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『女性の知らない7つのルール』

女性活躍に必要なのは、「生理痛はつらい」などの現象を男性に学んでもらうことが本質ではありません。
女性自らが男性(これまでの組織の中心であった)のルールを知ることだと思います。

この本は、私にとってまさに目から鱗の内容でした。

「自分が抜けるとプロジェクトが回らないから仕事をやめられない」
「役割以上の仕事をしているのだから、いつか評価されるはずだ」
と感じている女性や
「女性役員を登用したいけれど、なかなか会話が噛み合わない」
「女性管理職の部下とのコミュニケーションが難しい」
という男性に読んでいただきたいです。きっとこの見えないルールを理解することができれば、マネジメントがグッとやりやすくなると思います。

著者は、男女の思考が異なる幼少期から思春期までの遊び方の違いを例に挙げて、その重要性を強調しています。例えば、男性は「ルール」に基づいた競技スポーツを通して競争や上下関係の概念を学びます。
これに対して女性は、「おままごと」や人形遊びなどを通して寄り添いや協調性を学びます。当然ながら、競技スポーツにはルールはありますが、「おままごと」にはルールは存在しません。チームプレイもありません。チームプレイと仲良しグループは、似て非なるものです。

このような違いが、キャリアにおける女性登用の難しさや女性チームのマネジメントの難しさに繋がっているのではないでしょうか。

同じく、女性のキャリアに焦点を当てた名著に「ビジネス・ゲーム」があります。

この本には、
「どうして出世していくのかわからない男性の影に優秀な女性アシスタントがいる」といった考察から
女性は「抜擢されるのを待っている」のに対して、男性の上司は
「やりたければ自分で声をあげるはず」といった食い違いが、描かれています。

そして、家庭内での男女の役割についても言及されています。共働きの場合は、家計を考慮した結果、男性がキャリアを優先し、女性は家庭を優先することが多いといった、記述です。

幼少期から異性の兄弟と過ごしていた場合は、見えないルールの中での振る舞い方を自然と身につけている場合もあるとのことです。

働く女性が、自分の身が置かれている場所のルールを知ることは、賢い選択に役立ちます。

これからは、ますます働き方が多様化する中で、見えないルールの存在や在り方そのものが変わっていくことでしょう。

見えないルールが存在することを理解した上で、組織における命令の連鎖を利用することも敢えて異質であることや抜け出すことも選択できます。

異質なものとして距離を置くのではなく、相手を理解することは、時として武器になります。


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