「こんばんは。おつかれさまです。
雨、降ってますね。お帰りは大丈夫でしたか」

夏至のあとの木曜日、クロネコさんのいってらっしゃいに送り出され、まりかはご機嫌だった。
予報では朝から雨だったが、本格的に降り出したのは夕方だ。

クロネコさん、今夜は早め、8時すぎにLINEが来た。
仕事を切り上げるのがだいたいこの時間のようだが、お夕飯を食べ終わった9時半ころに連絡をもらうことが多い。
まりかは、メッセージに気づき次第、返信することにしている。
もちろん、仕事中だったり、お台所にいたりすることもあるけれども、着信通知を見たらすぐ、アプリを開く。
今日はちょうど、躁うつ仲間のお友だちとやりとりをしているところだったから、会話の切れ目に返信した。

「こんばんは。おつかれさまです。
クルマだったので、大丈夫です。
帰りに寄ったスーパーで、プレモルの白を見つけたので、買っちゃいました」

もちろん、返信はまだない。
基本、クロネコさんは遅レス。
さっきお風呂から出たときに既読がついたが、それきりだ。

それでも、ミドリちゃんはこう言う。

「毎日、連絡がある時点で、クロネコさんはマメなのでは？」

そうなのだろうか。
投げかけたら、テンポよく返してほしい。
あいづちだけでも、返してほしい。

私は、文字だけで根掘り葉掘り聞かれるのは、苦手だ。
←ギターさん
どうでもいいやりとりを何時間も続けるのも、好まない。
←えくぼさん

要は、私が期待したタイミングで、期待したように連絡があると、満たされた気持ちになる。
改めて文字にすると、何と身勝手なのだろう！
私が返信したいタイミング、返信できる時間があるように、お相手の殿方にも都合があるのに。

きっと、まりかは、朝と晩、いってらっしゃい、おつかれさま、おやすみなさいが聞ければ幸せなのだ。
白いプレモルのあと、クロネコさんからの返信はない。
私からたたみかけるようにおやすみなさいを言うのもためらわれる。
すでに眠剤を飲んでしまったし、今夜はごあいさつなしかな。

世の中、マメな殿方ってどんな人を言うのだろうか。
どんな頻度で、どんなメッセージをくれるのが、ふつうなのだろうか。
世間さまもふつうも、いちばん難しくて、いちばんあてにならない。
いまは、クロネコさんを信じるだけだ。

＊2023年6月22日の活動状況
・もらった足あと：2人
・もらったいいね：1人
・やりとりした人：1人
気がつけば、マッチングアプリ生活をはじめて5か月。
10人の殿方とお顔合わせをした。
そろそろ少し、お休みしてもよいタイミングなのかもしれない。