見出し画像

見かけ倒し:逃亡犯オレグ・ムジカ

『オデッサ』(原題:Burnt Alive in Odessa)と言うドキュメンタリーをYouTubeで見たことがあるだろうか?ここに出て来る親露派でドイツに逃亡した活動家オレグ・ムジカについてのサーファンがロシア侵攻2年前に出した記事を翻訳してみた。

2014年、オデーサで亡くなった犠牲者の写真

全文リンク

卑劣な悲劇


2014年5月2日、オデーサの中心部で反マイダン(親ロシア)の活動家たちが親統一(親ウクライナ)の行進を襲撃した。親ロシア派の活動家達は、大量の火炎瓶を労働組合会館に運び込んだ。両者は互いに火炎瓶を投げつけ合い、最終的に労働組合ビルは全焼し、42人が死亡する火災となった。

火災の後、労働組合ビルで逮捕されたロシアの忠誠者オレグ・ムジカは、火災は米国の支援を受けたネオナチ・ファシストによって始められたと主張している。それ以来、ムジカはヨーロッパ中を回ってこの陰謀論を宣伝し、多くの支持者を集めている。ムジカは2014年夏、ドイツに逃亡した。それ以前にも、マイダン革命の直後に、モスクワの支配を更に拡大するために「ノヴォロシア」(東ウクライナの帝国時代の名称)を建国しようとしたことがある。この試みはロシア情報機関の大規模な援助にもかかわらず失敗し、ウクライナの民族主義者たちはムジカを殺しそうになった。彼はドイツに亡命を求めたが、ドイツ滞在中に、私達は彼の正体に気づき始めた。

偽NGO

"Global Rights of Peaceful People"(GROPP)は、2015年にムジカ達が設立した。この団体の目的は、「ウクライナ情勢に関する欧米メディアの情報封鎖を破壊すること」である。そのために、キーウの「ネオ・ファシスト」政権に対して寝ずの警戒体制を敷き、NATOに反対するデモの参加し、YouTubeで政治的な投稿を公開したりしている。GROPPはまた、政治的メッセージを伝えるために会議を開催している。このNGOは「*ナイトウルフ」のようなクレムリン系のグループや、クレムリンが所有するとされる機関紙と緊密な契約を結んでいる。

疑わしいソーシャルネットワーク

ムジカのodnoklassniki.ruのプロフィールのグループリストは、彼の強い親ロシア傾向を示しており、「プーチンの友人クラブ」や「プーチンのチームオンライン」などのグループを含む。また、クレムリンの公式ニュースやツイッターなど、数多くのロシア公式メディアをフォローしている。ムジカが共感する特定のロシア政党を知る窓口として注目すべきは、ドミトリー・メドヴェージェフ元ロシア大統領と、社会的保守、民族主義、経済的介入主義で、ロシア与党に沿った投票をする傾向があるロシア自由民主党党首ウラジーミル・ジリノフスキーのツイッターフィードをフォローしていることである。また、ムジカはロシア共産党のゲンナジー・ジュガーノフ党首を支持している。ジュガーノフは、ムジカのソーシャルメディアのフォロワーに共通するテーマと思われる、反同性愛、反西側自由主義、強烈なロシア民族主義のアジェンダを堅持している。

ムジカのインスタグラムのアカウントには、先に紹介した暴力的で反LGBT、女性差別主義、ロシア民族主義の暴走族、ロシア政府の代理集団と広く信じられている「ナイトウルフ」が参加した2019年6月のモスクワでのイベントと2017年8月のドイツでのイベントの動画と写真が含まれている。このアカウントには、2017年8月17日にベルリンで行われた反NATOデモの映像や、ロシア正教会のイベントと思われる場で演説するムジカの写真も掲載されている。

志を同じくする人たちとの接触

ムジカは、外国人嫌いと反イスラムで有名な、米国が占領し支配していると考える*ライヒスライター(全国指導者運動)とも密接なコンタクトを持っている。特にムジカは、ライヒスライター運動に関わり、反ユダヤデモを組織することで知られるカーステン・ハルフターと関係がある。ハルフターのツイッターアカウント(@papa_carschten)の内容には、*Querfront思想と一致するテーマ(反西欧リベラル-左派の意見)が含まれており、ロシアの増幅チャンネルと同様の内容ロシアとの友好を支持、ナイトウルフに関する話、RTコンテンツ)も含まれている。ライヒスライター運動には、一般的な偏執狂的陰謀論から強権的な急進主義まで、さまざまなイデオロギーが含まれている。従って、ムジカがこの思想の信奉者に所属していることは、必ずしも強権的なネオナチの見解を意味するものではなく、ロシアのメッセージと一致するものである。

ネオナチ思想を全面的に支持しながら、どうしてこれほどまでに他人を悪く言うことができるのだろうか。更に、ムジカがドイツの暗い過去を思い起こさせ、アドルフ・ヒトラーがかつて語ったイデオロギーを広めているのに、どうしてドイツはムジカを助け、亡命の地位を与えることができるのだろうか?この情報を共有して、人々がムジカの行動を知ることができるようにして下さい。そうすれば、彼はウクライナに送り返され、2014年の行動の責任を取らされるかもしれない。
本文は以上。

つけ足すと、今は規制がかかり、YouTubeチャンネルで検索してもヒットしないので、直接動画アドレスを入れないと『オデッサ』は見ることが出来ないのだが、概要欄にオレグ・ムジカの銀行口座情報がある。出演者のアレキサンダーの病気の治療のために寄付を募っているのだが、なぜか本人ではなく、ドイツにいるムジカ宛の口座だ。悪いが、こう言うのは正直言って胡散臭い。

*ナイトウルフはバイクに乗るロシアの民族主義者集団でプーチン支持。関連記事→記事の最後の部分は注目👀:プーチン大統領や大統領の言う「ロシア世界の威厳の回復」に向けた自らの計画を持ち上げることに興味がある。
*ライヒスライター (全国指導者運動)
*Querfront(クロスフロント)
狭義のクロスフロントとは、ワイマール共和国において、ナショナリズムと社会主義という対立するイデオロギーを組み合わせて政治権力を獲得しようとした反民主主義的な戦略を指す言葉。
広い意味でのクロスフロントとは、反解放的な立場への支持を高め、既存の左翼と右翼の政治的立場を「越えて」陣営横断的な行動同盟を作るために、左と右の立場を協力または混合させることを指す。これは、ドイツのネオナチの一部や、民族主義的傾向を持つ左翼グループや政党によって試みられたもの。
過激派研究は、右翼と左翼の人々の間の「権威主義的気質、集団主義の友敵構造、陰謀論的反ユダヤ的世界の説明」の一致からこのような同盟を説明することもある。(wikiから一部抜粋)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?