒ずくめ リュックからひょいと 花束がのぞく ベランダで 洗濯物干し 部屋にもどる 肌にのこる熱 そろそろ夏か

      • 【短歌】桜桃

        うしろから 恋しちゃったんだ 口ずさむ 彼の目線に つながる夕月

        • 誰かの言葉が聞きたくて、イヤホンを外して街を歩きたくなる本ー穂村弘著「彗星交叉点」ー

          外出時、私は大抵イヤホンをつけている。 イヤホンはノイズキャンセリング機能がついていて、話しかけられる用事がない限り、はずさない。電車の中や目的地へ向かう道では、外の音がほとんど聞こえない状態がとても落ち着く。 イヤホンが欠かせない理由は、他人の会話を聞くのがあまり好きではないからだ。電車の中でたまたま聞こえた愚痴に不用意に傷つく。電話越しに怒っている人の声を聞くと恐怖を感じてしまう。自分が好きなアーティストを批判されているのを聞くと悲しくなる。 コロナになってからは、

        • 固定された記事

        【ポートフォリオ】自己紹介と今まで書いてきたものまとめ。

        • 【短歌】夏の気配

        • 【短歌】桜桃

        • 誰かの言葉が聞きたくて、イヤホンを外して街を歩きたくなる本ー穂村弘著「彗星交叉点」ー

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        • 短歌
          5本
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          6本
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          1本
        • つれづれなるままに。
          16本
        • 暮らしと私
          3本

        記事

          【短歌】ささやかな春

          「ひさしぶり」 小さな砂糖を かき混ぜて こころに小さな わたがしができる どらやきを 密かにほおばる その頬に 艶やかな春の 夜風がなびく 追い抜いた あとにゆっくり 走る君 私は負けじと チャリンコとばす

          【短歌】ささやかな春

          【短歌】桜の歌

          【短歌】桜の歌

          学校の中にある週末限定レストラン「No.18」

          ふわぁぁぁ。 大きなあくびをしながら部屋を出る。外は芝生が広がっていて、白い壁の建物が間隔をあけて並んでいる。背伸びをしながら、食堂へ続く道をダラダラと歩く。 今日は何しようかな。ぼんやり考えていると、向こうから友人がやってくる。彼女が私に声をかける。 「今日もランチ作るよ。No.18に集合ね」 No.18。ここは私が人生で1番ご飯を楽しみにしていた場所であり、私の留学生活を支えてくれた場所だ。 私は20歳の時に大学を休学し、デンマークのフォルケホイスコーレに半年留学し

          学校の中にある週末限定レストラン「No.18」

          【短歌】月の海

          短歌を書くのが好きだ。 それはズボラな私にとっては日記のようなもの。日常で美しいと思ったものや、自分の感情が揺れたときにふと三十一文字に移したくなる。 短歌を書きはじめたのは約5年前。最初は誕生日やちょっとした機会に手紙の代わりに歌を詠むようになったのがきっかけだった。 たった31文字でこれだけ表現できる余白と、31文字だからこそ多くを語らない優しさがとても好きだ。だから細々と書いてきた。 今までは自分の気持ちの整理に使っていたけど、ちょっとしたきっかけがあり、それを外

          【短歌】月の海

          沈むことは決して悪いことじゃない

          とっても静かだ。怖いくらいに。 でも自分の周りには心地よい温かさを感じて、心は穏やかだ。 最近ふと私のからだが海の中に沈んでいくイメージが浮かぶ。散歩しているときや、仕事でPCを眺めているとき、夜寝る前に目を閉じたとき。 本当は海ではなく湖かもしれない。水の底に向かって脱力した体が沈んでいく。 私はぼーっと海面を見て、海面を通して見える、歪んだうつくしい空を見る。 数年前に詠んだこの歌を友達に見せたとき、友達は「海にも重力があるんだね。ゆりは足から沈んでいるような気がす

          沈むことは決して悪いことじゃない

          言葉が紡げなくなった私は、本と対話をはじめた。

          文章が、書けなくなってしまった。 いつもなら思ったことはそのまま言葉にできるはずなのに、最近はうまく言葉にできなくなってしまった。心の中で「ことば」になる前のもやもやとした輪郭はつかめるけれど、それは形になる前に、霧のように消えてしまう。 そのたびに、残像が雨になって私のこころは少し悲しくなる。 はたから見ると全然大したことのない変化かもしれない。確かにそういう時があっても不思議はない。でも、私はどうしても不安だった。自分の言葉が消えていくことで、自分が感じ取るアンテナ

