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ジェンダー平等が求められる現代において「女性専用道場」の意義を考える

(共同通信社から地方紙向けに配信されている「千種ゆり子の空てんき」の2022年9月分記事です。共同通信社からは許可を得て、そのままの文章で掲載します。)

皆さんが「コロナ禍が明け始めた」と実感できた出来事は何でしょうか。まだ実感できていないという方もいるかもしれませんね。大変な中頑張っていらっしゃる方には本当に頭が下がります。

私は最近ようやく、自分がコロナ禍を克服し始めているのを実感する出来事がありました。

それは、空手の新しい道場に入会したことです。

その新しい道場とは、前回のコラムで紹介した、原宿にある女性専用のおしゃれな空手道場です。

私が入会を決めた理由の一つが、道場の雰囲気です。毎回十名ほど、二〇代から四〇代の女性が稽古に参加していて、さながら「女子会」のようにワイワイ楽しく汗をかいています。まさに「オトナ女子の部活動」です。

私はいくつもの空手道場で稽古をしてきましたが、大人の女性が十名も参加している道場には出会ったことがありませんでした。女性はどの道場でも少数派で、肩身の狭い思いをすることも多くありました。しかしこの道場では女性は常に多数派で、のびのびと稽古できる気がします。

この道場を作ったアパレル企業の担当者の方に話を聞くと、

ジェンダー平等が求められる現代において「女性専用」を掲げることには迷いがあったといいます。


しかし私は、空手界で女性が活躍する第一歩として、この道場は必要だと思います。

日本で空手をしている人のうち女性は2~3割だという報告もある中、無理矢理にでも女性を増やし、男女同じ数にしなければならない!とは私は思いません。

しかし「空手をやってみたい」という女性が始めやすい環境を作ることは必要です。まずは女性にやさしい場を作ることが、空手界で女性が生き生きと過ごすために必要なことなのではと感じています。


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