梅田の地下で、私は幼子に時間をもらう。
阪急線から大阪メトロに向かう梅田駅の地下街。ちょっとしたお店が並ぶ明るい通路を重たい足を引きずりながら歩く。
周りの人も仕事や用事を終え、帰路に着いているのだろう。空港にある平たいエスカレーターに乗っているように、みんな同じ速度で足を進めていく。
その人混みの中、ある親子とすれ違った。親と思わしき大人のがっしりとした腕に抱かれた小さな女の子は、その人と見つめ合い、ただ顔を横に振るだけでケタケタと大笑いしていた。
彼女にとってはその身動き一つでも、立派なおもちゃであり、アト