          言葉が紡げなくなった私は、本と対話をはじめた。

          梅田の地下で、私は幼子に時間をもらう。

          阪急線から大阪メトロに向かう梅田駅の地下街。ちょっとしたお店が並ぶ明るい通路を重たい足を引きずりながら歩く。 周りの人も仕事や用事を終え、帰路に着いているのだろう。空港にある平たいエスカレーターに乗っているように、みんな同じ速度で足を進めていく。 その人混みの中、ある親子とすれ違った。親と思わしき大人のがっしりとした腕に抱かれた小さな女の子は、その人と見つめ合い、ただ顔を横に振るだけでケタケタと大笑いしていた。 彼女にとってはその身動き一つでも、立派なおもちゃであり、アト

          梅田の地下で、私は幼子に時間をもらう。

          「与える人か受け取る人。あなたはどちらになりたい?」~中島岳志著「思いがけず利他」より~

          留学中、授業のインタビューを受けていた時、ふいにこの質問を投げかけられた。ビデオガメラ越しに見つめられるキラキラした目を見て、私は喉の奥が詰まる感覚がした。なぜなら、聞かれた質問に登場する2つの言葉が、自分にとってはどちらも遠い言葉だったからだ。 「giver」つまり「与える人」とは、私にとって「助けられる人」「救える人」とほぼ同義だった。私は誰かを助けるためスキルを何一つ持っていないと思っていたので、「与える人」は高い山頂のような到達できない場所だった。 「taker」

          「与える人か受け取る人。あなたはどちらになりたい?」~中島岳志著「思いがけず利他」より~

          「わからない」の先に、私たちは立体的な景色を見る。~鷲田清一著 「濃霧の中の方向感覚」より~

          はっきりとした意見を言えなくなってしまった。 そして、はっきり明確に話す人のことを直視できなくなってしまった私は、弱くなってしまったのか。 数年前の私は、意見をはっきりと言うことが美徳だと思っていた。 その根底にはみんなに「お~。」と言ってもらいたい自己顕示欲と、それくらい自分の言うことに自身を持っていたからだと思う。 そんな私は2年前にひょんなことからデンマークのフォルケホイスコーレに出会う。 フォルケでは「対話」を重視する学校だったため、留学中はとにかくいろんな人と

          「わからない」の先に、私たちは立体的な景色を見る。~鷲田清一著 「濃霧の中の方向感覚」より~

          はじめまして、Yuriです。

          ここでは、私の簡単な自己紹介と、note以外でも物書きをしているので、 自分の備忘録もかねてご紹介。 まずはざっくりプロフィールからまずは、現在のざっくりとしたプロフィールから。 本当は「こんなことしています!」とか「こんなことが専門です!」といえたらいいのだけれど、そんなキラキラしたものはまだ持てていません。 まあ、でも生きてまだ20年とちょっとだから、そんなもんだと居直りつつ。 最近やっと好きになったのが「書くこと」だったので、今は書くことを通していろいろできないか

          はじめまして、Yuriです。

          何者でもないからこそ、私は境界線をぼかしたい。~2022年の願い~

          新年あけましておめでとうございます。 今年は、実家でゆっくりと年末を過ごした。 おいしいおせちとお酒を飲みながら、家族で何気もない会話をする。うちの家族は信念になっても、「今年の抱負は…。」みたいな話は一切せず、自分の好きなことしか話さない。あちらからは車の話、こちらはアニメの話、そっちからは社会問題に対する意見…。と会話は完全ドッチボール状態なのは、家族全員がB型の我が家にしてはいたって通常運転である。 新年になると、「今年の抱負は…。」みたいな宣言をSNSやテレビを通

          何者でもないからこそ、私は境界線をぼかしたい。~2022年の願い~

          2021年、私の「手すり」になってくれた本10選

          2021年。この年を「今年」を言えるのも、あと数日。 今年は本当によく本を読んだ年だったと思う。 私は普段から本が好きで、定期的に読む方ではあったが、今年は異常だった。 常にカバンに3冊入れて、移動中はそれをとっかえひっかえしながら読む。いつも手元に本が数冊ないと不安になるような、軽い読書中毒状態。 特に、秋から冬にかけては、卒業研究も追い打ちをかけ、私は毎日家にこもり本の世界に閉じこもっていた。 私がここまで読書に没頭したのは、多分「自分」を維持したかったからだと思う

          2021年、私の「手すり」になってくれた本10選